私はヒーロー
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4
「お嬢ちゃん静かにしてなよ?じゃないと口を縫っちまうからね」
ただ今私は胸の大きなお姉さんに誘拐されております。朝起きて風火に挨拶しに行ったら風火を攫おうとするお姉さんと遭遇
まだ一歳の風火を連れていかれるわけにはいくまいと自分から人質にかって出た。
赤ん坊を連れていくことのデメリットと、自分を連れていくことのメリットを一生懸命プレゼンした時のお姉さんの困り顔はすごく綺麗だった。
私が生まれ変わった龍家はなかなかの金持ちである。
家は広いし、裏山まで敷地内だし、池あるし、鯉いるし、鯉はまるまる太ってるし
餌やりの時に私の手まで食べてくれた鯉の事は未だに許していない。
中身は成人済みだとしても、大きな鯉に噛みつかれるのはビックリする。少し涙がでたのは仕方ないことだ、
「あんたはアタシが怖くないのかい?」
鯉の話をしている暇では無かった。
お姉さんが怖いか怖くないかで言うと
「怖くはない、かな」
個性でかは知らないが赤い肌は艶々しているし
真っ黒な髪の毛はウェーブがかって色っぽいし
切れ長な目と長い睫毛
そしてなによりおでこと前髪の境にある黄色と黒のツノがかわいらしい
怖いと言うよりむしろ「綺麗」である。
あ、誘拐犯さんの目がまん丸になった。
「誘拐してる人間に言う言葉じゃないねぇ」
「あーお姉さんはなんで私を誘拐したの?」
とても悪い人には見えなくてそう聞くとお姉さんは「ただ金が欲しいだけさ、龍家は有名な富豪だからね」とニヤリと笑った
***
結論から言うとお姉さんと友達になりました。
前世合わせた年齢でいうと同じくらいだし
家に来るような畏まった雰囲気の人でもないし
なにより話が通じる
普段関わっている幼稚園の子達は可愛いけれど普通に話しても話が噛み合わないことがあるし、親や先生はどうしても子供扱いしてくるしで普通には話せないのだ
それに
「最近は風火が可愛すぎてつらいんだよね」
「はっあんたはまだまだだねぇ!弟が一番可愛い時期は姉ちゃんって呼びながら追いかけて来るときだよ!」
なんと誘拐犯さんもブラコンだったのだ。
しかも私よりひどい
初めは私が風火の可愛さを語っていたのに、あっという間にお姉さんの弟の可愛さを語られていたのだ。
ちなみにこの誘拐だって弟への愛が変な方向にひん曲がって起きた事らしい
「弟のためなら姉はなんだってできるもんさ」
あんただって姉なら分かるだろ?と笑った顔は今日一番綺麗だった
だがしかし私は家に帰らねばならない
可愛い弟が私を待っているのだ
「お姉さん、私帰らなきゃ」
「ん?あー、いいよ帰んな」
軽かった
お姉さんは帰り道は分かるだろ?じゃあ気をつけて帰んなよ?と煙草をふかし始めた
とりあえず気が変わらないうちにとそそくさと退散する時に「また話したいときに誘拐しにいくからまっときな」といわれたけど
話したいだけなら普通に話しにきて欲しい
まぁこうして龍りんかの始めての誘拐は無事に終わった。
***
4.5
誘拐視点
全く変なガキを連れてきちまったもんだ
誘拐されたってのにちーっとも怖がらないし
誘拐犯であるアタシの事を綺麗だなんでいうんだよ?
この鬼のような見た目のアタシのことを
鬼は絵本にでてくる敵だから小さい頃からアタシは敵扱いさ
それこそヒーローに皆が憧れるようになってからは特にね
石を投げつけられたり酷い時は殴られたり
アタシからしたらあんた達が敵だよってね
「あんたいくつだい?」
「んー、今は4歳」
そんくらいのガキなら1番ヒーローに憧れてるだろうに
見た目敵のアタシに仲良く話しかけてんじゃないよ、まったく
「あーお姉さんはなんで私を誘拐したの?」
このガキも少しくらい私を怖がれば良いと思って「ただ金が欲しいだけさ、龍家は有名な富豪だからね」と敵っぽくニヤリと笑ってやったのに
「お姉さんはそんな人に見えないなぁ」
背筋がゾクりとしたよ。
アタシを見上げるガキの瞳はアタシの赤い肌が反射して赤っぽく見えて
まるでアタシの中身を透かして見られているような気分だ。
でも嫌な怖さじゃなくて、うまく言葉にできないけど
こう綺麗すぎて怖いって感じ?
暇つぶしで少し話してたらいつの間にか自分の弟の話しまでしちまってた
そしたらこのガキが思い出したように「お姉さん、私帰らなきゃ」だってさ!
誘拐されたってのに自分が帰るのが当たり前みたいに言うんだよ?
思わず笑っちまったさ
「ん?あー、いいよ帰んな」
この綺麗な空気を汚してやりたくて煙草に火をつける
「また話したいときに誘拐しにいくからまっときな」
ガキの後ろ姿に向かって煙を吐いてやると
振り向いて綺麗な笑みを浮かべやがった
汚せるなら汚してみろとでも言うかのように
本当に変なガキを誘拐しちまったもんだ
「お嬢ちゃん静かにしてなよ?じゃないと口を縫っちまうからね」
ただ今私は胸の大きなお姉さんに誘拐されております。朝起きて風火に挨拶しに行ったら風火を攫おうとするお姉さんと遭遇
まだ一歳の風火を連れていかれるわけにはいくまいと自分から人質にかって出た。
赤ん坊を連れていくことのデメリットと、自分を連れていくことのメリットを一生懸命プレゼンした時のお姉さんの困り顔はすごく綺麗だった。
私が生まれ変わった龍家はなかなかの金持ちである。
家は広いし、裏山まで敷地内だし、池あるし、鯉いるし、鯉はまるまる太ってるし
餌やりの時に私の手まで食べてくれた鯉の事は未だに許していない。
中身は成人済みだとしても、大きな鯉に噛みつかれるのはビックリする。少し涙がでたのは仕方ないことだ、
「あんたはアタシが怖くないのかい?」
鯉の話をしている暇では無かった。
お姉さんが怖いか怖くないかで言うと
「怖くはない、かな」
個性でかは知らないが赤い肌は艶々しているし
真っ黒な髪の毛はウェーブがかって色っぽいし
切れ長な目と長い睫毛
そしてなによりおでこと前髪の境にある黄色と黒のツノがかわいらしい
怖いと言うよりむしろ「綺麗」である。
あ、誘拐犯さんの目がまん丸になった。
「誘拐してる人間に言う言葉じゃないねぇ」
「あーお姉さんはなんで私を誘拐したの?」
とても悪い人には見えなくてそう聞くとお姉さんは「ただ金が欲しいだけさ、龍家は有名な富豪だからね」とニヤリと笑った
***
結論から言うとお姉さんと友達になりました。
前世合わせた年齢でいうと同じくらいだし
家に来るような畏まった雰囲気の人でもないし
なにより話が通じる
普段関わっている幼稚園の子達は可愛いけれど普通に話しても話が噛み合わないことがあるし、親や先生はどうしても子供扱いしてくるしで普通には話せないのだ
それに
「最近は風火が可愛すぎてつらいんだよね」
「はっあんたはまだまだだねぇ!弟が一番可愛い時期は姉ちゃんって呼びながら追いかけて来るときだよ!」
なんと誘拐犯さんもブラコンだったのだ。
しかも私よりひどい
初めは私が風火の可愛さを語っていたのに、あっという間にお姉さんの弟の可愛さを語られていたのだ。
ちなみにこの誘拐だって弟への愛が変な方向にひん曲がって起きた事らしい
「弟のためなら姉はなんだってできるもんさ」
あんただって姉なら分かるだろ?と笑った顔は今日一番綺麗だった
だがしかし私は家に帰らねばならない
可愛い弟が私を待っているのだ
「お姉さん、私帰らなきゃ」
「ん?あー、いいよ帰んな」
軽かった
お姉さんは帰り道は分かるだろ?じゃあ気をつけて帰んなよ?と煙草をふかし始めた
とりあえず気が変わらないうちにとそそくさと退散する時に「また話したいときに誘拐しにいくからまっときな」といわれたけど
話したいだけなら普通に話しにきて欲しい
まぁこうして龍りんかの始めての誘拐は無事に終わった。
***
4.5
誘拐視点
全く変なガキを連れてきちまったもんだ
誘拐されたってのにちーっとも怖がらないし
誘拐犯であるアタシの事を綺麗だなんでいうんだよ?
この鬼のような見た目のアタシのことを
鬼は絵本にでてくる敵だから小さい頃からアタシは敵扱いさ
それこそヒーローに皆が憧れるようになってからは特にね
石を投げつけられたり酷い時は殴られたり
アタシからしたらあんた達が敵だよってね
「あんたいくつだい?」
「んー、今は4歳」
そんくらいのガキなら1番ヒーローに憧れてるだろうに
見た目敵のアタシに仲良く話しかけてんじゃないよ、まったく
「あーお姉さんはなんで私を誘拐したの?」
このガキも少しくらい私を怖がれば良いと思って「ただ金が欲しいだけさ、龍家は有名な富豪だからね」と敵っぽくニヤリと笑ってやったのに
「お姉さんはそんな人に見えないなぁ」
背筋がゾクりとしたよ。
アタシを見上げるガキの瞳はアタシの赤い肌が反射して赤っぽく見えて
まるでアタシの中身を透かして見られているような気分だ。
でも嫌な怖さじゃなくて、うまく言葉にできないけど
こう綺麗すぎて怖いって感じ?
暇つぶしで少し話してたらいつの間にか自分の弟の話しまでしちまってた
そしたらこのガキが思い出したように「お姉さん、私帰らなきゃ」だってさ!
誘拐されたってのに自分が帰るのが当たり前みたいに言うんだよ?
思わず笑っちまったさ
「ん?あー、いいよ帰んな」
この綺麗な空気を汚してやりたくて煙草に火をつける
「また話したいときに誘拐しにいくからまっときな」
ガキの後ろ姿に向かって煙を吐いてやると
振り向いて綺麗な笑みを浮かべやがった
汚せるなら汚してみろとでも言うかのように
本当に変なガキを誘拐しちまったもんだ