デレな彼 ツンな彼女
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凛とした声。
すらっとした身体。
傍に来て初めて知った匂い。
これでもかってほど綺麗に笑う彼女を初めてみたときドキドキした。
でも、実際の彼女は…
「オラァ!!気合いがたらねぇぞ!」
「……。」
「何してんだお前。」
道場前で、気になっていた彼女を覗きに行った。
正直、口悪くてびっくりした。
「おぅ、ユア。一護が来てんぞ。」
一角にばれてユアはきょとんとしながらこちらに視線を向ける。
「あ!旅渦の子だ!」
トントンと音を立てて近寄ると、俺は顔を赤くしてうつむいた。
「おい、何赤くしてやがるんだオメェ…」
ニヤつく一角が、俺を小突く。
「う、うるせぇな!」
「やだ、カワイイ!一角、なんかこの子カワイイ!こんな子だったっけ!?」
「はぁ?…ちょ、おまっ」
子犬を抱くように頭を抱く。
「ちょっ…やめっ!」
逃れようともがくと、余計に胸に押し付けられてどうにも身動きが取れない。
「ユア、お前こういう奴タイプだったのか?」
「えー、なんか普段いきがってるくせにちょっとそういう、女性にあまり免疫なさそうな子可愛いじゃん。」
抱きしめながら、俺の髪を梳いてにこやかに笑う彼女。横にいた一角が、思い出したかのようにため息をついていった。
「あー、そういや恋次にも同じようなことしてたっけなお前。」
「恋次なんか、完璧あたしのストライクゾーンだね!!あのワンコなとこなんか!!」
「お前のヤツの扱いは異常。」
「えー、だって事あるごとに赤い顔すんのよ?おもしろいじゃん!可愛いし!」
「っ…」
「ん?あれ?一護?」
恋次の話題で花を咲かせている彼女の腕を強引に解くと、俺はそのまま道場を出ていく。
「何?あたしなんかした?」
「あー…、お前が悪いな。たぶん」
「は!?なんでよ!…ちょ、一護!!」
「バレバレだな。あいつ…」
「ちょ、と…待ってって一護!」
追いかけるけど、振り向いてくれなくて…
「待てって、言ってんだろ!」
―ビュン!ゴッ!!
「ぐは!」
勢いで、持ってた木刀を投げたら頭に直撃した。ビタン!と床に顔面に着地する一護に近づくと、彼は小刻みに震えていた。
「一護、大丈夫?」
「大丈夫じゃねーよ!!!いきなり何するんだ!!!」
「はぁ?あんたが逃げるからでしょ?待てっていうのに待たないからじゃん」
不貞腐れながら手を差し出せば、意外と素直に手を取る一護に驚いた。
「あんた、怒ってんのか怒ってないのかよくわかんないわね。なんなの?」
「は?何がだよ。」
「何か、気に入らないことがあったから道場から出たんじゃないの?」
「べ、別に…何もねぇよ…」
再び視線をそらして顔を赤くする一護。
「何もない奴はそういう反応しませんー。」
「う、うるせぇな!黙れよ!」
「はぁ?じゃ、道場に何しに来たの?」
沈黙のあと、言葉を濁すように口を開いた。
「名前…」
「は?」
「名前を聞きに来たんだよ!後、礼をしに!」
意気込んで言う一護をよそに私は…
「なんで?」
あっけらかんと答えたら、一護がこけた。
彼と会ったのは、二回目だ。
一角が戦闘で負けた後、あいつの傷を治すついでに完全に傷を治したときだけだ。
別に特に何もない。彼自身大した怪我もしていなければ、血止めの薬のおかげか殆ど血も出ていなかったから…
「あたし大したことしてないけど?」
ケロリとして言う私に、再びうつむく一護。
「傷治してもらった事は、十分大したことだと思う。」
「んー…そっかなぁ…まぁ、あの後も怪我してたみたいだしあんまり意味なかったかもしれないけどね」
「そ、そんなことねぇよ!敵だった俺にあんなことしてくれて嬉しかったし、その…」
「でも、あの時あたしを拒んだら一角の次に戦うのあたしだったと思うよ。」
「え…」
遮るように言うと、一護は顔をしかめた。
「一応、あたしは十一番隊四席だし。一角からも、お前には無理だって言われたけどね。戦闘集団の、それも一角よりも一つ下の席官のあたしが戦わないというのは常識的にもおかしな話だもの。」
「っ…」
「一角と相性が合わなかっただけで、あたしなら勝てる勝算があるかもしれない。そう思えばこそあの時、戦いを仕掛けるのが妥当だったはずなのよね。」
通路の手すりに寄りかかる。
視線をそらしていたはずの彼の目は私を捉えていた。
「でもさー、普通に考えてあたしより強い上官が負けた時点であたしが勝てる見込みなんかないと思うわけよ。隊長や、一角と比べれて別にあたし戦闘狂じゃないしさ。それに痛いの嫌だし。死にたくないしさ。」
「じゃ、なんで…なんで傷治してくれて、あんな顔で笑ってくれたんだよ。なんで、頑張れなんて言ってくれたんだよっ」
「んー、何でだろうね。なんかね、君は悪い人じゃないと思った。一角を助けてくれたことも…あたしとはち合わせても斬魄刀を向けることもしなかった。…負けてほしくないと思った。」
「っ!!!」
寄りかかったまま、笑いながらそう言った。
「お、俺…黒崎一護っていうんだ!!」
突然近寄ってきて、真っ赤な顔をして自己紹介されて私は自分より背の高い彼を見上げた。
「あんたの、名前っ…教えてくれないか!…そ、それからっ…また、会えないか!?」
「くっ…あははは!!!」
恥ずかしいのか、声が裏返る一護を見て思わず笑ってしまう。
「な、何がおかしいんだよ!俺は真剣に…!」
「あぁ、ごめんごめん。顔真っ赤にして言う君がすごくかわいくてつい…くくっ」
「チッ…もう、いいっ」
拗ねて身体を反転させて先へ歩いていこうとする一護に、私は声をあげた。
「あたしは十一番隊第四席、見細ユアよ!またね!一護!」
振り向く彼は、とても嬉しそうだった。
「あ、あぁ!またな!ユア!」
手を振って去っていく彼が、とても愛らしく思えた。それが、本当に素直な感想で…
何かを感じるのには十分すぎる要素だった。
彼との再会には、さほど時間はかからなかった。
私たちのその後がどうなったのかはまた別の話…
すらっとした身体。
傍に来て初めて知った匂い。
これでもかってほど綺麗に笑う彼女を初めてみたときドキドキした。
でも、実際の彼女は…
「オラァ!!気合いがたらねぇぞ!」
「……。」
「何してんだお前。」
道場前で、気になっていた彼女を覗きに行った。
正直、口悪くてびっくりした。
「おぅ、ユア。一護が来てんぞ。」
一角にばれてユアはきょとんとしながらこちらに視線を向ける。
「あ!旅渦の子だ!」
トントンと音を立てて近寄ると、俺は顔を赤くしてうつむいた。
「おい、何赤くしてやがるんだオメェ…」
ニヤつく一角が、俺を小突く。
「う、うるせぇな!」
「やだ、カワイイ!一角、なんかこの子カワイイ!こんな子だったっけ!?」
「はぁ?…ちょ、おまっ」
子犬を抱くように頭を抱く。
「ちょっ…やめっ!」
逃れようともがくと、余計に胸に押し付けられてどうにも身動きが取れない。
「ユア、お前こういう奴タイプだったのか?」
「えー、なんか普段いきがってるくせにちょっとそういう、女性にあまり免疫なさそうな子可愛いじゃん。」
抱きしめながら、俺の髪を梳いてにこやかに笑う彼女。横にいた一角が、思い出したかのようにため息をついていった。
「あー、そういや恋次にも同じようなことしてたっけなお前。」
「恋次なんか、完璧あたしのストライクゾーンだね!!あのワンコなとこなんか!!」
「お前のヤツの扱いは異常。」
「えー、だって事あるごとに赤い顔すんのよ?おもしろいじゃん!可愛いし!」
「っ…」
「ん?あれ?一護?」
恋次の話題で花を咲かせている彼女の腕を強引に解くと、俺はそのまま道場を出ていく。
「何?あたしなんかした?」
「あー…、お前が悪いな。たぶん」
「は!?なんでよ!…ちょ、一護!!」
「バレバレだな。あいつ…」
「ちょ、と…待ってって一護!」
追いかけるけど、振り向いてくれなくて…
「待てって、言ってんだろ!」
―ビュン!ゴッ!!
「ぐは!」
勢いで、持ってた木刀を投げたら頭に直撃した。ビタン!と床に顔面に着地する一護に近づくと、彼は小刻みに震えていた。
「一護、大丈夫?」
「大丈夫じゃねーよ!!!いきなり何するんだ!!!」
「はぁ?あんたが逃げるからでしょ?待てっていうのに待たないからじゃん」
不貞腐れながら手を差し出せば、意外と素直に手を取る一護に驚いた。
「あんた、怒ってんのか怒ってないのかよくわかんないわね。なんなの?」
「は?何がだよ。」
「何か、気に入らないことがあったから道場から出たんじゃないの?」
「べ、別に…何もねぇよ…」
再び視線をそらして顔を赤くする一護。
「何もない奴はそういう反応しませんー。」
「う、うるせぇな!黙れよ!」
「はぁ?じゃ、道場に何しに来たの?」
沈黙のあと、言葉を濁すように口を開いた。
「名前…」
「は?」
「名前を聞きに来たんだよ!後、礼をしに!」
意気込んで言う一護をよそに私は…
「なんで?」
あっけらかんと答えたら、一護がこけた。
彼と会ったのは、二回目だ。
一角が戦闘で負けた後、あいつの傷を治すついでに完全に傷を治したときだけだ。
別に特に何もない。彼自身大した怪我もしていなければ、血止めの薬のおかげか殆ど血も出ていなかったから…
「あたし大したことしてないけど?」
ケロリとして言う私に、再びうつむく一護。
「傷治してもらった事は、十分大したことだと思う。」
「んー…そっかなぁ…まぁ、あの後も怪我してたみたいだしあんまり意味なかったかもしれないけどね」
「そ、そんなことねぇよ!敵だった俺にあんなことしてくれて嬉しかったし、その…」
「でも、あの時あたしを拒んだら一角の次に戦うのあたしだったと思うよ。」
「え…」
遮るように言うと、一護は顔をしかめた。
「一応、あたしは十一番隊四席だし。一角からも、お前には無理だって言われたけどね。戦闘集団の、それも一角よりも一つ下の席官のあたしが戦わないというのは常識的にもおかしな話だもの。」
「っ…」
「一角と相性が合わなかっただけで、あたしなら勝てる勝算があるかもしれない。そう思えばこそあの時、戦いを仕掛けるのが妥当だったはずなのよね。」
通路の手すりに寄りかかる。
視線をそらしていたはずの彼の目は私を捉えていた。
「でもさー、普通に考えてあたしより強い上官が負けた時点であたしが勝てる見込みなんかないと思うわけよ。隊長や、一角と比べれて別にあたし戦闘狂じゃないしさ。それに痛いの嫌だし。死にたくないしさ。」
「じゃ、なんで…なんで傷治してくれて、あんな顔で笑ってくれたんだよ。なんで、頑張れなんて言ってくれたんだよっ」
「んー、何でだろうね。なんかね、君は悪い人じゃないと思った。一角を助けてくれたことも…あたしとはち合わせても斬魄刀を向けることもしなかった。…負けてほしくないと思った。」
「っ!!!」
寄りかかったまま、笑いながらそう言った。
「お、俺…黒崎一護っていうんだ!!」
突然近寄ってきて、真っ赤な顔をして自己紹介されて私は自分より背の高い彼を見上げた。
「あんたの、名前っ…教えてくれないか!…そ、それからっ…また、会えないか!?」
「くっ…あははは!!!」
恥ずかしいのか、声が裏返る一護を見て思わず笑ってしまう。
「な、何がおかしいんだよ!俺は真剣に…!」
「あぁ、ごめんごめん。顔真っ赤にして言う君がすごくかわいくてつい…くくっ」
「チッ…もう、いいっ」
拗ねて身体を反転させて先へ歩いていこうとする一護に、私は声をあげた。
「あたしは十一番隊第四席、見細ユアよ!またね!一護!」
振り向く彼は、とても嬉しそうだった。
「あ、あぁ!またな!ユア!」
手を振って去っていく彼が、とても愛らしく思えた。それが、本当に素直な感想で…
何かを感じるのには十分すぎる要素だった。
彼との再会には、さほど時間はかからなかった。
私たちのその後がどうなったのかはまた別の話…