私はヒーロー
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23
試合が終わってからそのまま爆豪君に腕を引かれて皆のいる観客席へ行った
皆の所に戻ってこない事を三奈ちゃんが心配していたらしく少し怒られた
うん。怒る三奈ちゃんもかわいい
「おいりんか」
「爆豪くんそろそろ控え室いくの?」
「ん」
ていうか来た時と場所変わってないから、私が怒られてるのずっと見てたのかな?
怒られながらにやけたりしてなかったかな恥ずかしい
「決勝、俺だけ見とけや」
「え?」
「俺が一位になる」
真剣な顔で私をまっすぐ見ながらそう言うと爆豪くんはそのまま控え室へ行ってしまった
いやなんだったんだろうね
選手宣誓の時言ってたのをもう一度言いたかったのかな?
誰かに聞いて欲しかったとか?
分かんないけど私は勿論爆豪君を見てるよ
***
爆豪君と轟くんの試合はよく分からないレベルですごかった
スタートの合図と共に大きな氷が出現したけど爆豪くんは氷の中から普通に現れるし
一瞬一瞬の動きで二人の強さが分かる
「俺が取んのは完膚なきまでの一位なんだよ!」
爆豪君は強いな
一位になるために真っ直ぐ突き進める強さがある
本当にカッコいい、そんなことを考えていたら
「勝つつもりもねえなら俺の前に立つな!!!」
ドキリとした
「何でここに立っとんだクソが!!!」
まるで自分に向けられているようだった
息ができなくて
訳もわからず涙がでてきた
「りんかちゃん?」
「ゴミが、入っちゃったみたい」
隣の三奈ちゃんが心配そうに声をかけられて慌てて涙を拭った
大爆発だったからその嘘も信じてもらえて
ミッドナイト先生によって爆豪君の優勝が宣言されてから顔を洗って来ると伝えて席を立った
「龍」
「相澤先生」
少しいいかと言われてリカバリーガール出張保健所の前まで連れていかれた
爆豪くんと轟くん、大丈夫かな
「二人ならまだ寝ている。起き次第表彰式だ」
端的に説明した先生は早速だがと話し出した
「お前は何のためにここ(ヒーロー科)にいる?」
「えっと…」
先生の声に心臓がひきつった
「何でここに立っとんだ」と爆豪くんの声が頭に響いて
また息ができなくなる
「ヒーローに憧れて…」
絞り出した声は情けないほど揺れた
「口だけの嘘は聞いてない。やる気がないなら辞めろ。やめる勇気すらないなら俺が除籍してやろうか?」
目の前が真っ暗になった
入学してすぐの体力測定の時とは違い
本当に除籍されるのだろう
除籍されたらどうなる
きっと龍家の恥だと祖父に責められるだろう
きっと家から出してもらえなくなるだろう
でもそんなことよりも
爆豪くんや皆の姿を見ることができなくなるのが嫌だ
「私は」
ヒーローじゃなくて爆豪くんに憧れた
あんなに上を目指せる彼が眩しかった
私は
「ヒーローになる爆豪くん達みたいになりたくてここにいます」
声は震えなかった。
包帯けら目だけが見える先生を見つめる
先生はため息をつくと
「除籍されたくなかったら焦れ。龍だけが遅れてるぞ」
そう言って去って行った
***
「それではこれより!!表彰式に移ります!」
起きてからずっと暴れてる爆豪くんは拘束されたまま表彰台に上ることとなった
正直に言おう
爆豪くん怖い!!!!
そしてこれテレビで流れるけど恥ずかしくないのかな…。
黒歴史になりそうだけど…
いや、爆豪くんはそんなの気にしないのかな
「龍少女おめでとう!」
オールマイト からメダルを首にかけられる
爆豪くんもクラスの皆もこの人に憧れている
すごい人、なんだろう
「あの量の水を発現させる事ができるのには驚いたよ!でも他にも策を作っておくべきだった。地力を鍛え策を巡らせる事によって君はもっと強くなれるだろう」
「はい」
大きな手が頭にのった。
私の頭なんで簡単に握り潰せるような強く大きな手なのに
人を安心させるような手だった
「大丈夫。龍少女は強くなれる」
「…はい!」
泣きそうになった
皆が憧れる強さをこの人は持っている
ヒーローってすごいんだ。
***
23.5
相澤視点
自分のクラスの生徒が勝ち上がってくることは嬉しいものではある
しかし一人だけ気になる生徒がいた。
龍りんか
USJの件があってから慌ただしかったためまだ除籍の話しはできていないがこのまま置いておくわけにはいかないだろう
準決勝まで勝ち進んできているがそれは個性の強さと頭の良さによるもの
何かあったのか戦闘訓練の時のような諦めはないが
向上心のなさは相変わらずである
除籍するなら職業体験の前だろう
そう準決勝を見るまでは思っていた。
龍の水球を持ち前の反射神経で破壊していく爆豪にきっと諦めたような表情をしているのだろうと思ったら
想像に反して生き生きとした表情がそこにはあった
「もっと…!」
常闇との試合の時の何かに追い込まれた表情でも戦闘訓練の時の諦めた表情でもなかった
「爆豪の影響か?」
緑谷といい爆豪といい
周りを引っ張っていける奴等に囲まれて龍も少しずつ変わっているのかもしれない
結果として龍の負けであったが試合を見た結果まだ除籍には早い
龍は変われるだろう
しかしこのまま周りから遅れをとっていると追いつけなくなるから少しくらい焚き付けておくか
決勝が終わりちょうど廊下を歩いてる龍を見つけて声をかけた
「龍」
「相澤先生」
きっと爆豪の所に行こうとしていたのだろう
「二人ならまだ寝ている。起き次第表彰式だ」
二人の事が気になるのか扉の方を見るが、様子を見に行く前に話を聞いてもらわなくてはならない
「お前は何のためにここ(ヒーロー科)にいる?」
「えっと…」
俺の質問に龍の瞳が揺れた
しかしマスコミに囲まれた時のように危うい感じではなく
自分でも分からないと言うような
「ヒーローに憧れて…」
絞り出した声は情けないほど揺れており
それが嘘だとは誰にでも分かるだろう。
人は目標が無ければ進むことはできない
ただ時間に任せる事はできるが、それではここにいる意味も、在籍させる意味もない
進むためには自分のなりたいものを見なければならない
なんとなくで生きていたいならヒーロー科にいる意味はないのだ。
「口だけの嘘は聞いてない。やる気がないなら辞めろ。やめる勇気すらないなら俺が除籍してやろうか?」
昔の俺なら話を聞かずに除籍しているだろう
いくら資金援助をしている家の子供であっても関係ない
龍は見込みがないわけではない。
ヒーローになる能力は持っている
今年のクラスという成長できる場所もある
「私は」
あとは龍の気持ち次第なんだ。
「ヒーローになる爆豪くん達みたいになりたくてここにいます」
龍の強い瞳におもわず包帯に隠れた口角が上がる
「除籍されたくなかったら焦れ。龍だけが遅れてるぞ」
俺は今年のクラスを気に入ってるんだ
スタートは遅れたがしっかりついてこいよ。
試合が終わってからそのまま爆豪君に腕を引かれて皆のいる観客席へ行った
皆の所に戻ってこない事を三奈ちゃんが心配していたらしく少し怒られた
うん。怒る三奈ちゃんもかわいい
「おいりんか」
「爆豪くんそろそろ控え室いくの?」
「ん」
ていうか来た時と場所変わってないから、私が怒られてるのずっと見てたのかな?
怒られながらにやけたりしてなかったかな恥ずかしい
「決勝、俺だけ見とけや」
「え?」
「俺が一位になる」
真剣な顔で私をまっすぐ見ながらそう言うと爆豪くんはそのまま控え室へ行ってしまった
いやなんだったんだろうね
選手宣誓の時言ってたのをもう一度言いたかったのかな?
誰かに聞いて欲しかったとか?
分かんないけど私は勿論爆豪君を見てるよ
***
爆豪君と轟くんの試合はよく分からないレベルですごかった
スタートの合図と共に大きな氷が出現したけど爆豪くんは氷の中から普通に現れるし
一瞬一瞬の動きで二人の強さが分かる
「俺が取んのは完膚なきまでの一位なんだよ!」
爆豪君は強いな
一位になるために真っ直ぐ突き進める強さがある
本当にカッコいい、そんなことを考えていたら
「勝つつもりもねえなら俺の前に立つな!!!」
ドキリとした
「何でここに立っとんだクソが!!!」
まるで自分に向けられているようだった
息ができなくて
訳もわからず涙がでてきた
「りんかちゃん?」
「ゴミが、入っちゃったみたい」
隣の三奈ちゃんが心配そうに声をかけられて慌てて涙を拭った
大爆発だったからその嘘も信じてもらえて
ミッドナイト先生によって爆豪君の優勝が宣言されてから顔を洗って来ると伝えて席を立った
「龍」
「相澤先生」
少しいいかと言われてリカバリーガール出張保健所の前まで連れていかれた
爆豪くんと轟くん、大丈夫かな
「二人ならまだ寝ている。起き次第表彰式だ」
端的に説明した先生は早速だがと話し出した
「お前は何のためにここ(ヒーロー科)にいる?」
「えっと…」
先生の声に心臓がひきつった
「何でここに立っとんだ」と爆豪くんの声が頭に響いて
また息ができなくなる
「ヒーローに憧れて…」
絞り出した声は情けないほど揺れた
「口だけの嘘は聞いてない。やる気がないなら辞めろ。やめる勇気すらないなら俺が除籍してやろうか?」
目の前が真っ暗になった
入学してすぐの体力測定の時とは違い
本当に除籍されるのだろう
除籍されたらどうなる
きっと龍家の恥だと祖父に責められるだろう
きっと家から出してもらえなくなるだろう
でもそんなことよりも
爆豪くんや皆の姿を見ることができなくなるのが嫌だ
「私は」
ヒーローじゃなくて爆豪くんに憧れた
あんなに上を目指せる彼が眩しかった
私は
「ヒーローになる爆豪くん達みたいになりたくてここにいます」
声は震えなかった。
包帯けら目だけが見える先生を見つめる
先生はため息をつくと
「除籍されたくなかったら焦れ。龍だけが遅れてるぞ」
そう言って去って行った
***
「それではこれより!!表彰式に移ります!」
起きてからずっと暴れてる爆豪くんは拘束されたまま表彰台に上ることとなった
正直に言おう
爆豪くん怖い!!!!
そしてこれテレビで流れるけど恥ずかしくないのかな…。
黒歴史になりそうだけど…
いや、爆豪くんはそんなの気にしないのかな
「龍少女おめでとう!」
オールマイト からメダルを首にかけられる
爆豪くんもクラスの皆もこの人に憧れている
すごい人、なんだろう
「あの量の水を発現させる事ができるのには驚いたよ!でも他にも策を作っておくべきだった。地力を鍛え策を巡らせる事によって君はもっと強くなれるだろう」
「はい」
大きな手が頭にのった。
私の頭なんで簡単に握り潰せるような強く大きな手なのに
人を安心させるような手だった
「大丈夫。龍少女は強くなれる」
「…はい!」
泣きそうになった
皆が憧れる強さをこの人は持っている
ヒーローってすごいんだ。
***
23.5
相澤視点
自分のクラスの生徒が勝ち上がってくることは嬉しいものではある
しかし一人だけ気になる生徒がいた。
龍りんか
USJの件があってから慌ただしかったためまだ除籍の話しはできていないがこのまま置いておくわけにはいかないだろう
準決勝まで勝ち進んできているがそれは個性の強さと頭の良さによるもの
何かあったのか戦闘訓練の時のような諦めはないが
向上心のなさは相変わらずである
除籍するなら職業体験の前だろう
そう準決勝を見るまでは思っていた。
龍の水球を持ち前の反射神経で破壊していく爆豪にきっと諦めたような表情をしているのだろうと思ったら
想像に反して生き生きとした表情がそこにはあった
「もっと…!」
常闇との試合の時の何かに追い込まれた表情でも戦闘訓練の時の諦めた表情でもなかった
「爆豪の影響か?」
緑谷といい爆豪といい
周りを引っ張っていける奴等に囲まれて龍も少しずつ変わっているのかもしれない
結果として龍の負けであったが試合を見た結果まだ除籍には早い
龍は変われるだろう
しかしこのまま周りから遅れをとっていると追いつけなくなるから少しくらい焚き付けておくか
決勝が終わりちょうど廊下を歩いてる龍を見つけて声をかけた
「龍」
「相澤先生」
きっと爆豪の所に行こうとしていたのだろう
「二人ならまだ寝ている。起き次第表彰式だ」
二人の事が気になるのか扉の方を見るが、様子を見に行く前に話を聞いてもらわなくてはならない
「お前は何のためにここ(ヒーロー科)にいる?」
「えっと…」
俺の質問に龍の瞳が揺れた
しかしマスコミに囲まれた時のように危うい感じではなく
自分でも分からないと言うような
「ヒーローに憧れて…」
絞り出した声は情けないほど揺れており
それが嘘だとは誰にでも分かるだろう。
人は目標が無ければ進むことはできない
ただ時間に任せる事はできるが、それではここにいる意味も、在籍させる意味もない
進むためには自分のなりたいものを見なければならない
なんとなくで生きていたいならヒーロー科にいる意味はないのだ。
「口だけの嘘は聞いてない。やる気がないなら辞めろ。やめる勇気すらないなら俺が除籍してやろうか?」
昔の俺なら話を聞かずに除籍しているだろう
いくら資金援助をしている家の子供であっても関係ない
龍は見込みがないわけではない。
ヒーローになる能力は持っている
今年のクラスという成長できる場所もある
「私は」
あとは龍の気持ち次第なんだ。
「ヒーローになる爆豪くん達みたいになりたくてここにいます」
龍の強い瞳におもわず包帯に隠れた口角が上がる
「除籍されたくなかったら焦れ。龍だけが遅れてるぞ」
俺は今年のクラスを気に入ってるんだ
スタートは遅れたがしっかりついてこいよ。