ヒソカさん夢はトリップでは無いので、カタカナでの入力がおすすめかも知れません。
ハンター試験編
ユミ
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その後ユミたち4人はキリコらの面接にも合格し、無事試験会場までたどり着くことが出来た。そこにはすでに夥しい数の受験生たちがおり、皆闘志に満ちた表情をしていた。
ビリビリとした空気に思わず身震いしたユミと一行に誰かが声をかけた。
「あんたたち、新入りだろ?」
「え?おじさん、分かるの?」
ゴンが尋ねると、男は当然という顔をしながらこちらに近づいてきた。名をトンパと名乗ったその男は試験を35回も受けたことがあるそうだ。
その後も常連の受験生などを紹介してくれたが、レオリオとクラピカは「34回連続落第って、自慢できることじゃないだろう…」とヒソヒソと話をしている。
そんな5人にトンパは缶ジュースを差し出した。
「あっそうだ!お近付きの印に、これでも飲んで…」
「や、キミ可愛いね♡」
「うわぁあっ!?」
トンパが悲鳴をあげながら後ずさる。
その、星と雫のフェイスペイントを施した独特なオーラを放っている男は、トンパではなくユミの方を見ていた。
ユミは缶ジュースを開ける手を止めておずおずと男を見上げた。
「え、えっと…あなたは…?」
「ボクはヒソカ♢キミは?」
「私は、ユミ…です。」
「名前も可愛いねえ♡」
(…て、何バカ真面目に答えてるの…!?なんなのこの人…)
正直、男性慣れしていないユミに、そう何度も「可愛い」と連呼されるのは刺激が強い。余計にあたふたしていると、レオリオが割って入る。
「おい!ヒソカだかなんだか知らねえが、ユミさんに何の用だ。」
「んー、ただ可愛いなと思ったから声掛けただけだよ♡」
「こんのスケコマシ野郎が…」
「あとそいつ、賞味期限切れ のジュース飲ませてくるから注意してって教えてあげようと思ったんだ♧」
その言葉に、そばにいた(おそらく今年試験初挑戦の受験生)全員がトンパに目線を向ける。トンパはわざとらしく缶を確認すると、「あ!」と声を上げた。
「ほ、本当だ!スマン!!き、気づかなかった!」
「ほんとかよ…」
「まあレオリオ、ほんとに気づかなかっただけかもよ?」
ジト目でトンパを睨むレオリオをゴンが宥める。すると、会場の奥の方からタイマーのような音とともに口髭を伸ばしたスーツ姿の男性が現れた。
「大変お待たせ致しました。ただ今をもって、受付時間を終了いたします。…では、これよりハンター試験を開始致します。」
先程まで軽口を叩きあっていたゴンとレオリオさえも背筋を伸ばす。
その男性はハンター試験の説明を始めた。どうやら試験官のようだ。
「さて一応確認いたしますが、ハンター試験は大変厳しいものもあり運が悪かったり実力が乏しかったりするとケガしたり死んだりします。それでも構わない、という方のみついて来てください。そうでない方は、速やかにその扉からお戻りください。」
当然暗い地下通路の中に喋るものも、扉へ後戻りする者もいない。
「…やっぱ誰も帰らねーな、ちょっと期待したんだが…」
「そうですね…。…?私たち、どこに行くのでしょうか」
男性はこちらを振り返ることなくペースを落とさないどころかぐんぐんと早足で進んでいき、前の人々が走り出した。
後ろに続く人たちにも疑問が湧き始める。すると男性がまた話し始めた。
「申し遅れましたが、私第1次試験官のサトツと申します。これから皆様を2次試験会場までご案内致します。」
「第二…?それじゃあ1次試験は?」
先頭近くにいたスキンヘッドの男がサトツに声をかけると、彼はペースも声量も落とすことなく言った。
「2次試験会場まで私についてくること。これが一次試験でございます。
場所や到達時間はお答えできません。
ただ私についてきていただきます。」
.☆.。.:.+*:゚+。 .゚・*..☆.。.:*
(皆だいぶバテてきてる…)
走り始めておよそ2時間。距離にして30kmを超えている。先の見えない単調なコースが、何人かの脱落者を生み出していた。
そんな時、必死で走るレオリオとユミの隣にスケボーで走っている銀髪の少年が現れた。
「こら待てガキ!」
「なに?」
少年はスケボーに乗ったまま涼しい顔でこちらを振り返る。
「これは持久力を試すテストなんだぞ!」
「違うよ!サトツさんはただ「ついてこい」って言ったんだよ!」
後ろからそうゴンが口を挟んだ。そんなゴンにレオリオはさらに血圧を上げて叫ぶ。
「何言ってんだよゴン!お前どっちの味方だ!」
「確かに…はぁ、そうですが…」
併走しながらユミが困ったように考え込む。その隣で銀髪の少年はちらりとゴンを見やると、話しかけた。
「ねえ、君いくつ?」
「オレ?12歳!」
「同い年…ね。…よっと」
そう言うと男の子はスケボーからスタイリッシュに飛び降りて見せた。その姿にゴンとユミは思わず歓声をあげる。
「かっこいいー!」
「凄いですねえ…!名前はなんて言うんですか?」
「オレキルア。」
「オレはゴン!こっちはユミさん」
名前を聞いたところで息が続かなくなり大きく深呼吸をしているユミに変わってゴンが彼女を紹介する。
そうして3人が進んでいく中、レオリオが動きを止めた。それに気づいたゴン、ユミはだんだんと足を止め、それに気づいたキルアも続いて止まった。
「おい。放っとけよ。早く行こうぜ」
「…」
ゴンとユミは無言で彼を見つめる。
「…対……絶対ハンターになったるんじゃぁぁぁぁあ!!!!」
「ふふっ、ゴンくん。荷物を取ってきてあげましょうか?」
通路を戻ろうとしたユミを制止してゴンは持っていた釣竿でレオリオのスーツケースを引き寄せた。
「うーん、お見事です」
「かっこいー!後でやり方教えてよ」
「スケボー貸してくれたらね!ユミさんはなにか得意なことないの?」
「私は…特にないですねえ…強いて言うならお勉強でしょうか。」
ユミがそう言って苦笑いすると、ゴンは「オレは勉強苦手だなあ」と言って、スーツケースを背負い込んだ。
するとキルアが突然ゴンに話しかけた。
「なぁ、オレとお前、どっちが先に着くか勝負しようぜ、ゴン」
「いいよ!ユミさん、どっちが勝つかよく見ててね!」
「えっ?ついていけますかね…」
ユミが驚いて不安になったのも束の間、ゴンとキルアは始まりの合図で思い切りダッシュした。
「えっ!ちょ、ちょっと待ってくださいよう!」
悲鳴をあげつつもついて行かない訳にはいかず、ユミも急いで2人に追いつこうと足に力を込めた。
しばらく走っていると、少し前の方にレオリオとクラピカが見え、ユミ達は2人の方向に走っていった。
3人はレオリオたちに追いつくと、軽く挨拶をしてそのまま通り過ぎようとした。
「ではお先に。お二人とも頑張ってくださいね」
「じゃーなおっさん!」
「オッサンじゃねぇ!おれはまだお前らと同じ10代だ!」
次の瞬間時が止まったかのように4人全員が信じられないというふうにレオリオを見つめた。
そして次のユミの言葉にさらに全員が唖然とし言葉を失った。
「じゃあ、とっ、年下!?」
「「年下!?!?」」
体は前に進んでいるが、脳みそだけ後ろに置いてきたかのように思考停止している4人にユミは少し切なくなる。
「そ、そんなに子供っぽいですか?私…」
「いや、レオリオより年下っつーか、レオリオが十代なのが1番信じらんねー」
キルアがやっとこさ口を開きそう言うと、レオリオはまた目を三角にして怒った。
「失礼なやつだな!」
「ユミさんは今いくつなの?」
「女性に年齢を聞くのかゴン…」
クラピカが少し申し訳なさそうな顔でユミの方を向く。当の本人はケロッとした顔で「問題ない」というふうに微笑んだ。
「私は今23歳です。去年大学を卒業しました」
「ユミさん大学を出ていたのか…てっきり私と同じくらいの年齢だと思っていた」
「でも確かに、レオリオよりも大人っぽいよね、態度が!」
「…まぁ、否定はできねーな」
頬をぽりぽりと掻きながらレオリオはバツの悪そうな顔をしている。
すると突然ゴンが「そういえば」と話題を変えてきた。
「オレたちの競争どうなったの?」
「あっそーだ今どっちが先につけるか勝負してんだった。行こうぜユミさん」
「あ、はいはい。では改めて、お先に失礼しますね」
そう言って走り去って言った3人を見ていて、クラピカはふと疑問に思った。
「そういえば、ユミさんはなぜ年下の私たちにまで敬語を使うのだろうな」
「誰も呼び捨てにしねーしな。家が厳しかったんじゃねーの?マナーとか」
「そういうものか…」
ユミの敬語や敬称の中には、相手を尊重しているだとか、尊敬しているというよりかは、1歩距離を取った態度のようにも見える。
しかし、そんな些末な疑問は階段の向こうに陽の光が見えてくる頃には氷が解けるかのように無くなっていた。
ビリビリとした空気に思わず身震いしたユミと一行に誰かが声をかけた。
「あんたたち、新入りだろ?」
「え?おじさん、分かるの?」
ゴンが尋ねると、男は当然という顔をしながらこちらに近づいてきた。名をトンパと名乗ったその男は試験を35回も受けたことがあるそうだ。
その後も常連の受験生などを紹介してくれたが、レオリオとクラピカは「34回連続落第って、自慢できることじゃないだろう…」とヒソヒソと話をしている。
そんな5人にトンパは缶ジュースを差し出した。
「あっそうだ!お近付きの印に、これでも飲んで…」
「や、キミ可愛いね♡」
「うわぁあっ!?」
トンパが悲鳴をあげながら後ずさる。
その、星と雫のフェイスペイントを施した独特なオーラを放っている男は、トンパではなくユミの方を見ていた。
ユミは缶ジュースを開ける手を止めておずおずと男を見上げた。
「え、えっと…あなたは…?」
「ボクはヒソカ♢キミは?」
「私は、ユミ…です。」
「名前も可愛いねえ♡」
(…て、何バカ真面目に答えてるの…!?なんなのこの人…)
正直、男性慣れしていないユミに、そう何度も「可愛い」と連呼されるのは刺激が強い。余計にあたふたしていると、レオリオが割って入る。
「おい!ヒソカだかなんだか知らねえが、ユミさんに何の用だ。」
「んー、ただ可愛いなと思ったから声掛けただけだよ♡」
「こんのスケコマシ野郎が…」
「あとそいつ、
その言葉に、そばにいた(おそらく今年試験初挑戦の受験生)全員がトンパに目線を向ける。トンパはわざとらしく缶を確認すると、「あ!」と声を上げた。
「ほ、本当だ!スマン!!き、気づかなかった!」
「ほんとかよ…」
「まあレオリオ、ほんとに気づかなかっただけかもよ?」
ジト目でトンパを睨むレオリオをゴンが宥める。すると、会場の奥の方からタイマーのような音とともに口髭を伸ばしたスーツ姿の男性が現れた。
「大変お待たせ致しました。ただ今をもって、受付時間を終了いたします。…では、これよりハンター試験を開始致します。」
先程まで軽口を叩きあっていたゴンとレオリオさえも背筋を伸ばす。
その男性はハンター試験の説明を始めた。どうやら試験官のようだ。
「さて一応確認いたしますが、ハンター試験は大変厳しいものもあり運が悪かったり実力が乏しかったりするとケガしたり死んだりします。それでも構わない、という方のみついて来てください。そうでない方は、速やかにその扉からお戻りください。」
当然暗い地下通路の中に喋るものも、扉へ後戻りする者もいない。
「…やっぱ誰も帰らねーな、ちょっと期待したんだが…」
「そうですね…。…?私たち、どこに行くのでしょうか」
男性はこちらを振り返ることなくペースを落とさないどころかぐんぐんと早足で進んでいき、前の人々が走り出した。
後ろに続く人たちにも疑問が湧き始める。すると男性がまた話し始めた。
「申し遅れましたが、私第1次試験官のサトツと申します。これから皆様を2次試験会場までご案内致します。」
「第二…?それじゃあ1次試験は?」
先頭近くにいたスキンヘッドの男がサトツに声をかけると、彼はペースも声量も落とすことなく言った。
「2次試験会場まで私についてくること。これが一次試験でございます。
場所や到達時間はお答えできません。
ただ私についてきていただきます。」
.☆.。.:.+*:゚+。 .゚・*..☆.。.:*
(皆だいぶバテてきてる…)
走り始めておよそ2時間。距離にして30kmを超えている。先の見えない単調なコースが、何人かの脱落者を生み出していた。
そんな時、必死で走るレオリオとユミの隣にスケボーで走っている銀髪の少年が現れた。
「こら待てガキ!」
「なに?」
少年はスケボーに乗ったまま涼しい顔でこちらを振り返る。
「これは持久力を試すテストなんだぞ!」
「違うよ!サトツさんはただ「ついてこい」って言ったんだよ!」
後ろからそうゴンが口を挟んだ。そんなゴンにレオリオはさらに血圧を上げて叫ぶ。
「何言ってんだよゴン!お前どっちの味方だ!」
「確かに…はぁ、そうですが…」
併走しながらユミが困ったように考え込む。その隣で銀髪の少年はちらりとゴンを見やると、話しかけた。
「ねえ、君いくつ?」
「オレ?12歳!」
「同い年…ね。…よっと」
そう言うと男の子はスケボーからスタイリッシュに飛び降りて見せた。その姿にゴンとユミは思わず歓声をあげる。
「かっこいいー!」
「凄いですねえ…!名前はなんて言うんですか?」
「オレキルア。」
「オレはゴン!こっちはユミさん」
名前を聞いたところで息が続かなくなり大きく深呼吸をしているユミに変わってゴンが彼女を紹介する。
そうして3人が進んでいく中、レオリオが動きを止めた。それに気づいたゴン、ユミはだんだんと足を止め、それに気づいたキルアも続いて止まった。
「おい。放っとけよ。早く行こうぜ」
「…」
ゴンとユミは無言で彼を見つめる。
「…対……絶対ハンターになったるんじゃぁぁぁぁあ!!!!」
「ふふっ、ゴンくん。荷物を取ってきてあげましょうか?」
通路を戻ろうとしたユミを制止してゴンは持っていた釣竿でレオリオのスーツケースを引き寄せた。
「うーん、お見事です」
「かっこいー!後でやり方教えてよ」
「スケボー貸してくれたらね!ユミさんはなにか得意なことないの?」
「私は…特にないですねえ…強いて言うならお勉強でしょうか。」
ユミがそう言って苦笑いすると、ゴンは「オレは勉強苦手だなあ」と言って、スーツケースを背負い込んだ。
するとキルアが突然ゴンに話しかけた。
「なぁ、オレとお前、どっちが先に着くか勝負しようぜ、ゴン」
「いいよ!ユミさん、どっちが勝つかよく見ててね!」
「えっ?ついていけますかね…」
ユミが驚いて不安になったのも束の間、ゴンとキルアは始まりの合図で思い切りダッシュした。
「えっ!ちょ、ちょっと待ってくださいよう!」
悲鳴をあげつつもついて行かない訳にはいかず、ユミも急いで2人に追いつこうと足に力を込めた。
しばらく走っていると、少し前の方にレオリオとクラピカが見え、ユミ達は2人の方向に走っていった。
3人はレオリオたちに追いつくと、軽く挨拶をしてそのまま通り過ぎようとした。
「ではお先に。お二人とも頑張ってくださいね」
「じゃーなおっさん!」
「オッサンじゃねぇ!おれはまだお前らと同じ10代だ!」
次の瞬間時が止まったかのように4人全員が信じられないというふうにレオリオを見つめた。
そして次のユミの言葉にさらに全員が唖然とし言葉を失った。
「じゃあ、とっ、年下!?」
「「年下!?!?」」
体は前に進んでいるが、脳みそだけ後ろに置いてきたかのように思考停止している4人にユミは少し切なくなる。
「そ、そんなに子供っぽいですか?私…」
「いや、レオリオより年下っつーか、レオリオが十代なのが1番信じらんねー」
キルアがやっとこさ口を開きそう言うと、レオリオはまた目を三角にして怒った。
「失礼なやつだな!」
「ユミさんは今いくつなの?」
「女性に年齢を聞くのかゴン…」
クラピカが少し申し訳なさそうな顔でユミの方を向く。当の本人はケロッとした顔で「問題ない」というふうに微笑んだ。
「私は今23歳です。去年大学を卒業しました」
「ユミさん大学を出ていたのか…てっきり私と同じくらいの年齢だと思っていた」
「でも確かに、レオリオよりも大人っぽいよね、態度が!」
「…まぁ、否定はできねーな」
頬をぽりぽりと掻きながらレオリオはバツの悪そうな顔をしている。
すると突然ゴンが「そういえば」と話題を変えてきた。
「オレたちの競争どうなったの?」
「あっそーだ今どっちが先につけるか勝負してんだった。行こうぜユミさん」
「あ、はいはい。では改めて、お先に失礼しますね」
そう言って走り去って言った3人を見ていて、クラピカはふと疑問に思った。
「そういえば、ユミさんはなぜ年下の私たちにまで敬語を使うのだろうな」
「誰も呼び捨てにしねーしな。家が厳しかったんじゃねーの?マナーとか」
「そういうものか…」
ユミの敬語や敬称の中には、相手を尊重しているだとか、尊敬しているというよりかは、1歩距離を取った態度のようにも見える。
しかし、そんな些末な疑問は階段の向こうに陽の光が見えてくる頃には氷が解けるかのように無くなっていた。