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「きゃあああ！」

離れたところから聞こえる女性の悲鳴。私はマシュとの顔を見合わせると、急いで声の元へ駆けつけた。

「ウウウ………」

侍のような虚ろな人型が、女性に襲いかかろうとしているところだった。

「いきます、やぁっ」

人型のソレを見るなり、マシュは素早く攻撃を繰り広げる。
一撃を受け、消滅を見送ったところで、襲われていた女性に声をかける。

「お姉さん、お怪我はありませんか」

「お嬢ちゃんたち、すごいね、びっくりして、腰が抜けちまったよ」

手を貸して立ち上がると、女性はニッと笑って自己紹介をはじめた。
名前はおゆき。この近くで宿屋を営んでいるようだった。助けたお礼にと、お部屋を貸してくれることになり、しばらくはこちらを拠点にさせて頂くことになった。

宿に着くなりおゆきさんは、料理と一緒に着物をふたつ、用意してくれた。どうやらお嫁に出た娘さんの着ていた着物のようだ。洋服は目立つから、と貸してくれたのだった。
ありがたくお借りし、マシュとともに眠りについた。


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