かつての日々
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あの日は…確か雨が降っていた。3級の呪霊を祓う任務だった。名前は準1級の呪術師だったから、1人でも余裕なはずだったのだ。任務が終わったら4人でカラオケでも行こう、なんて電話で話をしていた。行くはずだったのだ。
途中で特級の呪霊が紛れ込んで来なければ。
電話から聞こえたのは、遠くの方の爆発音と子供の泣き声。そして名前の焦った声だった。携帯の落ちる音がして、名前の声が遠ざかっていく。途中で切れたからきっと壊れてしまったんだろう。確か傑が近くで他の任務に当たっていたはず。きっと大丈夫。そう思っていた。
現場に着いた時真っ先に目に入ったのは、雨に濡れながら、服を真っ赤に染めた名前を抱きしめる傑だった。そばには特級呪霊の死骸と、電話越しに聞こえた泣き声の持ち主であろう子供がいた。子供は名前が武器として使っていた鉈を持っていた。名前がこの子供を庇ったのは明白だった。
名前はまだ辛うじて息があるらしく、辛そうなヒュー、ヒューという呼吸音が聞こえる。傑は必死になって「大丈夫。絶対に死なない。私が助ける。」なんて言っている。駆け寄って、とりあえず硝子の所に運ばなければ、と声をかけた。でも名前は首を振って、傑の頬に手を当てた。「幸せに、してあげるって…言ったのにね。ごめんね、幸せに、なって…ね。」
力尽きたように頬から手が落ちた。
その時の傑の絶望したような顔と言葉が脳に焼き付いている。
「ダメだダメだ死ぬなんてダメだ、私のことを幸せにしてくれるんだろう私と一緒にいると言ったじゃないか、ダメだ、そんな事絶対に、私から離れないでくれ」
そのあとは傑が名前の事を呪って、名前は呪霊になった。一件落着!なんてことにはならなくて、けれどその時担任で現学長になった夜蛾は名前を呪霊として傑のそばに置いておく事に反対はしなかった。あの人はあの人なりに傑の事を思っていたんだろう。
途中で特級の呪霊が紛れ込んで来なければ。
電話から聞こえたのは、遠くの方の爆発音と子供の泣き声。そして名前の焦った声だった。携帯の落ちる音がして、名前の声が遠ざかっていく。途中で切れたからきっと壊れてしまったんだろう。確か傑が近くで他の任務に当たっていたはず。きっと大丈夫。そう思っていた。
現場に着いた時真っ先に目に入ったのは、雨に濡れながら、服を真っ赤に染めた名前を抱きしめる傑だった。そばには特級呪霊の死骸と、電話越しに聞こえた泣き声の持ち主であろう子供がいた。子供は名前が武器として使っていた鉈を持っていた。名前がこの子供を庇ったのは明白だった。
名前はまだ辛うじて息があるらしく、辛そうなヒュー、ヒューという呼吸音が聞こえる。傑は必死になって「大丈夫。絶対に死なない。私が助ける。」なんて言っている。駆け寄って、とりあえず硝子の所に運ばなければ、と声をかけた。でも名前は首を振って、傑の頬に手を当てた。「幸せに、してあげるって…言ったのにね。ごめんね、幸せに、なって…ね。」
力尽きたように頬から手が落ちた。
その時の傑の絶望したような顔と言葉が脳に焼き付いている。
「ダメだダメだ死ぬなんてダメだ、私のことを幸せにしてくれるんだろう私と一緒にいると言ったじゃないか、ダメだ、そんな事絶対に、私から離れないでくれ」
そのあとは傑が名前の事を呪って、名前は呪霊になった。一件落着!なんてことにはならなくて、けれどその時担任で現学長になった夜蛾は名前を呪霊として傑のそばに置いておく事に反対はしなかった。あの人はあの人なりに傑の事を思っていたんだろう。
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