私はヒーロー
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24
※暴力表現あり
体育祭での疲れも癒え
今日からまた学校が始まる
起きた時から雨が降っていて少しだけ憂鬱
そんな朝
「いってきます」
誰もいない部屋に声をかけて鍵を閉めた
なんでもない朝
家を出た途端学校に行きたくなくなるような土砂降りになった空や
気づかないうちに割れた姫ちゃんのマグカップ
後ろから引かれる袖
それに私が気づかなかった朝
「ヒーロー科の龍さんだよネ?」
朝は人通りの少ない小道と掴まれた手首
糸の様に細められた目と釣り上げられた口元
振りかぶられた拳がスローモーションの様に見えるも
膨れ上がった悪意に私は動けなくなっていた。
***
「良い面になったヨ」
殴られたり蹴られたり
体のあちこちがズキズキ痛むし
土砂降りの雨で全身びしょ濡れの泥だらけで気持ちが悪い
雄英に入学してから訓練で色々習ったりしたけれど悪意のある暴力は初めてで
恐怖で体が動かなかった
「ずっと嫌いだった」
目の前の男から冷たい言葉が降ってくる
「駅で毎日見せられるお前の目が大嫌いだった。汚れなんて無いような目が俺を侮辱してるみたいで毎朝最悪の気分でネ。しかも綺麗なだけじゃなくて個性まで強いなんてズルいヨ。なんでお前ばっかり恵まれてるの?」
そんなこと言われたって私にはどうしようもないじゃないか
私は別に綺麗でもないし
駅に広告を飾ったのも私じゃない
個性だって自分じゃどうしようもない
勝手に嫌って、勝手に卑屈になって
それで暴力振るうってどういうことよ。
そもそも高校が分かったくらいで私の家は分からない筈だし
この道を通ること
人通りの少ない場所と時間
計画的な犯行であるのは明らか
私が嫌いってだけでここまでする?
わざわざ計画を練ってまで鬱憤を晴らす?
この人は何を考えてるのだろうかと疑問に思って男を見上げた
「違う」
「あ?」
釣り上げられた口元と楽しそうにギラギラと光る瞳がそこにはあった
「理由はそれじゃない」
だってUSJの時襲ってきた人と同じ目をしている
卑屈になってる目じゃない
「バレた?」
口元は笑ったまま、男の目が開かれた
「でもお前が嫌いなのは本当だヨ?」
上がった足にまた蹴られると身を固めるも痛みが来ることは無かった
人が来ちゃったか〜と男が呟いた事によって鼓膜が遠くからの人の声を拾う
「また構ってネ。龍りんかちゃん」
なんだったんだ…
好き勝手暴力振るってサヨナラって何がしたかったのあの人は
というか今何時だろう?まだ学校間に合う?
いや遅刻とかしたら除籍されちゃうんじゃないかな
早く行かなきゃ
あー痛い。制服もぼろぼろだしどうしてくれるんだ本当に。
「りんか…?」
いつまでも寝転がるわけにはいかずやっとの思いで立ち上がったら聞き慣れた声
「さくら」
と確か心操君。
朝から一緒に登校って仲良いな〜
桜がまだ登校してるってことはそんなに時間は経ってなかったのか
遅刻によっての除籍は免れそうでよかった
「おはよう」
桜は目を見開いたまま動かない
おっきな目に雨入っちゃうよ桜さんやーい
「おはようじゃないだろ。とりあえず保険室行くぞ」
歩けるか?とテキパキ対応してくれる心操君はヒーロー向きなんじゃないかな
普通混乱して動けないよー
背中に乗るように言ってくる心操君に濡れてるからと断ると怒られてしまった。
「夢見!何も考えず荷物持ってついてこい」
固まったままの桜に心操君が声をかける
けど桜は初めの時から動いてなくて
「夢見!!」
「桜。」
荷物重いから持つのきっと大変だし
それにせっかく二人で登校してたのに邪魔してしまったし
こんなみっともない姿見せちゃって
「ごめんね」
***
なんとか学校には来れた。
謝る私に桜が泣き出してしまって
ぼろぼろずぶ濡れの女の子背負って、隣で大泣きしてる女の子を慰めながら学校まで歩く男の子はすごく目立った。
心操君には大変ご迷惑をおかけしてしまった
「顔まで殴られて、跡は残らないだろうけどねぇ」
「治療ありがとうございます」
怖かっただろうと悲しそうに言うおばあさんはこの雄英の屋台骨のリカバリーガール
治してもらってすぐに教室に戻ろうとしたら引きとめられてしまった
もう1限始まっちゃったけど私除籍させられないよね…
心配もあるけど、さっきから次から次にお菓子を与えられて幸せです。
ボンタンアメおいしい
「龍。」
「相澤先生?」
今は1限のヒーロー情報学のはずだけど先生出てきて大丈夫なんかな?
「クラスはミッドナイトさんに任せて来た。で、何があった」
端的に説明して本題に移るところが先生らしくて少し笑ってしまった
早くしろと無言で訴えてくる先生にさっきあったことを説明する
犯人の特徴などを説明しているうちに疑問が浮かんだ
「あの人の個性分かりません。個性は使われませんでした」
攻撃に使う個性では無かったのかな?
「だいたい分かった。暫く一人での行動はしないように」
「はい」
授業内容と2限から参加するように伝えられ、先生は校長先生に報告するため保健室から出て行った
あの人は敵だったんだろうか?
それとも一般人が暴力を振るって来ただけ?
悩んでいたらリカバリーガールさんがボンタンアメを差し出して来た
好きなの気づかれたのかな?さすがだ
「ヒーロー名考えているのかい?」
「ヒーロー名…」
そういえば先生が皆は1限だヒーロー名を考えていると言っていた
私のヒーロー名かぁ
いまだに自分がヒーローしてるのが想像できていないからなぁ
うーん。
爆豪くんは何にしたのだろう
爆殺王とか?流石にないかぁ
あ、そういえば私傘どこやったっけ…
***
24.5
相澤視点
ミッドナイトさんから龍が保険室に運ばれたと連絡があり早足で保険室へ向かうと
龍は思ったよりもケロッとしていた。
顔や足などに湿布が貼られている以外には変わった所もなくいつもの雰囲気の龍で保険室に来るまで焦っていた自分がバカらしくなる
「相澤先生?」
先生授業は?と顔に書いてある龍に端的に説明して本題に移るよう言うと
「先生らしいなぁ」
目を細めて喉を鳴らす様に笑う龍に心臓が跳ねた
顔にでないよう努力したがばぁさんが横でニコニコしているのが視界に入った
いや、生徒に手を出すとかはあり得ないから勘違いしないでくれよ
あれだ。この前と言い龍が猫っぽいからだ
咳払いを一つすると龍が話し始めた
通学路の少し人通りの少ない場所で腕を掴まれ引き止められ、いきなり暴力を振るわれた
と淡々と話す龍は何でもない様な顔をしていて逆に不安になる
「雄英に通っているのに動けませんでした。USJで敵の怖さはもう体験したのに」
淡々と状況について話していた龍の顔が悔しそうに歪んだ
「すみません」
謝罪の意味がわからない
まだお前は人を頼っていいんだ
今日起きた出来事は学校から与えられた課題でも、ましてやお前はまだヒーローでもない
見ず知らずの男に人通りの少ない道で暴行されるなんてのは助けを呼ぶべき状況だ
なぜ助けを呼ばなかった
言いたいことはあるが今龍を責める様な事を言うべきではない為、言葉を飲み込む
「だいたい分かった。暫く一人での行動はしないように」
「はい」
帰りは爆豪にでも送るよう伝えておくか
※暴力表現あり
体育祭での疲れも癒え
今日からまた学校が始まる
起きた時から雨が降っていて少しだけ憂鬱
そんな朝
「いってきます」
誰もいない部屋に声をかけて鍵を閉めた
なんでもない朝
家を出た途端学校に行きたくなくなるような土砂降りになった空や
気づかないうちに割れた姫ちゃんのマグカップ
後ろから引かれる袖
それに私が気づかなかった朝
「ヒーロー科の龍さんだよネ?」
朝は人通りの少ない小道と掴まれた手首
糸の様に細められた目と釣り上げられた口元
振りかぶられた拳がスローモーションの様に見えるも
膨れ上がった悪意に私は動けなくなっていた。
***
「良い面になったヨ」
殴られたり蹴られたり
体のあちこちがズキズキ痛むし
土砂降りの雨で全身びしょ濡れの泥だらけで気持ちが悪い
雄英に入学してから訓練で色々習ったりしたけれど悪意のある暴力は初めてで
恐怖で体が動かなかった
「ずっと嫌いだった」
目の前の男から冷たい言葉が降ってくる
「駅で毎日見せられるお前の目が大嫌いだった。汚れなんて無いような目が俺を侮辱してるみたいで毎朝最悪の気分でネ。しかも綺麗なだけじゃなくて個性まで強いなんてズルいヨ。なんでお前ばっかり恵まれてるの?」
そんなこと言われたって私にはどうしようもないじゃないか
私は別に綺麗でもないし
駅に広告を飾ったのも私じゃない
個性だって自分じゃどうしようもない
勝手に嫌って、勝手に卑屈になって
それで暴力振るうってどういうことよ。
そもそも高校が分かったくらいで私の家は分からない筈だし
この道を通ること
人通りの少ない場所と時間
計画的な犯行であるのは明らか
私が嫌いってだけでここまでする?
わざわざ計画を練ってまで鬱憤を晴らす?
この人は何を考えてるのだろうかと疑問に思って男を見上げた
「違う」
「あ?」
釣り上げられた口元と楽しそうにギラギラと光る瞳がそこにはあった
「理由はそれじゃない」
だってUSJの時襲ってきた人と同じ目をしている
卑屈になってる目じゃない
「バレた?」
口元は笑ったまま、男の目が開かれた
「でもお前が嫌いなのは本当だヨ?」
上がった足にまた蹴られると身を固めるも痛みが来ることは無かった
人が来ちゃったか〜と男が呟いた事によって鼓膜が遠くからの人の声を拾う
「また構ってネ。龍りんかちゃん」
なんだったんだ…
好き勝手暴力振るってサヨナラって何がしたかったのあの人は
というか今何時だろう?まだ学校間に合う?
いや遅刻とかしたら除籍されちゃうんじゃないかな
早く行かなきゃ
あー痛い。制服もぼろぼろだしどうしてくれるんだ本当に。
「りんか…?」
いつまでも寝転がるわけにはいかずやっとの思いで立ち上がったら聞き慣れた声
「さくら」
と確か心操君。
朝から一緒に登校って仲良いな〜
桜がまだ登校してるってことはそんなに時間は経ってなかったのか
遅刻によっての除籍は免れそうでよかった
「おはよう」
桜は目を見開いたまま動かない
おっきな目に雨入っちゃうよ桜さんやーい
「おはようじゃないだろ。とりあえず保険室行くぞ」
歩けるか?とテキパキ対応してくれる心操君はヒーロー向きなんじゃないかな
普通混乱して動けないよー
背中に乗るように言ってくる心操君に濡れてるからと断ると怒られてしまった。
「夢見!何も考えず荷物持ってついてこい」
固まったままの桜に心操君が声をかける
けど桜は初めの時から動いてなくて
「夢見!!」
「桜。」
荷物重いから持つのきっと大変だし
それにせっかく二人で登校してたのに邪魔してしまったし
こんなみっともない姿見せちゃって
「ごめんね」
***
なんとか学校には来れた。
謝る私に桜が泣き出してしまって
ぼろぼろずぶ濡れの女の子背負って、隣で大泣きしてる女の子を慰めながら学校まで歩く男の子はすごく目立った。
心操君には大変ご迷惑をおかけしてしまった
「顔まで殴られて、跡は残らないだろうけどねぇ」
「治療ありがとうございます」
怖かっただろうと悲しそうに言うおばあさんはこの雄英の屋台骨のリカバリーガール
治してもらってすぐに教室に戻ろうとしたら引きとめられてしまった
もう1限始まっちゃったけど私除籍させられないよね…
心配もあるけど、さっきから次から次にお菓子を与えられて幸せです。
ボンタンアメおいしい
「龍。」
「相澤先生?」
今は1限のヒーロー情報学のはずだけど先生出てきて大丈夫なんかな?
「クラスはミッドナイトさんに任せて来た。で、何があった」
端的に説明して本題に移るところが先生らしくて少し笑ってしまった
早くしろと無言で訴えてくる先生にさっきあったことを説明する
犯人の特徴などを説明しているうちに疑問が浮かんだ
「あの人の個性分かりません。個性は使われませんでした」
攻撃に使う個性では無かったのかな?
「だいたい分かった。暫く一人での行動はしないように」
「はい」
授業内容と2限から参加するように伝えられ、先生は校長先生に報告するため保健室から出て行った
あの人は敵だったんだろうか?
それとも一般人が暴力を振るって来ただけ?
悩んでいたらリカバリーガールさんがボンタンアメを差し出して来た
好きなの気づかれたのかな?さすがだ
「ヒーロー名考えているのかい?」
「ヒーロー名…」
そういえば先生が皆は1限だヒーロー名を考えていると言っていた
私のヒーロー名かぁ
いまだに自分がヒーローしてるのが想像できていないからなぁ
うーん。
爆豪くんは何にしたのだろう
爆殺王とか?流石にないかぁ
あ、そういえば私傘どこやったっけ…
***
24.5
相澤視点
ミッドナイトさんから龍が保険室に運ばれたと連絡があり早足で保険室へ向かうと
龍は思ったよりもケロッとしていた。
顔や足などに湿布が貼られている以外には変わった所もなくいつもの雰囲気の龍で保険室に来るまで焦っていた自分がバカらしくなる
「相澤先生?」
先生授業は?と顔に書いてある龍に端的に説明して本題に移るよう言うと
「先生らしいなぁ」
目を細めて喉を鳴らす様に笑う龍に心臓が跳ねた
顔にでないよう努力したがばぁさんが横でニコニコしているのが視界に入った
いや、生徒に手を出すとかはあり得ないから勘違いしないでくれよ
あれだ。この前と言い龍が猫っぽいからだ
咳払いを一つすると龍が話し始めた
通学路の少し人通りの少ない場所で腕を掴まれ引き止められ、いきなり暴力を振るわれた
と淡々と話す龍は何でもない様な顔をしていて逆に不安になる
「雄英に通っているのに動けませんでした。USJで敵の怖さはもう体験したのに」
淡々と状況について話していた龍の顔が悔しそうに歪んだ
「すみません」
謝罪の意味がわからない
まだお前は人を頼っていいんだ
今日起きた出来事は学校から与えられた課題でも、ましてやお前はまだヒーローでもない
見ず知らずの男に人通りの少ない道で暴行されるなんてのは助けを呼ぶべき状況だ
なぜ助けを呼ばなかった
言いたいことはあるが今龍を責める様な事を言うべきではない為、言葉を飲み込む
「だいたい分かった。暫く一人での行動はしないように」
「はい」
帰りは爆豪にでも送るよう伝えておくか