マイティ・ソー夢
名前変更
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
きっと、彼女は兄上ばかり追っていてそれに気がついていない。
好いた女性ができたと兄上が告げた時、彼女は悲しそうな。それでいて、どこかほっとしたような顔を向けていた。、
唯一、側にいて自分を理解しようとしてくれた人だから。
その感情を向けられるのが、自分ではなく兄上だと思うと、悲しい反面憎しみも芽生える。
私は、ずっと好きだったよ。
そんなこと言っても、また君は嘘つきねと言うだろうけど。
抱きしめてキスをして私の物にできるならいいなと、ずっと思っていたから…
「だっから!あれは私の相手だったの!なんで邪魔して全部倒しちゃうかなぁ!今日こそ活躍できると思ったのにぃ!!」
戦場に一緒に出ていたソーに文句を言いながら、虹の橋から宮殿に向かう私達。私は悪態をついていた。
「仕方ないだろ!こう、なんというかアレだ!ピンチの時はヒーローが必要だろう!?」
「…ソー。あの、私の話聞いてた?ねぇ?私は、邪魔しないでってお願いしてるんだけど」
「いやいや、ちゃんと助けただろう!お前、すごく苦戦していたじゃないか!」
「ねぇ、その筋肉バカな頭何とかして…」
そう言って、頭を抑えた私にソーは心外だとばかりに言う。
「何故だ!お前は全く、昔から俺に対して容赦がないな!少しは可愛げと言うもんを見せるとかないのか?」
「えぇ〜?彼女持ちの人にそんなこと言われても困るっていうかぁ…」
「お前、絶対ダーシーの影響受けてるよなその喋り方!」
「なんか知んないけど、あんたがミッドガルドに何かにつけてつれていくからでしょーが!」
「俺のせいだっていうのか!?」
「それ以外に何があんのよ!鼻毛抜くわよ!!」
ギャーギャー言い合って喧嘩するのはいつもの事。気にかけてくれるのは嬉しいけどその心配が過剰すぎる。言い争っていると、手を掴まれて壁際に押し付けられる。私はそんなことお構いなしにいつもの調子で口を開いた。
「てゆーか、ジェーンとイチャコラしてきなさいよ!なんで私にばっかり最近構ってくるのよ!って、ちょ、と、離れてっ!ソー!?…ソー?」
「…」
「何、まさか振られたんじゃないでしょうね…」
ズバッというと、彼は目を見開いた。
「いいやぁ?俺が振ったんだぞ!俺が!振ったんだ」
「ふーん…」
ジト目でちょっと弱気な顔をするソーを見る。
「なんだ…よ」
「慰めて欲しかったわけ…?」
「ははっ!馬鹿をいうな、そんなわけ、が…」
宮殿の物陰に隠れて自分より背の高いソーの頭を抱えてよしよしする。されるがまま。私の肩に頭を押し付けて押し黙ってしまった。
「…意地っ張り」
「うるさい…」
別に昔から珍しい事じゃない。ソーはいつもこんなだ。ジェーンと付き合いだしてからはこんなのなかったのに、ここのところ色々あった上に、結局別れてしまって虚勢を張ってたんだろう。
「キス…」
「しないわよ。調子に乗んな」
☆☆☆☆
暫くして、ソーは再び虹の橋からミッドガルドへ旅立ち、私はオーディン様に報告を終えて自室に向かう。
鎧を脱いだら湯浴みしてもいいかなぁとぼんやり考えていた。
ガチャリと扉を開けると、ベッドに座って見覚えのあるやつがすごい不機嫌な顔して座っている。ソーの弟のロキだ。正直この状態は非常にめんどくさい。
「お帰り」
「ただいまロキ」
何食わぬ顔して、鎧を脱ぐ。
椅子にマントをかけて、重いものをすべて脱いで軽い服に着替えた。
「君はあれか。恥じらいがないのか」
「出ていってと言っても出ていってくれないでしょ?」
「勿論」
さっくり返されて、私は苦笑いする。
「いつも言ってるけど、女性の私室に入り込むなんてマナー違反よ、ロキ」
「私と君の仲だし、別に構わないだろ」
この不機嫌な言い回しにいつもげんなりする。
こういう態度を出すロキは中々部屋から出ていってくれないし、私を開放する気もなければ手放してくれないのだ。
「そういう問題じゃないの。ロキ、あんまりわがままが過ぎると嫌いになるわよ」
「…」
押し黙って私をじっと見る。彼は何か言いたげな目をする。
「何?」
「君は、兄上には優しいのに、私には厳しい…過ごす時間は私のほうが長いのに」
「そんなことないわよ。ロキにもソーにも…」
ソーの名前を出した瞬間に、腕を引かれて後ろのベッドに押し倒される。
「いいや、それはユアが気がついて無いだけだ。私の事なんか、めんどくさいと思ってるんだろっ!」
見事にバレててどうしようと思った…。
「いや、だって、ロキ最近私にべったりじゃない。アスガルドいると大体毎日一緒にいるよ?」
「ユアは、嫌なの?」
そんなことを言われても困る。
ロキが私の部屋に来るようになったのは、彼が戦いで亡くなりましたと一報を聞いてからだ。
オーディン様の姿を騙っていることは、彼自身がその後私の部屋に来てすぐに分かったことで、あまりの衝撃に私はその時わんわん泣いた記憶がある。けれど、私以外にロキがオーディン様を騙っていることは、ロキ自身によって禁じられていた。公に出すものなら、その場で自分のモノにするとまで言ってきたのだ。別にそれが怖くて黙っていたわけではないけれど、周りに対して多かれ少なかれ罪悪感はあるし、彼はそれを知ってかしらずか、私を監視するかのようにアスガルドに居る間は日頃から姿を変え、時間を変えべったりだった。極稀に、ソーに呼ばれて手助けに行く時くらいしか最近休まることがない。
「てゆーか、さっき謁見でも会ったし今もそうだけど…ロキ、しつこいって言われない?正直…バレるのが怖いのか、私が好きでここにいるのか分からないんだけど…」
ため息まじりにいうと事も無げに言う。
「そりゃ勿論、監視目的だけど」
「あ、あー…」
押し倒されたちょっといいロマンチックな状況で、それをいうかこの男。何ちょっと楽しそうな顔してんだ。腹立つから、ミゾオチに膝蹴り食らわして私は起き上がる。痛がるロキだが、私をベッドから離すことを拒んで、ずっと右手を握っている。
「誰にも話してないし、話すなって言うなら黙ってるけど、そろそろちゃんとしないとバレるわよホントに」
「そんなはずない。兄上はアスガルドに来ることがないし」
「今日、さっき来たわよ」
「私の統治で平和そのもの!」
「私の心は毎日平和じゃないわ」
「……」
「……」
ごほんと咳払いをするロキ。
「君は、いつもそうやって余裕があってムカつく」
ポツリとつぶやく。
「ロキが素直にならないからでしょ」
向き直って、額に口づけを落とす。
その顔が、あまりに嬉しそうで…
「キスがいい」
「はぁ?」
抱き寄せられて、私はロキの上に馬乗りになってお互いを見つめる格好になる。
「んっ…」
首筋を舐められて、背中をロキの指がスーッと撫でる。私はたまらず、声をもらしてしまう。
「兄上に優しくした罰。ユアは私にだけ優しくすればいい」
「ちょ、っと、さっきの、見て…んぅっ!」
顎を上げられてがっつくような口づけをされる。こんな事、今まで無かった。
「…っはっ、ユアの唇は私のだから。誰にもあげない。もっと…」
翻弄される。激しく絡まる舌に身体をよじる。
「好き…だから…」
くるりと体勢を変えられて、私はベッドに押し付けられながら身体を触られる。
「ちょ、っ、と…まっ…」
急展開過ぎて困る。
こんな勢いでロキとそうなるなんて、おかしい。
「ロキ、ちょっと、やめ、まっ…」
「おぉーいユアー!」
扉越しに聞き覚えのあるソーの声。
ガタガタガタガタ!!!!!
一瞬でベッドから転がり落ちて、とりあえず隣の部屋へ隠れるロキと、状況がちょっと読めない私。
「開けるぞ!いるんだろ?」
「待って、開けないで!今ちょっとやばいから!」
何がやばいのか、混乱した頭で言うとソーがドカドカ入ってきた。
「これから行く所に、同行してくれ!ユア!お前が必要だ!」
「だからっ!んもう!!」
ベッドから降りて立ち上がると、ソーは私の目の前にくると、何故か一瞬止まってちょっと気持ち悪い笑みをする。
「お、お前…」
「何よ…」
「あれか、一人で俺のために慰めてたとかそん…」
バチン!!!
言い終わる前に笑顔で私の平手を御見舞する。
思いの外力を入れすぎて軽く吹っ飛ぶソーに向かって青筋立ててニッコリ言った。
「寝言は寝て言え」
今日もなんとなくアスガルドは平和である
好いた女性ができたと兄上が告げた時、彼女は悲しそうな。それでいて、どこかほっとしたような顔を向けていた。、
唯一、側にいて自分を理解しようとしてくれた人だから。
その感情を向けられるのが、自分ではなく兄上だと思うと、悲しい反面憎しみも芽生える。
私は、ずっと好きだったよ。
そんなこと言っても、また君は嘘つきねと言うだろうけど。
抱きしめてキスをして私の物にできるならいいなと、ずっと思っていたから…
「だっから!あれは私の相手だったの!なんで邪魔して全部倒しちゃうかなぁ!今日こそ活躍できると思ったのにぃ!!」
戦場に一緒に出ていたソーに文句を言いながら、虹の橋から宮殿に向かう私達。私は悪態をついていた。
「仕方ないだろ!こう、なんというかアレだ!ピンチの時はヒーローが必要だろう!?」
「…ソー。あの、私の話聞いてた?ねぇ?私は、邪魔しないでってお願いしてるんだけど」
「いやいや、ちゃんと助けただろう!お前、すごく苦戦していたじゃないか!」
「ねぇ、その筋肉バカな頭何とかして…」
そう言って、頭を抑えた私にソーは心外だとばかりに言う。
「何故だ!お前は全く、昔から俺に対して容赦がないな!少しは可愛げと言うもんを見せるとかないのか?」
「えぇ〜?彼女持ちの人にそんなこと言われても困るっていうかぁ…」
「お前、絶対ダーシーの影響受けてるよなその喋り方!」
「なんか知んないけど、あんたがミッドガルドに何かにつけてつれていくからでしょーが!」
「俺のせいだっていうのか!?」
「それ以外に何があんのよ!鼻毛抜くわよ!!」
ギャーギャー言い合って喧嘩するのはいつもの事。気にかけてくれるのは嬉しいけどその心配が過剰すぎる。言い争っていると、手を掴まれて壁際に押し付けられる。私はそんなことお構いなしにいつもの調子で口を開いた。
「てゆーか、ジェーンとイチャコラしてきなさいよ!なんで私にばっかり最近構ってくるのよ!って、ちょ、と、離れてっ!ソー!?…ソー?」
「…」
「何、まさか振られたんじゃないでしょうね…」
ズバッというと、彼は目を見開いた。
「いいやぁ?俺が振ったんだぞ!俺が!振ったんだ」
「ふーん…」
ジト目でちょっと弱気な顔をするソーを見る。
「なんだ…よ」
「慰めて欲しかったわけ…?」
「ははっ!馬鹿をいうな、そんなわけ、が…」
宮殿の物陰に隠れて自分より背の高いソーの頭を抱えてよしよしする。されるがまま。私の肩に頭を押し付けて押し黙ってしまった。
「…意地っ張り」
「うるさい…」
別に昔から珍しい事じゃない。ソーはいつもこんなだ。ジェーンと付き合いだしてからはこんなのなかったのに、ここのところ色々あった上に、結局別れてしまって虚勢を張ってたんだろう。
「キス…」
「しないわよ。調子に乗んな」
☆☆☆☆
暫くして、ソーは再び虹の橋からミッドガルドへ旅立ち、私はオーディン様に報告を終えて自室に向かう。
鎧を脱いだら湯浴みしてもいいかなぁとぼんやり考えていた。
ガチャリと扉を開けると、ベッドに座って見覚えのあるやつがすごい不機嫌な顔して座っている。ソーの弟のロキだ。正直この状態は非常にめんどくさい。
「お帰り」
「ただいまロキ」
何食わぬ顔して、鎧を脱ぐ。
椅子にマントをかけて、重いものをすべて脱いで軽い服に着替えた。
「君はあれか。恥じらいがないのか」
「出ていってと言っても出ていってくれないでしょ?」
「勿論」
さっくり返されて、私は苦笑いする。
「いつも言ってるけど、女性の私室に入り込むなんてマナー違反よ、ロキ」
「私と君の仲だし、別に構わないだろ」
この不機嫌な言い回しにいつもげんなりする。
こういう態度を出すロキは中々部屋から出ていってくれないし、私を開放する気もなければ手放してくれないのだ。
「そういう問題じゃないの。ロキ、あんまりわがままが過ぎると嫌いになるわよ」
「…」
押し黙って私をじっと見る。彼は何か言いたげな目をする。
「何?」
「君は、兄上には優しいのに、私には厳しい…過ごす時間は私のほうが長いのに」
「そんなことないわよ。ロキにもソーにも…」
ソーの名前を出した瞬間に、腕を引かれて後ろのベッドに押し倒される。
「いいや、それはユアが気がついて無いだけだ。私の事なんか、めんどくさいと思ってるんだろっ!」
見事にバレててどうしようと思った…。
「いや、だって、ロキ最近私にべったりじゃない。アスガルドいると大体毎日一緒にいるよ?」
「ユアは、嫌なの?」
そんなことを言われても困る。
ロキが私の部屋に来るようになったのは、彼が戦いで亡くなりましたと一報を聞いてからだ。
オーディン様の姿を騙っていることは、彼自身がその後私の部屋に来てすぐに分かったことで、あまりの衝撃に私はその時わんわん泣いた記憶がある。けれど、私以外にロキがオーディン様を騙っていることは、ロキ自身によって禁じられていた。公に出すものなら、その場で自分のモノにするとまで言ってきたのだ。別にそれが怖くて黙っていたわけではないけれど、周りに対して多かれ少なかれ罪悪感はあるし、彼はそれを知ってかしらずか、私を監視するかのようにアスガルドに居る間は日頃から姿を変え、時間を変えべったりだった。極稀に、ソーに呼ばれて手助けに行く時くらいしか最近休まることがない。
「てゆーか、さっき謁見でも会ったし今もそうだけど…ロキ、しつこいって言われない?正直…バレるのが怖いのか、私が好きでここにいるのか分からないんだけど…」
ため息まじりにいうと事も無げに言う。
「そりゃ勿論、監視目的だけど」
「あ、あー…」
押し倒されたちょっといいロマンチックな状況で、それをいうかこの男。何ちょっと楽しそうな顔してんだ。腹立つから、ミゾオチに膝蹴り食らわして私は起き上がる。痛がるロキだが、私をベッドから離すことを拒んで、ずっと右手を握っている。
「誰にも話してないし、話すなって言うなら黙ってるけど、そろそろちゃんとしないとバレるわよホントに」
「そんなはずない。兄上はアスガルドに来ることがないし」
「今日、さっき来たわよ」
「私の統治で平和そのもの!」
「私の心は毎日平和じゃないわ」
「……」
「……」
ごほんと咳払いをするロキ。
「君は、いつもそうやって余裕があってムカつく」
ポツリとつぶやく。
「ロキが素直にならないからでしょ」
向き直って、額に口づけを落とす。
その顔が、あまりに嬉しそうで…
「キスがいい」
「はぁ?」
抱き寄せられて、私はロキの上に馬乗りになってお互いを見つめる格好になる。
「んっ…」
首筋を舐められて、背中をロキの指がスーッと撫でる。私はたまらず、声をもらしてしまう。
「兄上に優しくした罰。ユアは私にだけ優しくすればいい」
「ちょ、っと、さっきの、見て…んぅっ!」
顎を上げられてがっつくような口づけをされる。こんな事、今まで無かった。
「…っはっ、ユアの唇は私のだから。誰にもあげない。もっと…」
翻弄される。激しく絡まる舌に身体をよじる。
「好き…だから…」
くるりと体勢を変えられて、私はベッドに押し付けられながら身体を触られる。
「ちょ、っ、と…まっ…」
急展開過ぎて困る。
こんな勢いでロキとそうなるなんて、おかしい。
「ロキ、ちょっと、やめ、まっ…」
「おぉーいユアー!」
扉越しに聞き覚えのあるソーの声。
ガタガタガタガタ!!!!!
一瞬でベッドから転がり落ちて、とりあえず隣の部屋へ隠れるロキと、状況がちょっと読めない私。
「開けるぞ!いるんだろ?」
「待って、開けないで!今ちょっとやばいから!」
何がやばいのか、混乱した頭で言うとソーがドカドカ入ってきた。
「これから行く所に、同行してくれ!ユア!お前が必要だ!」
「だからっ!んもう!!」
ベッドから降りて立ち上がると、ソーは私の目の前にくると、何故か一瞬止まってちょっと気持ち悪い笑みをする。
「お、お前…」
「何よ…」
「あれか、一人で俺のために慰めてたとかそん…」
バチン!!!
言い終わる前に笑顔で私の平手を御見舞する。
思いの外力を入れすぎて軽く吹っ飛ぶソーに向かって青筋立ててニッコリ言った。
「寝言は寝て言え」
今日もなんとなくアスガルドは平和である