アベンジャーズ 連載
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「キャプテンと、ブルース・バナーがそろそろ来るの?」
「えぇ、バナーも到着しているころだと思うわ。ユアも行く?」
ブリッジから出たところで、ロマノフが前を歩いている所に声をかけると、彼女は気さくにそう言った。
「モニターと資料でしか見たことがないから、一度部屋に戻ったら行くよ。ついでに握手でもしてもらおうかなと思う」
「何か忘れ物?」
「いつもの薬をね…。力を使う可能性のある時は飲んでおきたくて」
「あぁ、生体コントロールのあれね」
「うん、飲んだら行くから先に行ってて」
楽しそうに笑って私がそう言うと、彼女は少しばかりおかしそうに言う。
「…それにしても貴女よっぽど以前の仕事合わなかったのね、喋り方すら変わったけど」
「まあ、ストレスだったのは否定しない。いつも眉間にシワ寄せてたし、部下になめられないように威圧放ってたから…。本当に…胃がいつも痛くて責任重大で」
「ここの仕事はもっとキツイと思うけど」
「…自分で決断するより他人にある程度委ねられるって意味においては、そんなに胃が痛くならないと思うのよね」
「酷使するのは頭もそうだけど戦闘においては更に大変だと思うわよ、体力勝負ね」
「そこは…覚悟してる。…あれよね、生傷が耐えない感じが否めない」
「よく言う、ダンプカーに轢かれても無傷の貴女にそんなことあるわけないじゃないの」
「お嫁に行くときは無傷っていいけど、行く気ない私からしたらまったく意味なさないけどね!」
笑って自分の部屋のほうへ向かう。また後でとお互いに言って自室に向かった。
与えられた自室に少ない荷物の中に入っている薬を口に入れて水を飲む。これはS.H.I.E.L.D.の研究員に渡された特殊な薬だ。飲むだけで日常生活を送る分には何ら影響はないが、【力】を使うとなっては話が別なのだ。【体組織の急速な活性化】が主となる生体コントロールが私の能力。ほかにも細かい力は使えるのだが、これは相手も自分も、安全に治療が施せるように飲むものなのだ。人によって体組織の度合いは違う。特にアベンジャーズのメンバーや普通の人達と比べたら力の使い方が違うからだ。
その調整具合を補助してくれるものがこの薬。別段なくても困らないといえばそうだが、これは自分自身の保険のため。一瞬のミスで回復しすぎてしまえば相手が死んでしまう可能性すらあるからだ。
先頭においてはとてもそれは有効なものだけど、助けるべく人にそれをしてしまっては意味がない。そのための薬である。
「戦いにならなきゃそれはそれでいいんだけどねぇ」
ぽつりとぼやく。
これから先のことはわからない。いつでも万全に。S.H.I.E.L.D.のエージェントとしてそこだけは崩したらイケナイスタイルだ。
部屋から出ると、ロマノフが二人の男性と歩いてきた。
「あれ、戻ってきたの?」
「えぇ、ヘリキャリアが飛び始めたからね」
「あぁ、そうなんだ…。ところでそっちのお二人が例の?」
「そう、貴女が握手したがっていた二人」
「初めまして、私はユア・見細。S.H.I.E.L.D.のエージェント。宜しく」
私は彼に自己紹介をすると、キャプテンはニコリと笑って爽やかに自己紹介をする。
「初めまして、僕はスティーブ・ロジャースよろしく」
握手を交わすと、ロマノフが続けて紹介をしてくれる。
「彼はブルース・バナー、貴女は一度会った事あった?」
「あ~いや、任務の時に見ていた程度で面識は無いはず」
「そうなのかい?宜しく。どんな任務かな?」
「聞かない方がいいと思う、多分貴方が考えていることで合ってるから」
「なる程、僕の監視目的って事だね」
皮肉っぽく言うバナーに、私は苦笑いをする。
監視といえば監視ではあるが、任務だったため何とも言えない。
実際ハルクになっていた彼を目にしたこともないので、いまいちピンと来ないのだ。任務用の資料ムービーを目にしてもこの優しそうな彼がハルクになるというのもまた不思議だなと思ったからである。
「不快な気持ちにさせたなら謝る。私個人は特に優しそうな人という印象だし…」
「ハルクである僕を知っているのに、おかしなことを言うね君は」
「あ、はは…自分の目で見ないと実感がわかなくて」
「なら、きっと…ハルクの僕を見たら驚くと思う…化け物みたいな僕なんて」
目線を下に下げる彼に、私は思わず口を開く。
「私も見た目こんなだけど…どんなに大怪我しても時間が経てば跡も残らないし何しても死ねないの。私のほうが化け物かも…」
「…」
「ちょっと、これから初任務の顔合わせだって時にテンション下がるようなこと言わないで。皆、ブリッジに行くわよ」
そうして四人でブリッジへ向かった。
セルヴィグが人の慌ただしく行き交う研究所で、歓喜な声を上げる。
「こんな人材一体どこから連れてきたんだ?」
「S.H.I.E.L.D.を恨んでるやつは沢山いる」
目の前で次の任務のために動く会話相手であるクリント・バートンはそう答える。
「あぁ、ロキ!このキューブは素晴らしいな!色んなものを見せてもらったよ!」
興奮気味に語るセルヴィグに、ロキは満足そうな顔をしてそうだろうと言った。
「バートン、お前には何が見えた?」
視線をそちらに向ける。表情を変えることなく淡々と、言葉を発するバートンは口を開く。
「次の標的が」
ロキは口元を綻ばせてバートンを見据える。武器を持って先を歩いていく彼にロキは
「それでは行こうか」
と言って楽しそうに踵を返す。
バートンは弓を持つ手に力を入れる。
いるはずが無いだろう彼女をあのキューブが見せたからだ。
「えぇ、バナーも到着しているころだと思うわ。ユアも行く?」
ブリッジから出たところで、ロマノフが前を歩いている所に声をかけると、彼女は気さくにそう言った。
「モニターと資料でしか見たことがないから、一度部屋に戻ったら行くよ。ついでに握手でもしてもらおうかなと思う」
「何か忘れ物?」
「いつもの薬をね…。力を使う可能性のある時は飲んでおきたくて」
「あぁ、生体コントロールのあれね」
「うん、飲んだら行くから先に行ってて」
楽しそうに笑って私がそう言うと、彼女は少しばかりおかしそうに言う。
「…それにしても貴女よっぽど以前の仕事合わなかったのね、喋り方すら変わったけど」
「まあ、ストレスだったのは否定しない。いつも眉間にシワ寄せてたし、部下になめられないように威圧放ってたから…。本当に…胃がいつも痛くて責任重大で」
「ここの仕事はもっとキツイと思うけど」
「…自分で決断するより他人にある程度委ねられるって意味においては、そんなに胃が痛くならないと思うのよね」
「酷使するのは頭もそうだけど戦闘においては更に大変だと思うわよ、体力勝負ね」
「そこは…覚悟してる。…あれよね、生傷が耐えない感じが否めない」
「よく言う、ダンプカーに轢かれても無傷の貴女にそんなことあるわけないじゃないの」
「お嫁に行くときは無傷っていいけど、行く気ない私からしたらまったく意味なさないけどね!」
笑って自分の部屋のほうへ向かう。また後でとお互いに言って自室に向かった。
与えられた自室に少ない荷物の中に入っている薬を口に入れて水を飲む。これはS.H.I.E.L.D.の研究員に渡された特殊な薬だ。飲むだけで日常生活を送る分には何ら影響はないが、【力】を使うとなっては話が別なのだ。【体組織の急速な活性化】が主となる生体コントロールが私の能力。ほかにも細かい力は使えるのだが、これは相手も自分も、安全に治療が施せるように飲むものなのだ。人によって体組織の度合いは違う。特にアベンジャーズのメンバーや普通の人達と比べたら力の使い方が違うからだ。
その調整具合を補助してくれるものがこの薬。別段なくても困らないといえばそうだが、これは自分自身の保険のため。一瞬のミスで回復しすぎてしまえば相手が死んでしまう可能性すらあるからだ。
先頭においてはとてもそれは有効なものだけど、助けるべく人にそれをしてしまっては意味がない。そのための薬である。
「戦いにならなきゃそれはそれでいいんだけどねぇ」
ぽつりとぼやく。
これから先のことはわからない。いつでも万全に。S.H.I.E.L.D.のエージェントとしてそこだけは崩したらイケナイスタイルだ。
部屋から出ると、ロマノフが二人の男性と歩いてきた。
「あれ、戻ってきたの?」
「えぇ、ヘリキャリアが飛び始めたからね」
「あぁ、そうなんだ…。ところでそっちのお二人が例の?」
「そう、貴女が握手したがっていた二人」
「初めまして、私はユア・見細。S.H.I.E.L.D.のエージェント。宜しく」
私は彼に自己紹介をすると、キャプテンはニコリと笑って爽やかに自己紹介をする。
「初めまして、僕はスティーブ・ロジャースよろしく」
握手を交わすと、ロマノフが続けて紹介をしてくれる。
「彼はブルース・バナー、貴女は一度会った事あった?」
「あ~いや、任務の時に見ていた程度で面識は無いはず」
「そうなのかい?宜しく。どんな任務かな?」
「聞かない方がいいと思う、多分貴方が考えていることで合ってるから」
「なる程、僕の監視目的って事だね」
皮肉っぽく言うバナーに、私は苦笑いをする。
監視といえば監視ではあるが、任務だったため何とも言えない。
実際ハルクになっていた彼を目にしたこともないので、いまいちピンと来ないのだ。任務用の資料ムービーを目にしてもこの優しそうな彼がハルクになるというのもまた不思議だなと思ったからである。
「不快な気持ちにさせたなら謝る。私個人は特に優しそうな人という印象だし…」
「ハルクである僕を知っているのに、おかしなことを言うね君は」
「あ、はは…自分の目で見ないと実感がわかなくて」
「なら、きっと…ハルクの僕を見たら驚くと思う…化け物みたいな僕なんて」
目線を下に下げる彼に、私は思わず口を開く。
「私も見た目こんなだけど…どんなに大怪我しても時間が経てば跡も残らないし何しても死ねないの。私のほうが化け物かも…」
「…」
「ちょっと、これから初任務の顔合わせだって時にテンション下がるようなこと言わないで。皆、ブリッジに行くわよ」
そうして四人でブリッジへ向かった。
セルヴィグが人の慌ただしく行き交う研究所で、歓喜な声を上げる。
「こんな人材一体どこから連れてきたんだ?」
「S.H.I.E.L.D.を恨んでるやつは沢山いる」
目の前で次の任務のために動く会話相手であるクリント・バートンはそう答える。
「あぁ、ロキ!このキューブは素晴らしいな!色んなものを見せてもらったよ!」
興奮気味に語るセルヴィグに、ロキは満足そうな顔をしてそうだろうと言った。
「バートン、お前には何が見えた?」
視線をそちらに向ける。表情を変えることなく淡々と、言葉を発するバートンは口を開く。
「次の標的が」
ロキは口元を綻ばせてバートンを見据える。武器を持って先を歩いていく彼にロキは
「それでは行こうか」
と言って楽しそうに踵を返す。
バートンは弓を持つ手に力を入れる。
いるはずが無いだろう彼女をあのキューブが見せたからだ。