ヒソカさん夢はトリップでは無いので、カタカナでの入力がおすすめかも知れません。
ハンター試験編
ユミ
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残った受験生たちは先程乗ってきた飛行船に乗り込み、緊張しながらネテロの言葉を待った。
「残った43名の諸君に改めて挨拶しとこうかの。わしが今回のハンター試験審査委員会代表のネテロである。本来ならば最終試験で登場する予定であったが、いったんこうして現場に来てみると…」
「……」
「なんともいえぬ緊張感が伝わってきていいもんじゃ。せっかくだからこのまま同行させてもらうことにする」
思いの外陽気な雰囲気のこの老人はにこりと笑ってそう宣言した。
その後ろから小柄な男性があらわれ、皆にアナウンスする。
「次の目的地へは明日の朝8時到着予定です。こちらから連絡するまで各自自由に時間をお使い下さい」
「──ゴン! 飛行船の中探検しようぜ」
「うん!ユミさんも一緒にどう?」
元気だな、と苦笑していたユミは突然話しかけられ驚くが、疲労も溜まっていたし、直ぐに断ろうとした。
…そう、断ろうとしたのだが。
(見られてる、見られてるよぅ…!!!)
そっと後ろを振り向くとヒソカが嬉しそうにこちらに手を振っている。
その視線に気づいたユミは、この飛行船の中で油断していたら十中八九あの男に付き纏われることを悟ってしまった。
「ぜひ、行かせてください。」
「やったぁ!」
「元気な奴ら……オレはとにかくぐっすり寝てーぜ」
「私もだ。おそろしく長い一日だった。ユミさんも、あまり無理をしてはいけないぞ」
クラピカもヒソカの視線に気づいたように、こちらに目配せをしてきた。ユミは安心させるように笑ってみせるが、それはもうほぼ苦笑で、クラピカたちを余計に心配させただけであった。
.☆.。.:.+*:゚+。 .゚・*..☆.。.:*
「うわすげー!」
「宝石みたいだね!」
飛行船の中をある程度探検し終わった3人は小休憩するために椅子に座り、目の前の窓から下の街並みを覗いて感嘆した。
「いい景色ですねえ」
「ほんとだな」
「……キルアのさぁ…」
会話が途切れ少しすると、ゴンがキルアに問いかけた。それにキルアも「んー?」と返す。
「というか、ユミさんもだけど、2人の父さんと母さんは何してる人なの?」
「殺人鬼」
聞かれたキルアは間髪入れずにそう答えた。するとゴンは少しも疑う素振りを見せず、「両方とも?」と聞き返した。
ユミも、これまでのキルアの言動から何となく嘘はついていないように思えた。
それに目をぱちくりさせたキルアは面白そうに爆笑し始めた。
「あはははっ、面白いなあんたたち!マジ面でそんなこと聞き返してきたのお前が初めてだぜ、ゴン」
「え?だって本当なんでしょ?」
なんで分かると聞けば、なんとなく、と返すゴン。呆れたキルアは今度はユミに向き直って聞いた。
「ユミさんも、オレが言ったことほんとだと思う?」
「今までの試験を余裕でクリアしているのを見ると、その家系はむしろ納得です。」
「おかしいなぁ、どこまで本気かわかんないコっていうのがチャームポイントだったのに」
そうキルアはほんのちょっぴり悔しそうに話し始めた。キルアの家は家族全員が暗殺家業で、その中でも彼は特に期待されていること。でも、人にレールを敷かれる人生に嫌気がさし、ついでに母親の顔面と兄の脇腹も刺して家出をしたこと。
「自分の将来は自分で決める、って言ったら親兄弟キレまくりでさ、母親なんかオレがいかに人殺しとして素質があるか涙ながらに力説するんだぜ?ヒデーおやだべ?グレるぜフツー…」
「…そんなご両親なのに、ちゃんと自分なりの意志を持って生きているキルアくんは立派ですね」
「だろ?やっぱりユミさん大好きー!!」
「わぁっ…ふふ」
勢い任せてこちらに抱きついてきたキルアの頭を、ユミは優しく撫でる。まるで仲のいい弟でもできたような気分で、思わず頬も緩んでしまう。
そんな柔らかな空気に、ゴンも「オレも!」と言って勢いよく割り込んできて。
(両手に花って…こういう気分のことを言うのかしら……っ!?)
そうやってほくほくしていると、急に背中に悪寒が走り、真後ろを振り返る。
ゴンとキルアも気づいたようで同じ方向を見つめているが、人がやってきたのは全くの反対方向からだった。
「どうかしたかの?」
「あっ、ネテロさん…どうも」
「ねえネテロさん、こっちの方から誰か近づいてこなかった?」
「いーや」
ネテロが首を振ると、キルアは先程とは打って変わった引き締めた声で言った。
「素早いね。歳の割に」
「今のが?ちょこっと歩いただけじゃよ」
ネテロが何故か挑発するような口調で言うと、キルアが纏う雰囲気が固くなるのを感じ、二人の間に火花が散っているのが見えるようだった。
「何か用?じいさん最終試練まで別にやることないんだろ?」
「そう邪険にしなさんな。おぬしらワシとゲームをせんかね?」
「残った43名の諸君に改めて挨拶しとこうかの。わしが今回のハンター試験審査委員会代表のネテロである。本来ならば最終試験で登場する予定であったが、いったんこうして現場に来てみると…」
「……」
「なんともいえぬ緊張感が伝わってきていいもんじゃ。せっかくだからこのまま同行させてもらうことにする」
思いの外陽気な雰囲気のこの老人はにこりと笑ってそう宣言した。
その後ろから小柄な男性があらわれ、皆にアナウンスする。
「次の目的地へは明日の朝8時到着予定です。こちらから連絡するまで各自自由に時間をお使い下さい」
「──ゴン! 飛行船の中探検しようぜ」
「うん!ユミさんも一緒にどう?」
元気だな、と苦笑していたユミは突然話しかけられ驚くが、疲労も溜まっていたし、直ぐに断ろうとした。
…そう、断ろうとしたのだが。
(見られてる、見られてるよぅ…!!!)
そっと後ろを振り向くとヒソカが嬉しそうにこちらに手を振っている。
その視線に気づいたユミは、この飛行船の中で油断していたら十中八九あの男に付き纏われることを悟ってしまった。
「ぜひ、行かせてください。」
「やったぁ!」
「元気な奴ら……オレはとにかくぐっすり寝てーぜ」
「私もだ。おそろしく長い一日だった。ユミさんも、あまり無理をしてはいけないぞ」
クラピカもヒソカの視線に気づいたように、こちらに目配せをしてきた。ユミは安心させるように笑ってみせるが、それはもうほぼ苦笑で、クラピカたちを余計に心配させただけであった。
.☆.。.:.+*:゚+。 .゚・*..☆.。.:*
「うわすげー!」
「宝石みたいだね!」
飛行船の中をある程度探検し終わった3人は小休憩するために椅子に座り、目の前の窓から下の街並みを覗いて感嘆した。
「いい景色ですねえ」
「ほんとだな」
「……キルアのさぁ…」
会話が途切れ少しすると、ゴンがキルアに問いかけた。それにキルアも「んー?」と返す。
「というか、ユミさんもだけど、2人の父さんと母さんは何してる人なの?」
「殺人鬼」
聞かれたキルアは間髪入れずにそう答えた。するとゴンは少しも疑う素振りを見せず、「両方とも?」と聞き返した。
ユミも、これまでのキルアの言動から何となく嘘はついていないように思えた。
それに目をぱちくりさせたキルアは面白そうに爆笑し始めた。
「あはははっ、面白いなあんたたち!マジ面でそんなこと聞き返してきたのお前が初めてだぜ、ゴン」
「え?だって本当なんでしょ?」
なんで分かると聞けば、なんとなく、と返すゴン。呆れたキルアは今度はユミに向き直って聞いた。
「ユミさんも、オレが言ったことほんとだと思う?」
「今までの試験を余裕でクリアしているのを見ると、その家系はむしろ納得です。」
「おかしいなぁ、どこまで本気かわかんないコっていうのがチャームポイントだったのに」
そうキルアはほんのちょっぴり悔しそうに話し始めた。キルアの家は家族全員が暗殺家業で、その中でも彼は特に期待されていること。でも、人にレールを敷かれる人生に嫌気がさし、ついでに母親の顔面と兄の脇腹も刺して家出をしたこと。
「自分の将来は自分で決める、って言ったら親兄弟キレまくりでさ、母親なんかオレがいかに人殺しとして素質があるか涙ながらに力説するんだぜ?ヒデーおやだべ?グレるぜフツー…」
「…そんなご両親なのに、ちゃんと自分なりの意志を持って生きているキルアくんは立派ですね」
「だろ?やっぱりユミさん大好きー!!」
「わぁっ…ふふ」
勢い任せてこちらに抱きついてきたキルアの頭を、ユミは優しく撫でる。まるで仲のいい弟でもできたような気分で、思わず頬も緩んでしまう。
そんな柔らかな空気に、ゴンも「オレも!」と言って勢いよく割り込んできて。
(両手に花って…こういう気分のことを言うのかしら……っ!?)
そうやってほくほくしていると、急に背中に悪寒が走り、真後ろを振り返る。
ゴンとキルアも気づいたようで同じ方向を見つめているが、人がやってきたのは全くの反対方向からだった。
「どうかしたかの?」
「あっ、ネテロさん…どうも」
「ねえネテロさん、こっちの方から誰か近づいてこなかった?」
「いーや」
ネテロが首を振ると、キルアは先程とは打って変わった引き締めた声で言った。
「素早いね。歳の割に」
「今のが?ちょこっと歩いただけじゃよ」
ネテロが何故か挑発するような口調で言うと、キルアが纏う雰囲気が固くなるのを感じ、二人の間に火花が散っているのが見えるようだった。
「何か用?じいさん最終試練まで別にやることないんだろ?」
「そう邪険にしなさんな。おぬしらワシとゲームをせんかね?」