いただいた二次創作小説
俺……持木帆紫は最近、妹に避けられている……。
妹と言っても義理の妹だ。
避けられている原因は……まぁ……俺なわけだが、明確な理由はわからない。
聞こうにも目も合わせてくれないんだ。
事の発端は学園で起きた、とある事件の後。
俺はその事件で義妹である持木心音を人質に取られ、結果的に裏切った。
その事を正直に話したら受け入れてもらえた……まではよかったんだ。
俺は……なんであの時あんな事を言ってしまったのか自分でもわからない。
──あの時の出来事。
『大好きだ。これまでも、これからも』
そう伝えて抱きしめていた心音から離れて、顔を見ると真っ赤になってた。
俺は変な事言ったのだろうか。
「顔……真っ赤だぞ……」
「そ、そんなの、あんたが……ぃ、いきなり、変な事言うから!」
やっぱり俺は変な事言ったのか。
「だって、家族だし? 大好きは当然だろ」
「…………は? ……家族?」
「そ、家族」
今までもこれからも家族だし大好きは当然だ。
大好きの気持ちは変わらない。
心音も同じ気持ちだとそう思っていた。
俺の言葉を聞いた心音の顔は真っ赤だったはずなのに、血色のいい肌色に戻り少し寂しそうにしていた。
「……そっか、家族……ね。妹って事だよね……」
「……? おぅ……」
家族の妹にその他があるのか?
妹……あ、血は繋がってないから義妹か! なるほど! 義妹って言いたかったのか!
俺が一人で考え、納得をしていると、いつの間にか心音はその場にいなかった。
あれから二日……冒頭に戻る訳で……心音に避けられている。
今までは一緒に帰っていたのに、この二日間心音は先に帰っていて、疑問に思いながら俺は一人で帰っていた。
俺……なんかしたか?
伊勢美とは普通に楽しそうに話してる。
だが、俺が近づくと今まで笑っていた顔から笑顔が消える。
頭を使ったり考えるのは苦手だ。
それなのに俺の頭の中は心音の事を考える。
どうしたらまた目を合わせてくれるのだろうか。
どうしたらまた声を掛けてくれるのだろうか。
どうしたらまた笑ってくれるのだろうか。
どうしたらまた……名前を呼んでくれるのだろうか。
そんな事ばかりが頭を埋め尽くす。
今も……先に帰ってしまっているのではと、わかっていても、心音がいるであろう教室に迎えに行く。
一緒に帰りたいから……。
案の定、教室には心音はいなかった。
その代わりに伊勢美がいたので心音の事を聞いてみた。
伊勢美は淡々とした口調で男子に呼び出されて数学準備室に言ったと教えてくれた。
呼び出し? 男子? しかも数学準備室ってたしかこの時間は空いてる。
…………告白か!
俺は理解するのがいつも遅い。
今も……理解した時には勝手に体が動いて……急いで数学準備室に向かった。
俺が数学準備室についた時に中から男子が出てきた。
俺はそいつに掴みかかり心音の事を聞いた。
『忘れたくても忘れられない人がいる』そう言われて振られた……と、そいつは寂しそうに笑って心音は中にまだいると言い残して去って行った。
俺はそっと準備室の扉を開けて中に入った。
そこには当然だが、心音が一人いた。
「心音……」
俺は名前を呼んでみたが、心音は窓に体を向けていてこっちを見ようとしない。
最近避けられていた。
今も名前を呼んでも返事がない。
しびれを切らした俺は心音の肩を掴み俺の方に体を向けさせた。
「……なんで……泣いてんだ……」
「……あんたに……関係……ないでしょ」
「関係は……ある……。泣いてる理由……知りてぇ……。俺を避ける理由も……。さっきあいつが言っていた『忘れたくても忘れらない人がいる』っていうのも」
「…………」
俺は……ただ理由が聞きたかった。
だけど、心音は黙ったまま俯いた。
顔をあげて欲しくて、名前を呼んでみた。
俯いていた心音からポツリポツリと言葉がこぼれた。
「ほっといて……。ただの妹って……思っているのなら……。中途半端に優しくしないで……期待……してしまうじゃない……。期待……してしまったじゃない……。私だけがこんなに想って……バカみたい……。届かないなら!! ……叶わないなら!! 忘れる努力……しないといけないじゃない!! なんで離れようとしてるのに近づいてくるの!!!! バカ!!!! 帆紫なんてだぃっ……?!」
それ以上は言わせねぇ。
顔を上げ、泣きながら悲痛な叫びにも聞こえる言葉を放つ心音を、抱きしめながら口をふさいだ。
見たいのはそんな苦しそうな顔じゃねぇ。
泣き止んで欲しくて、俺は深く、深く口づけた。
俺は……バカだ。
それは何度も心音に言われてる。
だけど、今はっきりわかった。
正直今まで、心音の苦しそうな……今にも心がはち切れそうな姿を前にするまで気付かなかった。
唇を離し、心音を見ると息を少し切らしていて、顔を真っ赤にし涙を溜めた目で見上げてきた。
不覚にも色っぽいと思っちまった。
「……あんた……バカじゃないの……妹にこんな……」
「……たしかに俺はバカだ……今の今まで妹と思ってた……。けど、妹と思ってるやつにキスするほどバカじゃねぇ」
「…………うそ……信じられない……」
「……すぐに信じてもらえなくてもいい……なんなら、力を使ってもらっても構わない……けど……力を使う必要ないくらい、声に出して何度でも伝えてやる……大好きだ」
気付いてしまった……もう戻れない……もう戻らない……だからこそ伝える。
今度こそ、恋愛感情での『大好き』を何度でも。
心音も……今の俺と同じ気持ちなんだろう?
その耳まで赤くなった顔に気持ち……全部書かれてる。
俺ってバカだな……こんなに可愛い姿が見れるならもっと早くに気付いてやればよかった。
今度はその口からちゃんと聞かせてくれよな、心音からの『大好き』を。
妹と言っても義理の妹だ。
避けられている原因は……まぁ……俺なわけだが、明確な理由はわからない。
聞こうにも目も合わせてくれないんだ。
事の発端は学園で起きた、とある事件の後。
俺はその事件で義妹である持木心音を人質に取られ、結果的に裏切った。
その事を正直に話したら受け入れてもらえた……まではよかったんだ。
俺は……なんであの時あんな事を言ってしまったのか自分でもわからない。
──あの時の出来事。
『大好きだ。これまでも、これからも』
そう伝えて抱きしめていた心音から離れて、顔を見ると真っ赤になってた。
俺は変な事言ったのだろうか。
「顔……真っ赤だぞ……」
「そ、そんなの、あんたが……ぃ、いきなり、変な事言うから!」
やっぱり俺は変な事言ったのか。
「だって、家族だし? 大好きは当然だろ」
「…………は? ……家族?」
「そ、家族」
今までもこれからも家族だし大好きは当然だ。
大好きの気持ちは変わらない。
心音も同じ気持ちだとそう思っていた。
俺の言葉を聞いた心音の顔は真っ赤だったはずなのに、血色のいい肌色に戻り少し寂しそうにしていた。
「……そっか、家族……ね。妹って事だよね……」
「……? おぅ……」
家族の妹にその他があるのか?
妹……あ、血は繋がってないから義妹か! なるほど! 義妹って言いたかったのか!
俺が一人で考え、納得をしていると、いつの間にか心音はその場にいなかった。
あれから二日……冒頭に戻る訳で……心音に避けられている。
今までは一緒に帰っていたのに、この二日間心音は先に帰っていて、疑問に思いながら俺は一人で帰っていた。
俺……なんかしたか?
伊勢美とは普通に楽しそうに話してる。
だが、俺が近づくと今まで笑っていた顔から笑顔が消える。
頭を使ったり考えるのは苦手だ。
それなのに俺の頭の中は心音の事を考える。
どうしたらまた目を合わせてくれるのだろうか。
どうしたらまた声を掛けてくれるのだろうか。
どうしたらまた笑ってくれるのだろうか。
どうしたらまた……名前を呼んでくれるのだろうか。
そんな事ばかりが頭を埋め尽くす。
今も……先に帰ってしまっているのではと、わかっていても、心音がいるであろう教室に迎えに行く。
一緒に帰りたいから……。
案の定、教室には心音はいなかった。
その代わりに伊勢美がいたので心音の事を聞いてみた。
伊勢美は淡々とした口調で男子に呼び出されて数学準備室に言ったと教えてくれた。
呼び出し? 男子? しかも数学準備室ってたしかこの時間は空いてる。
…………告白か!
俺は理解するのがいつも遅い。
今も……理解した時には勝手に体が動いて……急いで数学準備室に向かった。
俺が数学準備室についた時に中から男子が出てきた。
俺はそいつに掴みかかり心音の事を聞いた。
『忘れたくても忘れられない人がいる』そう言われて振られた……と、そいつは寂しそうに笑って心音は中にまだいると言い残して去って行った。
俺はそっと準備室の扉を開けて中に入った。
そこには当然だが、心音が一人いた。
「心音……」
俺は名前を呼んでみたが、心音は窓に体を向けていてこっちを見ようとしない。
最近避けられていた。
今も名前を呼んでも返事がない。
しびれを切らした俺は心音の肩を掴み俺の方に体を向けさせた。
「……なんで……泣いてんだ……」
「……あんたに……関係……ないでしょ」
「関係は……ある……。泣いてる理由……知りてぇ……。俺を避ける理由も……。さっきあいつが言っていた『忘れたくても忘れらない人がいる』っていうのも」
「…………」
俺は……ただ理由が聞きたかった。
だけど、心音は黙ったまま俯いた。
顔をあげて欲しくて、名前を呼んでみた。
俯いていた心音からポツリポツリと言葉がこぼれた。
「ほっといて……。ただの妹って……思っているのなら……。中途半端に優しくしないで……期待……してしまうじゃない……。期待……してしまったじゃない……。私だけがこんなに想って……バカみたい……。届かないなら!! ……叶わないなら!! 忘れる努力……しないといけないじゃない!! なんで離れようとしてるのに近づいてくるの!!!! バカ!!!! 帆紫なんてだぃっ……?!」
それ以上は言わせねぇ。
顔を上げ、泣きながら悲痛な叫びにも聞こえる言葉を放つ心音を、抱きしめながら口をふさいだ。
見たいのはそんな苦しそうな顔じゃねぇ。
泣き止んで欲しくて、俺は深く、深く口づけた。
俺は……バカだ。
それは何度も心音に言われてる。
だけど、今はっきりわかった。
正直今まで、心音の苦しそうな……今にも心がはち切れそうな姿を前にするまで気付かなかった。
唇を離し、心音を見ると息を少し切らしていて、顔を真っ赤にし涙を溜めた目で見上げてきた。
不覚にも色っぽいと思っちまった。
「……あんた……バカじゃないの……妹にこんな……」
「……たしかに俺はバカだ……今の今まで妹と思ってた……。けど、妹と思ってるやつにキスするほどバカじゃねぇ」
「…………うそ……信じられない……」
「……すぐに信じてもらえなくてもいい……なんなら、力を使ってもらっても構わない……けど……力を使う必要ないくらい、声に出して何度でも伝えてやる……大好きだ」
気付いてしまった……もう戻れない……もう戻らない……だからこそ伝える。
今度こそ、恋愛感情での『大好き』を何度でも。
心音も……今の俺と同じ気持ちなんだろう?
その耳まで赤くなった顔に気持ち……全部書かれてる。
俺ってバカだな……こんなに可愛い姿が見れるならもっと早くに気付いてやればよかった。
今度はその口からちゃんと聞かせてくれよな、心音からの『大好き』を。
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