アベンジャーズ 連載
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『生きることを選択するのはお前だ、俺はお前が決めた事なら文句は言わない』
いつだったか言われた言葉。
自らの【力】のコントロールに自棄になっていた時に彼に言われた言葉に救われた。
生きて欲しいでもない、私が私であることに選択をしていいのだと思わせてくれた人だ。
この力は世界のためでなく、自分の為にふるっていい。けれど、そのせいで他の誰かを犠牲にしたのであれば、迷わず殺される覚悟をしろと…。
貴方に救われた。その貴方が敵の手に落ちたのなら今度は私が…
「来るとは思ってなかったぞ」
ヘリキャリアに乗り込んですぐ司令室へ足を運んだ先で、長官は何食わぬ顔をしてサラリとそういった。
「冗談ですよね、バートンの名前を出せば私が来ると踏んでわざわざエージェントロマノフを寄こしたくせに」
「君達は過去一緒に任務をしていたことがあったからな、気を利かせただけだ」
「勧誘確率を上げるために、ロマノフを寄こしておいてよく言いますよ。本当にしてやられました」
椅子座ると、長官は少しばかり口元を綻ばせる。
「資料は読んできたか」
「研究していた四次元キューブをソーの弟のロキに盗まれたと」
「大まかな線はそれだ」
「私、この資料に乗っているメンバーほど凄くないんですけど役に立つとも思えないんですが」
キャプテン・アメリカ、アイアンマン、ハルク、ソー…近頃メディアが飛びついて報道をしているヒーローの面々だ。そのメンバーの一人に自分が抜擢されるほど、私はヒーローらしいヒーローではないむしろ、ヒーローでもない。自分の能力は彼ら程目立ち、効率的に使える代物じゃないからだ。
「通常の人間より遥かに早い速度で傷を治せる君の【力】が役に立たないということはないだろう。自らの血を与える事でその相手にも距離があっても君の意思で傷を治すことができる」
「量産できないところが難点ですけどね。この弱いテレキネシスのお陰で、相手が私の【血】と【力】を受け入れられなければ、霧散して死にますから」
皮肉たっぷりに言ってやる。かつて私はS.H.I.E.L.D.の研究所でモルモットになっていた所をこのニック・フューリーに救われた。だが、その後の扱いも検査と称して似たような事をされた事があり、あまり良い印象がない。
「まあ、そう言うな。突然発覚した力のコントロールやできる範囲の把握はどんな状況においても重要な事だ。あの時の検査でさえ3日で済んだ」
「その後もちょこちょのお呼びが掛かりまして、お陰様で立ち直るのに相当苦労しましたけど…」
気まずそうな顔をするフューリーに、私はフッと笑った。
「まあ、いいです。この緊急事態に呼んでくださったことは感謝しています。よろしくお願いします」
「昔から、君は私に対して容赦がないと思うんだが」
「すみません、ロマノフ譲りなんで」
そう言って握手をする。
長官との関係はS.H.I.E.L.D.に入る前、つまりは私が事故に合ってしばらくした時からの付き合いだ。それなりに面倒を見てもらっていた反面、先の助けられた後の事で尾を引いている。それは、彼自身もよくわかっている事だし不快に思われこともない関係である。
「話は済んだ?長官、そろそろ、コールソンらが到着するとのことです」
マリア・ヒルがそう言う。私は、伸びを一つしてから司令室を出た。
いつだったか言われた言葉。
自らの【力】のコントロールに自棄になっていた時に彼に言われた言葉に救われた。
生きて欲しいでもない、私が私であることに選択をしていいのだと思わせてくれた人だ。
この力は世界のためでなく、自分の為にふるっていい。けれど、そのせいで他の誰かを犠牲にしたのであれば、迷わず殺される覚悟をしろと…。
貴方に救われた。その貴方が敵の手に落ちたのなら今度は私が…
「来るとは思ってなかったぞ」
ヘリキャリアに乗り込んですぐ司令室へ足を運んだ先で、長官は何食わぬ顔をしてサラリとそういった。
「冗談ですよね、バートンの名前を出せば私が来ると踏んでわざわざエージェントロマノフを寄こしたくせに」
「君達は過去一緒に任務をしていたことがあったからな、気を利かせただけだ」
「勧誘確率を上げるために、ロマノフを寄こしておいてよく言いますよ。本当にしてやられました」
椅子座ると、長官は少しばかり口元を綻ばせる。
「資料は読んできたか」
「研究していた四次元キューブをソーの弟のロキに盗まれたと」
「大まかな線はそれだ」
「私、この資料に乗っているメンバーほど凄くないんですけど役に立つとも思えないんですが」
キャプテン・アメリカ、アイアンマン、ハルク、ソー…近頃メディアが飛びついて報道をしているヒーローの面々だ。そのメンバーの一人に自分が抜擢されるほど、私はヒーローらしいヒーローではないむしろ、ヒーローでもない。自分の能力は彼ら程目立ち、効率的に使える代物じゃないからだ。
「通常の人間より遥かに早い速度で傷を治せる君の【力】が役に立たないということはないだろう。自らの血を与える事でその相手にも距離があっても君の意思で傷を治すことができる」
「量産できないところが難点ですけどね。この弱いテレキネシスのお陰で、相手が私の【血】と【力】を受け入れられなければ、霧散して死にますから」
皮肉たっぷりに言ってやる。かつて私はS.H.I.E.L.D.の研究所でモルモットになっていた所をこのニック・フューリーに救われた。だが、その後の扱いも検査と称して似たような事をされた事があり、あまり良い印象がない。
「まあ、そう言うな。突然発覚した力のコントロールやできる範囲の把握はどんな状況においても重要な事だ。あの時の検査でさえ3日で済んだ」
「その後もちょこちょのお呼びが掛かりまして、お陰様で立ち直るのに相当苦労しましたけど…」
気まずそうな顔をするフューリーに、私はフッと笑った。
「まあ、いいです。この緊急事態に呼んでくださったことは感謝しています。よろしくお願いします」
「昔から、君は私に対して容赦がないと思うんだが」
「すみません、ロマノフ譲りなんで」
そう言って握手をする。
長官との関係はS.H.I.E.L.D.に入る前、つまりは私が事故に合ってしばらくした時からの付き合いだ。それなりに面倒を見てもらっていた反面、先の助けられた後の事で尾を引いている。それは、彼自身もよくわかっている事だし不快に思われこともない関係である。
「話は済んだ?長官、そろそろ、コールソンらが到着するとのことです」
マリア・ヒルがそう言う。私は、伸びを一つしてから司令室を出た。