―イラナイモノ―
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本当は…
私のことなど、
なんとも思っていない…
と言われるのが怖かった。
貴女を好きなのは私だけ……
貴女を守りたいと思うのも、
私だけの一人よがりになってしまう…
いらないと言われるのが、なんとも思っていないと言われるのが…
それが…とてつもなく怖かった…
「姜維。」
ある日の朝、いつものように丞相の元へ行こうとする私に馬超殿が話し掛けてきた。私は重い書簡をいくつか両手に抱えて、くるりを振り向いた。
「えっあ…何でしょう?馬超殿?」
そう返答すると、私の方に近づいてくる馬超殿。彼の表情はどこか嬉しそうにしていた。そして、ぽんと肩に手を置いた。
「お前、最近ユアと御無沙汰らしいな…」
「え!?」
突然『恋人』のこと言われ、私はびっくりしながら馬超殿を眺めた。同時にニヤニヤと人をあざけ笑うかのような表情をされる。
「なっなんでそんなことを御存知なのですか?」
ふてくされながら、私は馬超殿に言った。
たしかに最近、丞相の仕事に付きっきりで恋人のユアと一緒にいたことがない。だがそれは、殿と丞相とそして他の武将の方々…
我々蜀の人間が、三国統一をはたし、幸せな生活を送れるようにという志のために私は日々生活を送っていた。
そんな私の思い詰めた考えが顔に出たのか馬超殿は、『まぁまぁ話を聞け』と言い、苦笑いしながらそう言った。
「昨日な…鍛錬の方の仕事が長引いたんで、晩飯を一緒に食いに行ったんだ。その席で、最近お前と会ってないと言っててな…」
「会って…そうですね…私も色々忙しいもので…ユア殿と満足な時間も取れなくて…そうですか…私はユア殿に寂しい思いをさせていたのですね…」
少しばかりしょんぼりとしながら、私は馬超殿に言う。だが、その馬超殿の反応は意外な物だった。
「いや、なんかまったく気にしてないようだったぞ。笑いながら言ってたし。」
「え!?はっえぇ!?」
馬超殿の言葉に一瞬耳を疑った。
「『まぁ会えないのなら違う男性探すわ。ふっ…』って…すっげぇ笑顔で言ってた。」
「なっんなっ…ユア…ユア殿ぉぉぉぉぉぉ!!」
手にしていた書簡を放り投げて、急いで恋人の屋敷に向かった。後ろでこの書簡どうすんだと叫ぶ、馬超殿の言葉など聞いている余裕もなかった。
「そうです。そうすると今まで以上に肘を痛めなくてすみますよ。」
彼女の屋敷につくとそこには趙雲殿が、ユアに肘を痛めないコツ(?)なんぞを教えていた。彼女はよく肘を痛めていた。幼少の頃何かしらが原因で痛めたのが今もなお、引きずっているらしい。
「んっ…こっこう?」
ブンと武器の槍を回す。私は、なぜか屋敷にはいったとたんに二人の姿を見るなり、身を隠して真剣に取り組んでいる趙雲殿、ユアの二人の姿を眺めた。戦い方の戦法を変えているとは前から聞いていたが、
―あれでは趙雲殿の『型』その物ではないか…
ちくりと心臓に針がつき刺さったかのような感覚に見舞われる。同時にユアは趙雲殿に可愛らしく微笑む。それが私にはたまらなく嫌だった。
―私は………嫉妬…している?
そんな言葉が頭にポッと浮かんだ。同時に不安がよぎる。このままでは、私よりもユアは趙雲殿を選らんでしまうのではないだろうか…趙雲殿は誠実な方だ。女性に奥手だとは聞いたが、一人の女性を本当に愛することができる。
「い…嫌です…そんなの認めたくない…ユア殿…ユア殿ぉ…」
弱々しく柱の影で女々しく泣きじゃくってしまう。会えなくても心は通じてると思った。けれど、貴女は…
『会えないのなら違う男性探すわ』
「私など愛してもいなかったのですか…?」
「愛してるよ?」
「え…?」
突然背後から、懐かしい声がする。趙雲殿は帰ったようだ。
「ユア殿?」
泣き顔そのままで、振り返るとユアはニコニコしながら私の頭をぽふぽふと、なでた。
「はっはーん…その様子だと…昨日馬超に、ふざけて言ったこと気にしてきたんでしょ?
まったくもーなに泣いてるのよー…男の子でしょー…?」
優しく抱き締められて、ユアは苦笑い。その行為で、再び私の涙腺が緩んだのが分かった。
「ユア…殿っ私は…私はあなただけなのす…あなただけが好きなのです。」
ぎゅっときつく抱き締めて、泣きながらそう言った。貴女は私の頭を優しくなでながら
「うんうん。わかってるよ…」
そう言って、私の額に唇を落した。
数日後、冗談を間に受けてユアに恥かしい一面を見せてしまった私は馬超殿になんであんなことを言ったのかと問いただした。
「俺はお前ら二人がセットでいるのを見るのが好きなんだ。」
と言って、持ち場に戻って行ってしまった。
要するに、仕事で忙しいからと言って二人の時間をなくす事もないだろうと意味なのだろうと私は解釈をした。
私のことなど、
なんとも思っていない…
と言われるのが怖かった。
貴女を好きなのは私だけ……
貴女を守りたいと思うのも、
私だけの一人よがりになってしまう…
いらないと言われるのが、なんとも思っていないと言われるのが…
それが…とてつもなく怖かった…
「姜維。」
ある日の朝、いつものように丞相の元へ行こうとする私に馬超殿が話し掛けてきた。私は重い書簡をいくつか両手に抱えて、くるりを振り向いた。
「えっあ…何でしょう?馬超殿?」
そう返答すると、私の方に近づいてくる馬超殿。彼の表情はどこか嬉しそうにしていた。そして、ぽんと肩に手を置いた。
「お前、最近ユアと御無沙汰らしいな…」
「え!?」
突然『恋人』のこと言われ、私はびっくりしながら馬超殿を眺めた。同時にニヤニヤと人をあざけ笑うかのような表情をされる。
「なっなんでそんなことを御存知なのですか?」
ふてくされながら、私は馬超殿に言った。
たしかに最近、丞相の仕事に付きっきりで恋人のユアと一緒にいたことがない。だがそれは、殿と丞相とそして他の武将の方々…
我々蜀の人間が、三国統一をはたし、幸せな生活を送れるようにという志のために私は日々生活を送っていた。
そんな私の思い詰めた考えが顔に出たのか馬超殿は、『まぁまぁ話を聞け』と言い、苦笑いしながらそう言った。
「昨日な…鍛錬の方の仕事が長引いたんで、晩飯を一緒に食いに行ったんだ。その席で、最近お前と会ってないと言っててな…」
「会って…そうですね…私も色々忙しいもので…ユア殿と満足な時間も取れなくて…そうですか…私はユア殿に寂しい思いをさせていたのですね…」
少しばかりしょんぼりとしながら、私は馬超殿に言う。だが、その馬超殿の反応は意外な物だった。
「いや、なんかまったく気にしてないようだったぞ。笑いながら言ってたし。」
「え!?はっえぇ!?」
馬超殿の言葉に一瞬耳を疑った。
「『まぁ会えないのなら違う男性探すわ。ふっ…』って…すっげぇ笑顔で言ってた。」
「なっんなっ…ユア…ユア殿ぉぉぉぉぉぉ!!」
手にしていた書簡を放り投げて、急いで恋人の屋敷に向かった。後ろでこの書簡どうすんだと叫ぶ、馬超殿の言葉など聞いている余裕もなかった。
「そうです。そうすると今まで以上に肘を痛めなくてすみますよ。」
彼女の屋敷につくとそこには趙雲殿が、ユアに肘を痛めないコツ(?)なんぞを教えていた。彼女はよく肘を痛めていた。幼少の頃何かしらが原因で痛めたのが今もなお、引きずっているらしい。
「んっ…こっこう?」
ブンと武器の槍を回す。私は、なぜか屋敷にはいったとたんに二人の姿を見るなり、身を隠して真剣に取り組んでいる趙雲殿、ユアの二人の姿を眺めた。戦い方の戦法を変えているとは前から聞いていたが、
―あれでは趙雲殿の『型』その物ではないか…
ちくりと心臓に針がつき刺さったかのような感覚に見舞われる。同時にユアは趙雲殿に可愛らしく微笑む。それが私にはたまらなく嫌だった。
―私は………嫉妬…している?
そんな言葉が頭にポッと浮かんだ。同時に不安がよぎる。このままでは、私よりもユアは趙雲殿を選らんでしまうのではないだろうか…趙雲殿は誠実な方だ。女性に奥手だとは聞いたが、一人の女性を本当に愛することができる。
「い…嫌です…そんなの認めたくない…ユア殿…ユア殿ぉ…」
弱々しく柱の影で女々しく泣きじゃくってしまう。会えなくても心は通じてると思った。けれど、貴女は…
『会えないのなら違う男性探すわ』
「私など愛してもいなかったのですか…?」
「愛してるよ?」
「え…?」
突然背後から、懐かしい声がする。趙雲殿は帰ったようだ。
「ユア殿?」
泣き顔そのままで、振り返るとユアはニコニコしながら私の頭をぽふぽふと、なでた。
「はっはーん…その様子だと…昨日馬超に、ふざけて言ったこと気にしてきたんでしょ?
まったくもーなに泣いてるのよー…男の子でしょー…?」
優しく抱き締められて、ユアは苦笑い。その行為で、再び私の涙腺が緩んだのが分かった。
「ユア…殿っ私は…私はあなただけなのす…あなただけが好きなのです。」
ぎゅっときつく抱き締めて、泣きながらそう言った。貴女は私の頭を優しくなでながら
「うんうん。わかってるよ…」
そう言って、私の額に唇を落した。
数日後、冗談を間に受けてユアに恥かしい一面を見せてしまった私は馬超殿になんであんなことを言ったのかと問いただした。
「俺はお前ら二人がセットでいるのを見るのが好きなんだ。」
と言って、持ち場に戻って行ってしまった。
要するに、仕事で忙しいからと言って二人の時間をなくす事もないだろうと意味なのだろうと私は解釈をした。