私はヒーロー
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5
風火が3歳になりました。
最近私の事をねぇねぇと呼んでくれてすこぶる可愛いです。
誘拐犯のお姉さんが言うように追いかけて来てくれる時がものすごく可愛いです。
本当に風火は天使なのではないだろうかと最近よく思う
「風火は私達の子供です!!何があろうとそれは変わりません!」
天使がいるにも関わらずこの家は平和ではない
なんでも風火の個性が炎であったらしく、父の大気中の水分を水に変える個性とも母の自分の起こした風を操る個性とも会わないため
祖父が怪しんでいるのだ
確かにこの天使が私と同じ血液が流れているとは思えないけど
「風火、大丈夫だよ」
喧嘩している祖父と母の声が怖いのかここ最近風火は私にべったりだ
今までは母さんと寝ていたのに私の部屋に潜り込んでくるし、ご飯もお風呂もずっと付いてくる。
「ねぇねぇは僕の事嫌いにならない?」
「あたりまえだよ。風火は私の大切な弟なんだから」
だから大丈夫、そう言って綺麗な髪を撫でると嬉しそうに笑ってくれるから、私の癖になっている
きっと祖父だって分かってくれるだろう
そのくらいに思っていて、あまり危機感を持っていなかったのが悪かった
***
嫌な予感がして学校から急いで家に帰ると
焦げ臭い匂いと風火の声が聞こえて靴を履いたまま声の方へ向かうとこれだ
「りんかは下がっていなさい」
恐ろしいオーラで威圧してくる祖父に少しだけ腰が引ける
叩かれた衝撃で壁にぶつけた肩がズキズキするが、アレを風火が受けていたらもっと酷い怪我をしていたかもしれないと怒りがふつふつと湧き上がってくる
「りんか」
祖父と母の言い争いを止めようと風火が飛び込んだが、祖父の恐ろしさに個性が暴走して部屋が火事になりかけた
たぶんそんな状況だろう
もしも、母さんを信じているからないと思うけれど
風火と私の父親が違ったとしても、
「風火は私の大切な弟です」
この世界で一番大切な弟なんだ。
小学生ではしない勉強をやらされても、個性の訓練がキツくても、恐ろしい祖父、仕事で帰ってこない父、私に期待しすぎな母、息苦しいこの家で
「風火は私の太陽なんです」
後ろからねぇねぇと涙に濡れた声が聞こえる
母に任せっきりにしないで私から祖父に話しておけばよかった
祖父は私のことを気に入っているから少しは妥協してくれたかもしれない
今更後悔しても、過ぎ去ってしまったものはしょうがないのだ
翌朝、母と弟がいなくなった。
***
5.5
母親視点
「母さんをいじめないで!」
お爺様と言い争いをしていると風火が部屋に入ってきた
いつもはりんかが帰ってくるまで部屋から出てこないのに私を守るように前に立ったのだ
「風火はお部屋に戻ってなさい。母さんはお爺様と大切なお話をしてるのだから」
優しく部屋の外に向けて背中を押すも風火はお爺様から目を離さない
「ねぇねぇは僕のお姉ちゃんだ!」
お爺様を見る瞳は力強く、いつの間にかこの子も大きくなっていたことに気がついた
りんかの後ろに隠れてばかりだったのに、風火も強くなっているのね
「言いたいことはそれだけか」
お爺様の威圧感に耐えられず涙を浮かべる瞳に逃がさなくてはと思うも一歩遅かった
「ねぇねぇは僕のなの!!!」
大きな声と一緒に風火から炎が上がった
お爺様によって消火されるも掛け軸は燃え、畳にも焦げ目が残った
起きてしまったことに呆然としていたらお爺様の手が振り上げられた
風火をかばうように出てきた影はお爺様に叩かれた衝撃で壁に当たった
「りんかは下がっていなさい」
りんかが風火を守ってくれたのね
今まで反抗しているところなんて見たことないのに、お爺様の言うことを無視して風火を守るように立ちふさがっている
「風火は私の大切な弟です」
嫌に静かな部屋でりんかの声が強く響く
「風火は私の太陽なんです」
「ねぇねぇ…」
先程まで泣くのを我慢していた瞳からほろほろと涙が溢れ出している
りんか、貴女はヒーローになる子だと思っていたけれど違っていたのね
貴女はもう風火のヒーローよ
私はみんなが寝静まってから、必要最低限の物を持ち寝ている風火を抱いて家を飛び出した
一緒にいてあげられなくてごめんね
でもりんかちゃんは賢い子だから風火を守るためだと分かってくれるわよね
「これからは母さんが風火を守るからね」
貴女が素敵なヒーローになるのを楽しみにしてるわ
風火が3歳になりました。
最近私の事をねぇねぇと呼んでくれてすこぶる可愛いです。
誘拐犯のお姉さんが言うように追いかけて来てくれる時がものすごく可愛いです。
本当に風火は天使なのではないだろうかと最近よく思う
「風火は私達の子供です!!何があろうとそれは変わりません!」
天使がいるにも関わらずこの家は平和ではない
なんでも風火の個性が炎であったらしく、父の大気中の水分を水に変える個性とも母の自分の起こした風を操る個性とも会わないため
祖父が怪しんでいるのだ
確かにこの天使が私と同じ血液が流れているとは思えないけど
「風火、大丈夫だよ」
喧嘩している祖父と母の声が怖いのかここ最近風火は私にべったりだ
今までは母さんと寝ていたのに私の部屋に潜り込んでくるし、ご飯もお風呂もずっと付いてくる。
「ねぇねぇは僕の事嫌いにならない?」
「あたりまえだよ。風火は私の大切な弟なんだから」
だから大丈夫、そう言って綺麗な髪を撫でると嬉しそうに笑ってくれるから、私の癖になっている
きっと祖父だって分かってくれるだろう
そのくらいに思っていて、あまり危機感を持っていなかったのが悪かった
***
嫌な予感がして学校から急いで家に帰ると
焦げ臭い匂いと風火の声が聞こえて靴を履いたまま声の方へ向かうとこれだ
「りんかは下がっていなさい」
恐ろしいオーラで威圧してくる祖父に少しだけ腰が引ける
叩かれた衝撃で壁にぶつけた肩がズキズキするが、アレを風火が受けていたらもっと酷い怪我をしていたかもしれないと怒りがふつふつと湧き上がってくる
「りんか」
祖父と母の言い争いを止めようと風火が飛び込んだが、祖父の恐ろしさに個性が暴走して部屋が火事になりかけた
たぶんそんな状況だろう
もしも、母さんを信じているからないと思うけれど
風火と私の父親が違ったとしても、
「風火は私の大切な弟です」
この世界で一番大切な弟なんだ。
小学生ではしない勉強をやらされても、個性の訓練がキツくても、恐ろしい祖父、仕事で帰ってこない父、私に期待しすぎな母、息苦しいこの家で
「風火は私の太陽なんです」
後ろからねぇねぇと涙に濡れた声が聞こえる
母に任せっきりにしないで私から祖父に話しておけばよかった
祖父は私のことを気に入っているから少しは妥協してくれたかもしれない
今更後悔しても、過ぎ去ってしまったものはしょうがないのだ
翌朝、母と弟がいなくなった。
***
5.5
母親視点
「母さんをいじめないで!」
お爺様と言い争いをしていると風火が部屋に入ってきた
いつもはりんかが帰ってくるまで部屋から出てこないのに私を守るように前に立ったのだ
「風火はお部屋に戻ってなさい。母さんはお爺様と大切なお話をしてるのだから」
優しく部屋の外に向けて背中を押すも風火はお爺様から目を離さない
「ねぇねぇは僕のお姉ちゃんだ!」
お爺様を見る瞳は力強く、いつの間にかこの子も大きくなっていたことに気がついた
りんかの後ろに隠れてばかりだったのに、風火も強くなっているのね
「言いたいことはそれだけか」
お爺様の威圧感に耐えられず涙を浮かべる瞳に逃がさなくてはと思うも一歩遅かった
「ねぇねぇは僕のなの!!!」
大きな声と一緒に風火から炎が上がった
お爺様によって消火されるも掛け軸は燃え、畳にも焦げ目が残った
起きてしまったことに呆然としていたらお爺様の手が振り上げられた
風火をかばうように出てきた影はお爺様に叩かれた衝撃で壁に当たった
「りんかは下がっていなさい」
りんかが風火を守ってくれたのね
今まで反抗しているところなんて見たことないのに、お爺様の言うことを無視して風火を守るように立ちふさがっている
「風火は私の大切な弟です」
嫌に静かな部屋でりんかの声が強く響く
「風火は私の太陽なんです」
「ねぇねぇ…」
先程まで泣くのを我慢していた瞳からほろほろと涙が溢れ出している
りんか、貴女はヒーローになる子だと思っていたけれど違っていたのね
貴女はもう風火のヒーローよ
私はみんなが寝静まってから、必要最低限の物を持ち寝ている風火を抱いて家を飛び出した
一緒にいてあげられなくてごめんね
でもりんかちゃんは賢い子だから風火を守るためだと分かってくれるわよね
「これからは母さんが風火を守るからね」
貴女が素敵なヒーローになるのを楽しみにしてるわ