アベンジャーズ 連載
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「いい?ユア。私達はこのまま現場に向かうけど、貴女はバイクで裏口から侵入して。被害者がいる可能性もある。出来るだけ、死亡者は出したくないから、協力して」
ロキ達の居場所を突き止めた私達は至急現場に向かう途中に、ロマノフにそう言われて一人だけ現場へバイクで向かうことになった。
生体コントロールが主な私の能力故の担当の分散だろう。
「了解。皆はそのまま正面からよね?」
「あぁ、僕らは正面から行く予定だ。裏口からロキが操っている奴らがいれば任せる。できるか?」
ロジャースは通信でそう言うと、私は頼られた事が少し嬉しくて大丈夫だと応えた。
「現場に到着。既に数名侵入しているみたいだから、ことが落ち着いたらまた連絡する。それじゃ」
外側から気配を伺いながら中に侵入する。
通路を進んでいくと、何人かの警備兵が倒れていて倒れている者の方へと足を進める。見る限り既に事切れている者が殆どで、私は苦虫を噛みつぶしたような顔をする。
瞬間、どこからか悲鳴のような声がする。おそらく、中で何かがあったのだろう。そちらに向かおうとしたがやめた。正面からのことに関しては、彼らに任せた筈だ。だったらこちらは自分の仕事をするべきだ。
不意に苦しそうに横に倒れている警備兵がいた。私は、思わずかけよって声をかける。
「今治すから、落ち着いて」
私は警備兵の胸に刺さる弓を引き抜いて、
その傷口に手を当てて力を発動した。
鈍く光るそれは傷口を少しずつ修復していく。
「う、うぅ、俺の事はいい…奴らを」
「奴ら?」
「得体のしれない奴らが突然来て、…先へ向かった。この先は重要な物が多く置いてある部屋になっている…」
「この先に、居るのね?」
念を押してもう一度聞くと、彼は頷いた。
「…傷は塞いだから、貴方はこのまま少し眠って?目が覚めたら助けが来るから」
そう言うと、やり力を発動して眠気を誘発させる。彼はスゥーっと目を瞑る。
私は安心したように息を吐いた。
刺さった弓を見て私は険しい顔をする。
「居るのね」
呟いて、先へ急ぐ。彼がいる。
「クリント…」
イリジウムを回収して、一緒に来ていた兵らに別のルートから素早く目標物を持って戻れと指示を出す。
部屋から出て、扉の生体暗証機械を回収するとバートンは変わらず無表情で兵にそれを渡した。
「撹乱してから合流する。お前達は先に行け」
「だが、一人で大丈夫なのか?」
「俺はそのほうがやりやすいから、心配ない。行け」
「分かった」
「最短のルートで行け、アイツに追いつかれる」
「アイツ?」
聞き返えした刹那、後ろを振り向いて降ってきた足を掴んだ。ユアの蹴りがバートンの顔を横薙ぎにしようとしていたのだ。
「…っ!!!」
「…来るとわかっていた」
身体の遠心力を利用して、強引にその手から逃れるとユアは拳をバートンに数発打ち込む。途端にそれを避けながら、同時にバートンも彼女の足を蹴り上げようとするがそれを防御する。弓幹を上手く使いながら、徐々にユアを追い詰めるバートンは彼女の腹に一撃を食らわす。
「っ!!!」
「…お前じゃ俺には勝てない」
言うやいなや弓幹の柄で首元と、左手を押さえつける、右腕を空いた手で押さえつけられて、能力の発動を防がれてしまう。
それを冷たい目で顔を近づけてくるバートンの表情は変わらぬまま。
「言っただろ、知っていたと…」
「どうして、私、が来ると分かった…のっ!」
「キューブが見せてくれた」
「…ぅっ!!くっ!!」
掌から力を、発現しようとして再び首を柄で締められる。
「能力を熟知している俺に、お前の力は通じない」
「んんっ!!!」
徐々に締め上げられる力に、抵抗しようとして暴れるユアにバートンの表情はやはり変わらず、彼自身の力が緩むことはない。
ーザ…ザザ…
通信の無機質な音が片耳から聞こえる
「目標を確保した。ユア、そっちはどう?」
ロマノフの声が聞こえる。
「ユア?聞こえる?ユア??」
数秒の後、バートンの腕から緩んだ。
「…げほっ!!あっ…っ!!ゲホゲホっ!!」
「命拾いしたな」
見上げると、ユアの知る彼ではない彼が自分を見下ろしている。
「クリントっ…」
先に行った兵達の後を追うようにして走っていくバートンにユアはもう一度
「クリントっ!!」
洗脳されている事を知っていたのに、感情で動いてしまった。いつでも冷静でなければいけないのに、小さくなる彼の背中に手を伸ばす。
待って、行かないで、会えたのに。
貴方に…
「…」
「… ユア?大丈夫なの?」
「…大丈夫。ごめん、敵を逃した。これから会場へ向かって生存者の確認をしてから戻る。もう少し待って」
立ち上がって、走り出す。
任務が失敗してしまった自分に残された仕事はより多くの人を救うことだ。
今は自分の気持ちは外に出そう。
そうして、被害者を辛うじて治癒を施しながらユアは仲間のもとへ合流するのだった。
ロキ達の居場所を突き止めた私達は至急現場に向かう途中に、ロマノフにそう言われて一人だけ現場へバイクで向かうことになった。
生体コントロールが主な私の能力故の担当の分散だろう。
「了解。皆はそのまま正面からよね?」
「あぁ、僕らは正面から行く予定だ。裏口からロキが操っている奴らがいれば任せる。できるか?」
ロジャースは通信でそう言うと、私は頼られた事が少し嬉しくて大丈夫だと応えた。
「現場に到着。既に数名侵入しているみたいだから、ことが落ち着いたらまた連絡する。それじゃ」
外側から気配を伺いながら中に侵入する。
通路を進んでいくと、何人かの警備兵が倒れていて倒れている者の方へと足を進める。見る限り既に事切れている者が殆どで、私は苦虫を噛みつぶしたような顔をする。
瞬間、どこからか悲鳴のような声がする。おそらく、中で何かがあったのだろう。そちらに向かおうとしたがやめた。正面からのことに関しては、彼らに任せた筈だ。だったらこちらは自分の仕事をするべきだ。
不意に苦しそうに横に倒れている警備兵がいた。私は、思わずかけよって声をかける。
「今治すから、落ち着いて」
私は警備兵の胸に刺さる弓を引き抜いて、
その傷口に手を当てて力を発動した。
鈍く光るそれは傷口を少しずつ修復していく。
「う、うぅ、俺の事はいい…奴らを」
「奴ら?」
「得体のしれない奴らが突然来て、…先へ向かった。この先は重要な物が多く置いてある部屋になっている…」
「この先に、居るのね?」
念を押してもう一度聞くと、彼は頷いた。
「…傷は塞いだから、貴方はこのまま少し眠って?目が覚めたら助けが来るから」
そう言うと、やり力を発動して眠気を誘発させる。彼はスゥーっと目を瞑る。
私は安心したように息を吐いた。
刺さった弓を見て私は険しい顔をする。
「居るのね」
呟いて、先へ急ぐ。彼がいる。
「クリント…」
イリジウムを回収して、一緒に来ていた兵らに別のルートから素早く目標物を持って戻れと指示を出す。
部屋から出て、扉の生体暗証機械を回収するとバートンは変わらず無表情で兵にそれを渡した。
「撹乱してから合流する。お前達は先に行け」
「だが、一人で大丈夫なのか?」
「俺はそのほうがやりやすいから、心配ない。行け」
「分かった」
「最短のルートで行け、アイツに追いつかれる」
「アイツ?」
聞き返えした刹那、後ろを振り向いて降ってきた足を掴んだ。ユアの蹴りがバートンの顔を横薙ぎにしようとしていたのだ。
「…っ!!!」
「…来るとわかっていた」
身体の遠心力を利用して、強引にその手から逃れるとユアは拳をバートンに数発打ち込む。途端にそれを避けながら、同時にバートンも彼女の足を蹴り上げようとするがそれを防御する。弓幹を上手く使いながら、徐々にユアを追い詰めるバートンは彼女の腹に一撃を食らわす。
「っ!!!」
「…お前じゃ俺には勝てない」
言うやいなや弓幹の柄で首元と、左手を押さえつける、右腕を空いた手で押さえつけられて、能力の発動を防がれてしまう。
それを冷たい目で顔を近づけてくるバートンの表情は変わらぬまま。
「言っただろ、知っていたと…」
「どうして、私、が来ると分かった…のっ!」
「キューブが見せてくれた」
「…ぅっ!!くっ!!」
掌から力を、発現しようとして再び首を柄で締められる。
「能力を熟知している俺に、お前の力は通じない」
「んんっ!!!」
徐々に締め上げられる力に、抵抗しようとして暴れるユアにバートンの表情はやはり変わらず、彼自身の力が緩むことはない。
ーザ…ザザ…
通信の無機質な音が片耳から聞こえる
「目標を確保した。ユア、そっちはどう?」
ロマノフの声が聞こえる。
「ユア?聞こえる?ユア??」
数秒の後、バートンの腕から緩んだ。
「…げほっ!!あっ…っ!!ゲホゲホっ!!」
「命拾いしたな」
見上げると、ユアの知る彼ではない彼が自分を見下ろしている。
「クリントっ…」
先に行った兵達の後を追うようにして走っていくバートンにユアはもう一度
「クリントっ!!」
洗脳されている事を知っていたのに、感情で動いてしまった。いつでも冷静でなければいけないのに、小さくなる彼の背中に手を伸ばす。
待って、行かないで、会えたのに。
貴方に…
「…」
「… ユア?大丈夫なの?」
「…大丈夫。ごめん、敵を逃した。これから会場へ向かって生存者の確認をしてから戻る。もう少し待って」
立ち上がって、走り出す。
任務が失敗してしまった自分に残された仕事はより多くの人を救うことだ。
今は自分の気持ちは外に出そう。
そうして、被害者を辛うじて治癒を施しながらユアは仲間のもとへ合流するのだった。
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