キッド
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『アプリ』
『好きな奴を恋人にしやがれ!!』というだいぶ強気なキャッチコピーのアプリ。名称『疑似恋ーgijikoiー』というスマホアプリがある。男でも女でも自分好みに育成する事ができる育成恋愛ソーシャルゲームだ。
疑似恋はフェイス、髪型、服装、等々…あらゆる物を自分好みにできるのはもちろんの事、性格も自分好みに変えていくことができるという一世代を築き上げた超人気アプリ。
かくいう私もそのアプリにどっぷりはまり…自分の趣味をおもっくそ詰め込みまくったアバターを作った一人である。基本的な要素は無料の優良アプリだがやっぱり課金しないと足りない部分も出てくるワケでして。…はい!給料注ぎ込みました!後悔はしていない!だってちょー好みのアバターに仕上げる事ができたもの!
黄色と黒のバブルドット模様のズボンに青いサッシベルト。上着はあえて無しで赤黒いファーのコートを羽織らせた。そこから覗く上半身は筋肉隆々。そう!この筋肉を魅せるために上着が無いと言っても過言じない。真っ赤に逆立った髪の毛とお揃いの真っ赤な瞳に鋭い目付き。眉毛は剃った!その方がより目付きを際立たせるから。口にも赤い紅を少々。その方が肌の白さを強調させるから!
趣味が悪い?そんな事ないし。性格は質実剛健よ!素晴らしいじゃない。完璧じゃない!!
随分前に流行ったアプリだからか、私の周りには今はもうやっている人は数少ない。私は始めてから今日までずーっと愛情注いでいるけどね。毎日ログインしておはようおやすみの挨拶して、たまに買い物デート(課金)したりしている。最近はアップデートが少なくて悲しい。新機能追加求む。ちくしょう私が開発部だったらめっちゃ拡張するのに!自分の頭の無さが憎い。まぁ悔やんでいても仕方ない。今日もお仕事頑張ったしキッド(私の作ったアバターの名前だよ!)に誉めてもらおう労ってもらおう。
自室のベッドにスマホ片手で飛び込み、アプリを起動した。
「ただいま~キッド!」
『お前、服の趣味悪ィのな。』
「酷い!アバター本人にまで言われたぁ!!…って待て待て何これ新機能?アップデート?」
そう思って設定アイコンを指でタップしてみても画面が変わらない。ん?感度悪くない?スマホの故障?
『勝手に変えようとすんじゃねーよ。』
「なんでこっちの動きバレとるん!?バグ!?」
『まぁそれに近いかもな。』
「なんか会話も出来てるしぃ!? 」
思わず携帯を枕の上に放り投げた。アプリ起動中、常に画面に表示されている、画面下の会話バーに再び自動的に文字が打たれていく。『話を聞けこのボケが。』?ちょっと何コレってか私のキッドが口悪くなってる!!質実剛健何処行った!?いやまぁ私の勝手な設定だったんだけどさ?見た目はだいぶファンキーだけど中身はちゃんと頭のきれるリーダータイプで声優さんは○○の…ってオタク全力展開して現実逃避してる場合じゃない。新しくAI機能でも搭載したのか?ヘイ!○~みたいなあれ?そんな告知聞いてないよ!?
『おれはお前のアバターじゃない。姿はアバターのを借りて会話しているが中身は違ェ。おれは人間だ。』
恐る恐るスマホを拾い上げた。会話バーに次々と表示される文章を読み…その話をまとめると、どうやら本体は別にちゃんとある、れっきとした人間らしい。大規模多人数同時参加型オンラインRPGに使用する、ヘッドマウントディスプレイのテストプレイをした所、重大なエラーが生じ本体とのリンクが切れてバーチャルからリアルに戻れなくなったとかかんとかふもふも。
「言ってる意味が全っっ然わかんない。」
『馬鹿なのか?』
「失礼!!」
『たまたま滑りこんだ電子空間がこのアプリで、尚且つ継続的に動きがあったのがこのアバターだったから。ちょいと乗っ取らせてもらった。』
「マジでバグだ!!やり方がウイルスそのものじゃないか!」
なんという事だ。私の愛しいキッドがどこの誰かもわからない口の悪い男に変わってしまった…。なんだろう…出張して帰ってきたら別の男に妻を寝とられた夫ってやつ?落胆していれば再び画面の会話バーに再び文字が打たれる。
『今すぐネットワーク環境が整ってるパソコンに繋げろ。その為にログイン履歴の多いこの端末を選んだんだ。』
「さいですか。繋いでどうするの?」
『本体に繋がっているホストにネット経由でこっちから再アクセスする。切れたとはいえまだ通路は残っているから繋ぎ直………要はスマホよりも能力が高ぇパソコンに繋げればおれはここから出ていくって事だ。』
「わかりやすく言い直してくれてありがとう。」
それならば私の家にあるパソコンでなんとかなるだろう。最近買い換えたばっかだし。急いで繋ぐ為のコード型USBを探す。しかしチラチラと画面を見てしまいその度に心臓の心拍数を早めてしまう。だってキッドが自分の意思で動いてるんだよ?画面の恋人が現実に出てきたみたいじゃん?スゴくない?夢みた推しとのリアル生活『あ?何チラチラ見てやがるさっさと準備しろや。』…口は悪くなってるけどね。うう…!私の推し!
先程よりも急ぎめにコードを探す。やっとの事でコードを見つけた頃にはキッドは画面内のベッドの上で寛いでいた。ふわぁ初めて見るスチル。スクショしたぁい…。
『遅ェ。』
「誠に申し訳ない。」
『…お前、このアプリリリース当初からやってんのな。このブレスレット初回限定プレゼントだろ。こっちの指輪は一周年記念、あの飾ってる額縁は最近出した十周年記念のだしよォ。』
「凄い!よくわかったね。最近このアプリやってる人少ないのに…ってそっか。同じ業種の人なんだもんね。」
『まぁな。…うわ、各イベントクリア特典まで全部揃ってやがる。さてはマニアか。』
「でっへへ~それだけ愛が大きいんです。」
『課金廃人。』
「無(理の無いお給料の範囲内の)課金勢ですぅー。あ、パソコンに繋いだよ。って事はもうお別れ?」
ちょっと寂しいな。短い間だったけども、とても残念である。
『早く元の身体に戻りてェ。絶対小言言われるし、仕事も納期も山積みだろうしな…。』
「うわぁ社畜だぁ。」
『社畜言うなよ。今月末のイベントに仕上げねェとコレ貰えねーんだ。』
「キッドの姿で”お金”サインしないで!ウチの推しはそんな事しないの!ってか今月末ってもしかしてダンバイソーシャルゲーム博覧会?」
『なんだ知ってんのか。』
「そりゃあ有名なゲームの祭典ですし。」
雑談をしていると画面の左端にパソコンにUSBが繋がってスマホと同期した証のアイコンが表示される。画面の中のキッドが立ち上がって何やら空中に手をかざして上下左右に動かしているが私からは何をしているかわからない。きっと何か重要な事をしているんだろう。
動作アクションコマンドの新しいバージョンみたいだな。そのまま決めポーズとかしてくれないかな。投げキッス…はキャラじゃないか。いや、でも見てみたい欲はある。
『なんか変なこと考えてねーか?』
「んん!?いやいや、何も何も!」
めっちゃジト目で睨んでくる。いやん最高。新しい扉開きそう。
『…よし、短い間だったが世話になったな。お礼に良い情報やるよ。』
「え、何何?」
『さっき話したイベントあるだろ。あれのシークレットイベントとして、参加者にだけ限定で疑似恋の特別記念品アクセサリーが配られるって噂が。』
「マジかぁあああああああああ!!絶対行く!!有休使ってでも何がなんでも行きます!!情報ありがとぉおおおおおおう!!!!」
『飛んで拝んで土下座する奴初めて見た。正直に言ってキメェ…。』
「その姿でドン引きしないで!シンプルに傷つくよ!?」
こうして急に私の推しを乗っ取った彼は画面の中から去っていった。そして今月末。宣言通り休みを獲得した私は無事、イベントに参加。握りしめるスマホの中には、今日の特別記念品アクセサリーの指輪を身につけたキッドが佇んでいる。このキッドはもう喋りかけてくる事は無いし、勝手に動く事も無いが…私は満足している。だって貴重アイテム入手できたんだもの!
「やった!指輪ゲット~!」
「それにしてもこの配布、公式発表が昨日でしょ?このイベント逃した人少ないんじゃないかなぁ?」
「ね!めっちゃ貴重だよ~!」
同志よ!そなたも疑似恋プレイヤーか!だよねだよね!貴重だよねー!ナナシは声には出さずともルンルン気分は隠しきれない。
ほんとこのイベント開催してくれた擬似恋のスタッフの皆々様マジ神様!!ぐっじょぶ!!いやあ初めてこういうイベント来たけどもっと早くから参加してみれば良かった~何これちょー楽しい!
スキップで会場中を見学する。来たついでに色々見て回ろう!新作のゲーム機器からアプリ紹介まで色々あるし!あれ、中央のステージが何だかざわついてる。…各企業の未発表最新商品説明会!?何それ面白そーちょっと覗いてみよう!
会場内の照明が落ち、中央のステージだけが暗闇に浮かび上がる。どこかで必ず耳にするような有名な会社が順番に紹介され、それと同時に商品の簡単な説明とデモプレイが行われた。続いて、今開発途中だという最新ゲーム機器の説明の為、先程とは反対側の壇上にスポットライトが集中する。そこに浮かび上がったのは硬い表情の一人の男性。
着なれてなさそうな紺のスーツを着て、何だか居心地が悪そう。ワックスで無理矢理整えられたのか、それでも毛先は重力に抗う上向きの尖った髪、眉間にシワを寄せてすこぶる険しい目付きだ。だがどこかで見た事がある気がする。眉毛もあるし口紅もしてないあの人と、スマホ画面に映りこむ彼と見比べた。…うん。おかしいな。とうとう現実画面までバグったかな?
…ものスッゴいそっくりな人がいるわ。
(…あ!?キラー!!ちょっと代われ!これ原稿な!!)
(おいキッド!!ふざけんな!待て!!)
((あれ、何か壇上の人がこっち来てない!?え、怖怖怖っっ!!))
『好きな奴を恋人にしやがれ!!』というだいぶ強気なキャッチコピーのアプリ。名称『疑似恋ーgijikoiー』というスマホアプリがある。男でも女でも自分好みに育成する事ができる育成恋愛ソーシャルゲームだ。
疑似恋はフェイス、髪型、服装、等々…あらゆる物を自分好みにできるのはもちろんの事、性格も自分好みに変えていくことができるという一世代を築き上げた超人気アプリ。
かくいう私もそのアプリにどっぷりはまり…自分の趣味をおもっくそ詰め込みまくったアバターを作った一人である。基本的な要素は無料の優良アプリだがやっぱり課金しないと足りない部分も出てくるワケでして。…はい!給料注ぎ込みました!後悔はしていない!だってちょー好みのアバターに仕上げる事ができたもの!
黄色と黒のバブルドット模様のズボンに青いサッシベルト。上着はあえて無しで赤黒いファーのコートを羽織らせた。そこから覗く上半身は筋肉隆々。そう!この筋肉を魅せるために上着が無いと言っても過言じない。真っ赤に逆立った髪の毛とお揃いの真っ赤な瞳に鋭い目付き。眉毛は剃った!その方がより目付きを際立たせるから。口にも赤い紅を少々。その方が肌の白さを強調させるから!
趣味が悪い?そんな事ないし。性格は質実剛健よ!素晴らしいじゃない。完璧じゃない!!
随分前に流行ったアプリだからか、私の周りには今はもうやっている人は数少ない。私は始めてから今日までずーっと愛情注いでいるけどね。毎日ログインしておはようおやすみの挨拶して、たまに買い物デート(課金)したりしている。最近はアップデートが少なくて悲しい。新機能追加求む。ちくしょう私が開発部だったらめっちゃ拡張するのに!自分の頭の無さが憎い。まぁ悔やんでいても仕方ない。今日もお仕事頑張ったしキッド(私の作ったアバターの名前だよ!)に誉めてもらおう労ってもらおう。
自室のベッドにスマホ片手で飛び込み、アプリを起動した。
「ただいま~キッド!」
『お前、服の趣味悪ィのな。』
「酷い!アバター本人にまで言われたぁ!!…って待て待て何これ新機能?アップデート?」
そう思って設定アイコンを指でタップしてみても画面が変わらない。ん?感度悪くない?スマホの故障?
『勝手に変えようとすんじゃねーよ。』
「なんでこっちの動きバレとるん!?バグ!?」
『まぁそれに近いかもな。』
「なんか会話も出来てるしぃ!? 」
思わず携帯を枕の上に放り投げた。アプリ起動中、常に画面に表示されている、画面下の会話バーに再び自動的に文字が打たれていく。『話を聞けこのボケが。』?ちょっと何コレってか私のキッドが口悪くなってる!!質実剛健何処行った!?いやまぁ私の勝手な設定だったんだけどさ?見た目はだいぶファンキーだけど中身はちゃんと頭のきれるリーダータイプで声優さんは○○の…ってオタク全力展開して現実逃避してる場合じゃない。新しくAI機能でも搭載したのか?ヘイ!○~みたいなあれ?そんな告知聞いてないよ!?
『おれはお前のアバターじゃない。姿はアバターのを借りて会話しているが中身は違ェ。おれは人間だ。』
恐る恐るスマホを拾い上げた。会話バーに次々と表示される文章を読み…その話をまとめると、どうやら本体は別にちゃんとある、れっきとした人間らしい。大規模多人数同時参加型オンラインRPGに使用する、ヘッドマウントディスプレイのテストプレイをした所、重大なエラーが生じ本体とのリンクが切れてバーチャルからリアルに戻れなくなったとかかんとかふもふも。
「言ってる意味が全っっ然わかんない。」
『馬鹿なのか?』
「失礼!!」
『たまたま滑りこんだ電子空間がこのアプリで、尚且つ継続的に動きがあったのがこのアバターだったから。ちょいと乗っ取らせてもらった。』
「マジでバグだ!!やり方がウイルスそのものじゃないか!」
なんという事だ。私の愛しいキッドがどこの誰かもわからない口の悪い男に変わってしまった…。なんだろう…出張して帰ってきたら別の男に妻を寝とられた夫ってやつ?落胆していれば再び画面の会話バーに再び文字が打たれる。
『今すぐネットワーク環境が整ってるパソコンに繋げろ。その為にログイン履歴の多いこの端末を選んだんだ。』
「さいですか。繋いでどうするの?」
『本体に繋がっているホストにネット経由でこっちから再アクセスする。切れたとはいえまだ通路は残っているから繋ぎ直………要はスマホよりも能力が高ぇパソコンに繋げればおれはここから出ていくって事だ。』
「わかりやすく言い直してくれてありがとう。」
それならば私の家にあるパソコンでなんとかなるだろう。最近買い換えたばっかだし。急いで繋ぐ為のコード型USBを探す。しかしチラチラと画面を見てしまいその度に心臓の心拍数を早めてしまう。だってキッドが自分の意思で動いてるんだよ?画面の恋人が現実に出てきたみたいじゃん?スゴくない?夢みた推しとのリアル生活『あ?何チラチラ見てやがるさっさと準備しろや。』…口は悪くなってるけどね。うう…!私の推し!
先程よりも急ぎめにコードを探す。やっとの事でコードを見つけた頃にはキッドは画面内のベッドの上で寛いでいた。ふわぁ初めて見るスチル。スクショしたぁい…。
『遅ェ。』
「誠に申し訳ない。」
『…お前、このアプリリリース当初からやってんのな。このブレスレット初回限定プレゼントだろ。こっちの指輪は一周年記念、あの飾ってる額縁は最近出した十周年記念のだしよォ。』
「凄い!よくわかったね。最近このアプリやってる人少ないのに…ってそっか。同じ業種の人なんだもんね。」
『まぁな。…うわ、各イベントクリア特典まで全部揃ってやがる。さてはマニアか。』
「でっへへ~それだけ愛が大きいんです。」
『課金廃人。』
「無(理の無いお給料の範囲内の)課金勢ですぅー。あ、パソコンに繋いだよ。って事はもうお別れ?」
ちょっと寂しいな。短い間だったけども、とても残念である。
『早く元の身体に戻りてェ。絶対小言言われるし、仕事も納期も山積みだろうしな…。』
「うわぁ社畜だぁ。」
『社畜言うなよ。今月末のイベントに仕上げねェとコレ貰えねーんだ。』
「キッドの姿で”お金”サインしないで!ウチの推しはそんな事しないの!ってか今月末ってもしかしてダンバイソーシャルゲーム博覧会?」
『なんだ知ってんのか。』
「そりゃあ有名なゲームの祭典ですし。」
雑談をしていると画面の左端にパソコンにUSBが繋がってスマホと同期した証のアイコンが表示される。画面の中のキッドが立ち上がって何やら空中に手をかざして上下左右に動かしているが私からは何をしているかわからない。きっと何か重要な事をしているんだろう。
動作アクションコマンドの新しいバージョンみたいだな。そのまま決めポーズとかしてくれないかな。投げキッス…はキャラじゃないか。いや、でも見てみたい欲はある。
『なんか変なこと考えてねーか?』
「んん!?いやいや、何も何も!」
めっちゃジト目で睨んでくる。いやん最高。新しい扉開きそう。
『…よし、短い間だったが世話になったな。お礼に良い情報やるよ。』
「え、何何?」
『さっき話したイベントあるだろ。あれのシークレットイベントとして、参加者にだけ限定で疑似恋の特別記念品アクセサリーが配られるって噂が。』
「マジかぁあああああああああ!!絶対行く!!有休使ってでも何がなんでも行きます!!情報ありがとぉおおおおおおう!!!!」
『飛んで拝んで土下座する奴初めて見た。正直に言ってキメェ…。』
「その姿でドン引きしないで!シンプルに傷つくよ!?」
こうして急に私の推しを乗っ取った彼は画面の中から去っていった。そして今月末。宣言通り休みを獲得した私は無事、イベントに参加。握りしめるスマホの中には、今日の特別記念品アクセサリーの指輪を身につけたキッドが佇んでいる。このキッドはもう喋りかけてくる事は無いし、勝手に動く事も無いが…私は満足している。だって貴重アイテム入手できたんだもの!
「やった!指輪ゲット~!」
「それにしてもこの配布、公式発表が昨日でしょ?このイベント逃した人少ないんじゃないかなぁ?」
「ね!めっちゃ貴重だよ~!」
同志よ!そなたも疑似恋プレイヤーか!だよねだよね!貴重だよねー!ナナシは声には出さずともルンルン気分は隠しきれない。
ほんとこのイベント開催してくれた擬似恋のスタッフの皆々様マジ神様!!ぐっじょぶ!!いやあ初めてこういうイベント来たけどもっと早くから参加してみれば良かった~何これちょー楽しい!
スキップで会場中を見学する。来たついでに色々見て回ろう!新作のゲーム機器からアプリ紹介まで色々あるし!あれ、中央のステージが何だかざわついてる。…各企業の未発表最新商品説明会!?何それ面白そーちょっと覗いてみよう!
会場内の照明が落ち、中央のステージだけが暗闇に浮かび上がる。どこかで必ず耳にするような有名な会社が順番に紹介され、それと同時に商品の簡単な説明とデモプレイが行われた。続いて、今開発途中だという最新ゲーム機器の説明の為、先程とは反対側の壇上にスポットライトが集中する。そこに浮かび上がったのは硬い表情の一人の男性。
着なれてなさそうな紺のスーツを着て、何だか居心地が悪そう。ワックスで無理矢理整えられたのか、それでも毛先は重力に抗う上向きの尖った髪、眉間にシワを寄せてすこぶる険しい目付きだ。だがどこかで見た事がある気がする。眉毛もあるし口紅もしてないあの人と、スマホ画面に映りこむ彼と見比べた。…うん。おかしいな。とうとう現実画面までバグったかな?
…ものスッゴいそっくりな人がいるわ。
(…あ!?キラー!!ちょっと代われ!これ原稿な!!)
(おいキッド!!ふざけんな!待て!!)
((あれ、何か壇上の人がこっち来てない!?え、怖怖怖っっ!!))
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