キラー
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『死にたがり』
死にたい。今すぐ死にたい。消えて無くなりたい。塵も残さず消え去りたい。でも痛いのは嫌だ。出来れば楽に死にたい。ふとした瞬間に、体の内側から響くキンキンしたこの叫び声がとても耳障りで。この声を今すぐ黙らせたい。だからかな?凄く死んでしまいたいんだ。ドラムの音のようにドクドクと低く鳴ってるこの音も五月蝿くてさ。…今すぐ止まればいいのに。耳を塞いでも余計に響くし。本当に煩わしくて…そうだな、この目の前に広がる広大な、そして壮観な海にでも飛び込んでやろうか 。
「ナナシ。」
「何ですかキラーさん。」
「そんな所に座るな。落ちたらどうする。」
船の縁、そこに設置されている人一人分の歩幅しかない、木の板の上に私は座っていた。所詮、海賊が処刑に使う飛び込み台だ。
この飛び込み台。物語とかで良く使われているからと、船長が面白半分で作った代物で。まぁ作ったと言っても木の板を打ち付けただけの簡素なモノだが。今のところ処刑にすら使われた事がない、ただの飾りとなってしまったモノだ。だって船長自らの手でサクッと殺しちゃうんだもの。そもそも使うヒマが無いのよね。
「落ちたら助けてくれます?」
「自業自得だから助けない。置いてく。」
「ははっ酷ぇや。」
あ~死にたい。無性に死にたい。…でも、実際は自殺する勇気なんか無くて。いつも私は誰かが殺してくれるのをただただ待ってる。この船に乗る前からずっと。戦場乱戦海賊同士のいさかいにも関係無く、死ねなかったら次の戦場へと渡り歩いて。
そういやぁ昔、海に落とされた事もあったっけ。あれ、スッゴい苦しいんだよね、海中ってさ。海水のせいで目がめっちゃ滲みるし、陸に上がって暫くしても喉鼻の奥全てがヒリヒリするし?…やっぱ溺死は却下だな。やめやめ。あぁもうなんだろう。色々あれこれ考えてたらなんだかモヤモヤしてきた。もー滅茶苦茶叫びたい。言葉を、というワケではないけれども。とにかく何かを叫びたい。
「…。」
ギシギシギシギシギシギシギシギシ!!!!!!
「あぁあああぁあああぁあああああキラーさぁあぁあああああん!!!!!!!?そんなに力入れて板を揺らしたら板が折れますよぉおおおおお!!!!!!!?」
「落ちたそうにしてたからな。手伝ってやる。」
「手伝うっつーなら一発で折って下さいよ!ゆっさゆさゆさゆさしてそんな生殺しみたいなの嫌だ!!」
変な所で叫びたいという願いが叶った。後、死にたいという願いも、もうまもなく叶いそうだ。だが断る。溺死は今しがた却下したばかりだ。どうせ叶うなら即死を希望する。こんな生きるか死ぬかの瀬戸際は御免被る!
キラーの足踏みが止まったタイミングを見計らってナナシは船板の方へと這うようにして移動した。そんなナナシを邪魔する事なく船板の上へと迎え入れてくれたキラーは「ちょっとした冗談だったんだがな。」と冗談に聞こえないトーンで言葉を発する。
「そもそもなんであんな所に居たんだ。」
「あー………なんで私はここにいるのかなぁ?って考え事を少々?」
「なんでってキッドがナナシを気に入ったからだろう?」
”この世に”という意味で発した言葉をキラーは”この場所に”という意味で解釈したらしい。その返答にナナシは苦笑いを溢した。確かに。私の戦いっぷりを見たキッドの頭に気に入られちゃって無理矢理仲間にと連れ拐われたんだっけ。なんか、顔に傷が出来ようが横っ腹に穴が開こうが笑顔で戦いに行く姿が気に入ったんだってさ。…本当はただの死にたがりなんだけどなぁ。この事を知られたら殺してくれるかな?それとも落胆して追い出されるかな?あー…追い出されるのはイヤだなぁ。…ん?何で追い出されるのはイヤなんだろ。別にどこに居たって変わらないだろうに。
「…なぁナナシ。」
「今度は何ですか?」
「そんなに死にたいならおれが殺してやろうか。」
キラーさんの思ってもみない言葉にキョトンとしてしまった。あれ。キラーさんは私のこの思いに気付いていたのだろうか。突然の申し出に様々な考えが脳内を駆け巡る。言葉を発するよりも早く沸き上がってきた感覚は口角の上昇。他のクルー曰く、”不適な笑み”だそうだ。何者にも殺られぬ、”強者の笑み”と。そんなつもりは更々無いのだが。この笑みを見たキラーさんは挑発ととったのか武器を構える。それを見た私も腰に提げていた愛刀を抜く。
「もし殺れるのならば、お相手願いできますか?」
あぁ今日こそ。私の願いが叶うかもしれないなぁ。
(知ってるか、ナナシ。お前の”死にたい”は”生きたい”の裏返しなんだ。)
end
死にたい。今すぐ死にたい。消えて無くなりたい。塵も残さず消え去りたい。でも痛いのは嫌だ。出来れば楽に死にたい。ふとした瞬間に、体の内側から響くキンキンしたこの叫び声がとても耳障りで。この声を今すぐ黙らせたい。だからかな?凄く死んでしまいたいんだ。ドラムの音のようにドクドクと低く鳴ってるこの音も五月蝿くてさ。…今すぐ止まればいいのに。耳を塞いでも余計に響くし。本当に煩わしくて…そうだな、この目の前に広がる広大な、そして壮観な海にでも飛び込んでやろうか 。
「ナナシ。」
「何ですかキラーさん。」
「そんな所に座るな。落ちたらどうする。」
船の縁、そこに設置されている人一人分の歩幅しかない、木の板の上に私は座っていた。所詮、海賊が処刑に使う飛び込み台だ。
この飛び込み台。物語とかで良く使われているからと、船長が面白半分で作った代物で。まぁ作ったと言っても木の板を打ち付けただけの簡素なモノだが。今のところ処刑にすら使われた事がない、ただの飾りとなってしまったモノだ。だって船長自らの手でサクッと殺しちゃうんだもの。そもそも使うヒマが無いのよね。
「落ちたら助けてくれます?」
「自業自得だから助けない。置いてく。」
「ははっ酷ぇや。」
あ~死にたい。無性に死にたい。…でも、実際は自殺する勇気なんか無くて。いつも私は誰かが殺してくれるのをただただ待ってる。この船に乗る前からずっと。戦場乱戦海賊同士のいさかいにも関係無く、死ねなかったら次の戦場へと渡り歩いて。
そういやぁ昔、海に落とされた事もあったっけ。あれ、スッゴい苦しいんだよね、海中ってさ。海水のせいで目がめっちゃ滲みるし、陸に上がって暫くしても喉鼻の奥全てがヒリヒリするし?…やっぱ溺死は却下だな。やめやめ。あぁもうなんだろう。色々あれこれ考えてたらなんだかモヤモヤしてきた。もー滅茶苦茶叫びたい。言葉を、というワケではないけれども。とにかく何かを叫びたい。
「…。」
ギシギシギシギシギシギシギシギシ!!!!!!
「あぁあああぁあああぁあああああキラーさぁあぁあああああん!!!!!!!?そんなに力入れて板を揺らしたら板が折れますよぉおおおおお!!!!!!!?」
「落ちたそうにしてたからな。手伝ってやる。」
「手伝うっつーなら一発で折って下さいよ!ゆっさゆさゆさゆさしてそんな生殺しみたいなの嫌だ!!」
変な所で叫びたいという願いが叶った。後、死にたいという願いも、もうまもなく叶いそうだ。だが断る。溺死は今しがた却下したばかりだ。どうせ叶うなら即死を希望する。こんな生きるか死ぬかの瀬戸際は御免被る!
キラーの足踏みが止まったタイミングを見計らってナナシは船板の方へと這うようにして移動した。そんなナナシを邪魔する事なく船板の上へと迎え入れてくれたキラーは「ちょっとした冗談だったんだがな。」と冗談に聞こえないトーンで言葉を発する。
「そもそもなんであんな所に居たんだ。」
「あー………なんで私はここにいるのかなぁ?って考え事を少々?」
「なんでってキッドがナナシを気に入ったからだろう?」
”この世に”という意味で発した言葉をキラーは”この場所に”という意味で解釈したらしい。その返答にナナシは苦笑いを溢した。確かに。私の戦いっぷりを見たキッドの頭に気に入られちゃって無理矢理仲間にと連れ拐われたんだっけ。なんか、顔に傷が出来ようが横っ腹に穴が開こうが笑顔で戦いに行く姿が気に入ったんだってさ。…本当はただの死にたがりなんだけどなぁ。この事を知られたら殺してくれるかな?それとも落胆して追い出されるかな?あー…追い出されるのはイヤだなぁ。…ん?何で追い出されるのはイヤなんだろ。別にどこに居たって変わらないだろうに。
「…なぁナナシ。」
「今度は何ですか?」
「そんなに死にたいならおれが殺してやろうか。」
キラーさんの思ってもみない言葉にキョトンとしてしまった。あれ。キラーさんは私のこの思いに気付いていたのだろうか。突然の申し出に様々な考えが脳内を駆け巡る。言葉を発するよりも早く沸き上がってきた感覚は口角の上昇。他のクルー曰く、”不適な笑み”だそうだ。何者にも殺られぬ、”強者の笑み”と。そんなつもりは更々無いのだが。この笑みを見たキラーさんは挑発ととったのか武器を構える。それを見た私も腰に提げていた愛刀を抜く。
「もし殺れるのならば、お相手願いできますか?」
あぁ今日こそ。私の願いが叶うかもしれないなぁ。
(知ってるか、ナナシ。お前の”死にたい”は”生きたい”の裏返しなんだ。)
end
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