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朝焼けの街(清田)
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私はその日の午前2時、考え事のループにはまって眠れないでいた。
恋人の清田信長はこの時間にテレビゲームに夢中になっている。
「ねー、信長。眠れないから構って」
「んあ?ちょっと待て、今いいところ」
「……もー」
ゲームは昔から好きなようだが社会人になってもやはり楽しいらしい。まあ明日も休みだから寝不足になっても問題ないし、そんな無邪気なところも好きなんだけど。
「よっし!終わり!」
しばらくすると満足げにテレビの電源を切った信長。
「じゃ、ファミレスでも行くか」
「え?うん、いいけど……」
この時間に一体何を食べる気だ、と思ったが一応構ってくれるらしいので黙って応じる。
二人でごく近所のファミレスに徒歩で訪れると、軽い食事をした。と言っても私はこの時間に食べたいものはないので飲み物だけ。
私はジュースをちびちび飲みながら食事を平らげる信長を見守る。彼が食べ終わってもそのまま席を立たずしばらくしゃべっていた。
「……そろそろ出るか」
「あ、うん。そうだね」
信長が外をちらりと見ながら言う。気が付けば空は暗闇よりは軽い色合いになってきていた。まだ午前4時台だが夏の夜明けは早い。
ファミレスを出ると、信長は家とは違う方向に足を進め始めた。
「どっか寄るの?」
「んー?ちょっとなー」
迷いなくどんどん進んでいくので私は黙って着いて行く。20分程歩いただろうか、街中を流れるあまり大きくない川があるところに到着した。川原の土手に腰を下ろすと信長は言った。
「もうちょっとだな。待ってろ」
「うん……」
私も隣に座り込んで何を待っているんだろうと思っていると、辺りが赤く染まり始めた。
「お、来た来た。菜那子、時間限定だからよく見てろよ」
信長が指差した先を見てみると、川の向こうの空に段々と赤みが増していくのがわかった。暗かった街が照らされて姿を現していく。その色はやがてオレンジになって昼間の太陽の色に変わり、朝焼けはよく晴れた空の水色に溶かされて消えていった。
「本当だ……朝焼けってすぐになくなっちゃうんだ……」
「綺麗だっただろ?夏は見れる確率が高いんだぜ。オレは犬の散歩でちょいちょい見てたけど菜那子知らなかったろ」
「うん、知らなかった。信長、見せてくれてありがとう」
「これが今日見れるかは正直半々だったけどな。菜那子に見てもらえてよかった。寝れなかったら深く考えずに遊ぶべし!」
得意気な笑顔を見せる信長を、やっぱり好きだなあと心から思う。
綺麗な空にも見とれてしまったけど、そんな景色に気付いてた信長にも惚れ直した私だった。
恋人の清田信長はこの時間にテレビゲームに夢中になっている。
「ねー、信長。眠れないから構って」
「んあ?ちょっと待て、今いいところ」
「……もー」
ゲームは昔から好きなようだが社会人になってもやはり楽しいらしい。まあ明日も休みだから寝不足になっても問題ないし、そんな無邪気なところも好きなんだけど。
「よっし!終わり!」
しばらくすると満足げにテレビの電源を切った信長。
「じゃ、ファミレスでも行くか」
「え?うん、いいけど……」
この時間に一体何を食べる気だ、と思ったが一応構ってくれるらしいので黙って応じる。
二人でごく近所のファミレスに徒歩で訪れると、軽い食事をした。と言っても私はこの時間に食べたいものはないので飲み物だけ。
私はジュースをちびちび飲みながら食事を平らげる信長を見守る。彼が食べ終わってもそのまま席を立たずしばらくしゃべっていた。
「……そろそろ出るか」
「あ、うん。そうだね」
信長が外をちらりと見ながら言う。気が付けば空は暗闇よりは軽い色合いになってきていた。まだ午前4時台だが夏の夜明けは早い。
ファミレスを出ると、信長は家とは違う方向に足を進め始めた。
「どっか寄るの?」
「んー?ちょっとなー」
迷いなくどんどん進んでいくので私は黙って着いて行く。20分程歩いただろうか、街中を流れるあまり大きくない川があるところに到着した。川原の土手に腰を下ろすと信長は言った。
「もうちょっとだな。待ってろ」
「うん……」
私も隣に座り込んで何を待っているんだろうと思っていると、辺りが赤く染まり始めた。
「お、来た来た。菜那子、時間限定だからよく見てろよ」
信長が指差した先を見てみると、川の向こうの空に段々と赤みが増していくのがわかった。暗かった街が照らされて姿を現していく。その色はやがてオレンジになって昼間の太陽の色に変わり、朝焼けはよく晴れた空の水色に溶かされて消えていった。
「本当だ……朝焼けってすぐになくなっちゃうんだ……」
「綺麗だっただろ?夏は見れる確率が高いんだぜ。オレは犬の散歩でちょいちょい見てたけど菜那子知らなかったろ」
「うん、知らなかった。信長、見せてくれてありがとう」
「これが今日見れるかは正直半々だったけどな。菜那子に見てもらえてよかった。寝れなかったら深く考えずに遊ぶべし!」
得意気な笑顔を見せる信長を、やっぱり好きだなあと心から思う。
綺麗な空にも見とれてしまったけど、そんな景色に気付いてた信長にも惚れ直した私だった。
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