新生活と新天地
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煉獄さんが屋敷を出てから、私は悶々としながら食事の後片付けをしていた。
何だろう。
何でこんなにモヤモヤしているのだろう・・・
いきなりやって来て、皆それぞれ言いたい事だけ言って居なくなってしまったから??
ー違うー
煉獄さんが、目も合わせず何も言ってくれなかったから?
ーそれも違う、気がする。
でも、煉獄さんの気持ちが分からなくて不安になったのは事実。
『ーーあぁ、もうっ!!』
私は何故こんなに苛ついているの??
誰も、間違った事も言ってないし間違った行動もしていない。
皆、それぞれの思いがあって、それに正直に行動してるだけ。
・・・ホントは分かっている。
自分に腹が立っているんだ。。。
悲鳴嶼さんや実弥さんの信念に同意する事も出来ず、宇髄さんやしのぶさんの心遣いにも素直に甘える事も出来ない。
以前、お館さまの前で鬼殺隊の力になりたいなんて言っておきながら、何と中途半端な覚悟だったのだろう。
記憶の事だって、真剣に向き合ってこなかった。
ーー俺は一刻も早く記憶を呼び戻しその力を鬼殺に活かしたいと思っているーー
ーーこうしてる間にもいくつもの命が鬼によって消されてんだーー
私は現実から目を逸らしていたんだ。
安全な場所にいて、都合良く皆の事を心配しているなんて・・・よくそんな事言えたなぁ。
自分が恥ずかしい
『・・・・・』
私は一度首を振り、ゆっくりと部屋を出て行く。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
美桜を屋敷に残して来て数刻が経った。
俺は周囲に鬼の気配がないか探りながら町を歩く。
美桜・・・
今頃1人で泣いてやしないだろうか。
俺は声を掛けてやることも出来ず屋敷を後にした事を後悔していた。
自分は決断が早い方だと思う。
問題を後回しにしたことはない。
だが、今回はどうだ。
俺は・・・
鬼殺隊の柱としても、1人の男としても守ってやると言ってやれなかった・・・
ーー杏寿郎さんが似合うと言ってくれたので、これが一番良いものに見えてきましたーー
あの時は、ただただ嬉しい言葉だった。
しかし、今は俺の言った事が美桜の本心を曲げてしまうのではないだろうか・・・
そう思うと言葉が出てこなかった。
だが、去り際に見た美桜の表情でそれは間違いだった事に気付いた。
ー本当に、俺は美桜の事になると正しい判断が出来なくなるらしい・・・
俺は立ち止まり、一度呼吸を整える。
ーー今は自分の仕事に集中せねばーーー
東の空が薄ら明るくなってきた。
これから鬼が活動する事はまずないだろう
踵を返して、美桜の待つ家路へと急いだ。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
半刻程で屋敷に戻ってくる。
いつもならば朝食の準備を始めている頃だ。
厨房に顔を出すがそこに美桜の姿はない・・・
まだ眠っているのだろうか・・・
美桜の部屋の前に立つ。
だが、気配が感じられない。
煉「美桜?開けるぞ?」
部屋を覗くが、やはり空だ。
屋敷中を探し回る。
風呂場、厠、庭先ーーー
だが美桜の姿はどこにも見当たらないどころか気配も感じない
よもや、昨日の事が原因で家を出てしまったのか・・・?
一抹の不安を感じながら、最後にやってきた道場の扉を開く
煉「・・・」
いた。
道場の真ん中で背を向け正座をしている美桜の姿があった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
煉「・・・美桜」
近づいて名前を呼ぶと、静かに顔を上げゆっくりと振り返る。
『あ・・・杏寿郎さん。おかえりなさい』
煉「うむ!美桜はここで何をしていたのだ?」
『ちょっと、考え事を・・・何だか、ここが落ち着くので』
道場と美桜・・・今まで余りにも結びつきがなかったが・・・
煉「そうか!よもや一晩中ここにいたのか?」
『・・はい・・・あっ!朝食の支度、今からしますね!!』
慌てて立ちあがろうとする美桜の肩に手を置き座らせる。
『っ?』
煉「その前に、昨日の話の続きをしよう!」
美桜は目をぱちくりさせている。
煉「美桜、俺は・・・」
『杏寿郎さん!!!』
煉「!?」
喋りかけた俺の口を美桜の両手が塞ぐ。
『・・・先に、私からいいですか??』
煉「・・・ああ!勿論だ!」
快諾すると、美桜は目を閉じて一度深く呼吸をする。
『任務同行の件、お受けしようと思います』
真っ直ぐと俺の目を見てそう告げた。
凛とした佇まいの美桜は普段とは別人に見える。
煉「・・・・・・」
『一晩頭を冷やして考えました。これからは逃げたり甘えたりせず、自分の事にしっかり向き合います』
煉「・・・自分で、そう決めたのだな?」
『はい。・・・鬼と対峙するのは、正直言うと怖いです・・・でも。』
『私の力が本当に鬼殺に効果があるのなら、それは何か意味のある事だと思います』
煉「・・・・!」
『その力で多くの人の命が救えるなら、それは神様が私に課した使命なのかもしれません』
ーーー人よりも多くの才に恵まれた者はその力を世のため人のために使わなければなりませんーーー
ーーー弱き人を助けることは強く生まれた者の責務ですーーー
煉「・・・母上・・・」
『えっ!?』
俺の口から漏れた言葉に驚いた顔をする。
煉「いや・・・生前の母上も今の美桜と同じような事を言っていたので驚いた!」
『・・・そうなのですか?』
煉「ああ!美桜の思いは良く分かった!!ならば俺のやるべき事はただ一つだな!!!」
『?』
煉「美桜を鬼から守り抜くだけだ!!柱としても、1人の男としても生涯守り抜いてみせる!!!」
『えっ!しょ、生涯・・・!!』
俺の言葉に美桜の顔が赤らむ。
いつもの美桜の姿だ。
煉「当たり前だろう!美桜は俺の婚約者なのだからな!!他の誰にも渡さない!!!安心して身を委ねてくれ!!!」
『身をっ・・・!ああ!!ありがとうございます!でも朝っぱらからそんな事を大声で言わないでください・・・』
恥ずかしい・・・と両手で顔を覆う。
その様子にひどく安心する。
煉「何故だ!俺は本当の事を・・」
『も、もうこの話はお終いです!!この件は悲鳴嶼さんに伝えておいてくださいね!!私は朝食の支度をしてきますからっ!!!』
失礼します!
そう言って逃げるように道場を出て行った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌日。
隠の前田さんという人が私を訪ねて来た。
『隊服の支給、ですか・・・?』
前「はい。岩柱様の言いつけで参りました。任務に同行されるのならば同じ服装でなければ却って目立ってしまいますので、私共と同じ物を用意するようにと承っております」
『そういうものなんですね・・・』
と言う事で私の寸法を測って帰って行った。
出来上がり次第持ってきてくれるとの事だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
数日後
今日はしのぶさんと蜜璃ちゃんが会いに来てくれた。
煉獄さんは道場で鍛錬中、女子3人で話に花を咲かせていた。
蜜「美桜ちゃん!煉獄さんと恋人同士になれたのね〜!!私すっごい嬉しいわ♡」
『う、うん・・・色々相談に乗ってくれてありがとう。蜜璃ちゃん』
蜜「いーのよぉ♡これから沢山お話聞いちゃうんだからっ!」
し「お二人の仲は鬼殺隊公認ですからね〜。これから隠す事もないですよ。」
『えっ!皆さん、知ってるんですか・・・』
し「ええ、煉獄さんからだだ漏れですよ〜」
『・・・・・』
私はカァッと赤くなる。
隠れてお付き合いするつもりもなかったけど、あえて言う事じゃないと思ってたから・・・
かなり恥ずかしい。
煉「いい汗をかいた!!楽しそうだな、何の話だ?」
そこに物凄い良いタイミングで煉獄さんが入ってくる。
蜜「ウフフ、美桜ちゃんの・・」
『蜜璃ちゃん!!』
慌てて蜜璃ちゃんの口を塞ぐ
煉「む?」
煉獄さんがきょとんとした顔をする。
ひえっ!可愛っ!!
好き!!!
し「あらあら、相変わらず美桜さんは考えている事がすぐ顔に出ますねぇ」
『っ!!!』
バッと顔を隠す。
この状況、誰か、助けて!!
そう思った時
前「ごめんくださーい」
前田さんが仕上がった隊服を持ってやってきた。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
『・・・・・・』
前田さんから隊服を受け取った私は自分の部屋で早速試着したのだが・・・
前が閉まらない・・・
更にミニスカートで足の露出が凄い事になっている・・・
これ、蜜璃ちゃんと同じ形のやつ・・・?
いや、蜜璃ちゃんよりも胸がない私は相当悲惨な事になっているに違いない。
これ、角度によっては上も下もモロ出し状態にならないかな??
とんだ痴女だよ!!!
え、これ寸法違いますよって言っていいやつ??
誰か別の人のやつと間違えて渡された?
どうしよう・・・
とりあえず一回脱いで返した方がいいかも・・
煉「美桜!着替えたか?」
部屋のすぐ外で煉獄さんの声がする。
えっ、こんなの見られたら死ぬ!!!
『はっはい・・・!でも、あの・・・』
私の返事にそうか!と答えて話を最後まで聞かずにスパーンと障子が開く。
煉獄さん、しのぶさん、蜜璃ちゃん、そして元凶の前田さんが立っている。
前田さんはピッタリですね、と頷いている。
煉獄さんは目を見開いたままの状態で固まっている。
『・・・・・っ』
見られた
私の貧相な身体を
煉獄さんに見られた・・・
煉獄さんに・・・
死ぬる!!!
そう思った時、
しのぶさんが近づいてきて私に自身の羽織を掛けてくれた。
し「美桜さん、一度着替えましょう。その隊服を脱いだら私に渡してくださいね」
優しい笑顔で言ってくれる。
『うぅっ・・・はい・・・』
し「殿方は部屋から出てください」
しのぶさんの一言に煉獄さんはハッと我にかえり
煉「う、うむ!すまなかった!!」
また勢いよく障子を閉めて出て行った。
私は放心状態で、脱いだ隊服をしのぶさんが油をかけて前田さんの前で燃やすのをただただ見ていた・・・
後日、無事に寸法の合った隊服が屋敷に届いた。
風の噂では、前田さんはしのぶさん、悲鳴嶼さん、実弥さんにこってり絞られたとか。
お屋敷に来た時も涙目で煉獄さんから逃げるように帰って行った。
蜜璃ちゃんだけが
蜜「お揃いかと思ったのに〜」
と残念そうにしていたけど・・・
何はともあれ隊服も無事に揃い、早速次の煉獄さんと実弥さんの任務に同行する事が決まった。
何だろう。
何でこんなにモヤモヤしているのだろう・・・
いきなりやって来て、皆それぞれ言いたい事だけ言って居なくなってしまったから??
ー違うー
煉獄さんが、目も合わせず何も言ってくれなかったから?
ーそれも違う、気がする。
でも、煉獄さんの気持ちが分からなくて不安になったのは事実。
『ーーあぁ、もうっ!!』
私は何故こんなに苛ついているの??
誰も、間違った事も言ってないし間違った行動もしていない。
皆、それぞれの思いがあって、それに正直に行動してるだけ。
・・・ホントは分かっている。
自分に腹が立っているんだ。。。
悲鳴嶼さんや実弥さんの信念に同意する事も出来ず、宇髄さんやしのぶさんの心遣いにも素直に甘える事も出来ない。
以前、お館さまの前で鬼殺隊の力になりたいなんて言っておきながら、何と中途半端な覚悟だったのだろう。
記憶の事だって、真剣に向き合ってこなかった。
ーー俺は一刻も早く記憶を呼び戻しその力を鬼殺に活かしたいと思っているーー
ーーこうしてる間にもいくつもの命が鬼によって消されてんだーー
私は現実から目を逸らしていたんだ。
安全な場所にいて、都合良く皆の事を心配しているなんて・・・よくそんな事言えたなぁ。
自分が恥ずかしい
『・・・・・』
私は一度首を振り、ゆっくりと部屋を出て行く。
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美桜を屋敷に残して来て数刻が経った。
俺は周囲に鬼の気配がないか探りながら町を歩く。
美桜・・・
今頃1人で泣いてやしないだろうか。
俺は声を掛けてやることも出来ず屋敷を後にした事を後悔していた。
自分は決断が早い方だと思う。
問題を後回しにしたことはない。
だが、今回はどうだ。
俺は・・・
鬼殺隊の柱としても、1人の男としても守ってやると言ってやれなかった・・・
ーー杏寿郎さんが似合うと言ってくれたので、これが一番良いものに見えてきましたーー
あの時は、ただただ嬉しい言葉だった。
しかし、今は俺の言った事が美桜の本心を曲げてしまうのではないだろうか・・・
そう思うと言葉が出てこなかった。
だが、去り際に見た美桜の表情でそれは間違いだった事に気付いた。
ー本当に、俺は美桜の事になると正しい判断が出来なくなるらしい・・・
俺は立ち止まり、一度呼吸を整える。
ーー今は自分の仕事に集中せねばーーー
東の空が薄ら明るくなってきた。
これから鬼が活動する事はまずないだろう
踵を返して、美桜の待つ家路へと急いだ。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
半刻程で屋敷に戻ってくる。
いつもならば朝食の準備を始めている頃だ。
厨房に顔を出すがそこに美桜の姿はない・・・
まだ眠っているのだろうか・・・
美桜の部屋の前に立つ。
だが、気配が感じられない。
煉「美桜?開けるぞ?」
部屋を覗くが、やはり空だ。
屋敷中を探し回る。
風呂場、厠、庭先ーーー
だが美桜の姿はどこにも見当たらないどころか気配も感じない
よもや、昨日の事が原因で家を出てしまったのか・・・?
一抹の不安を感じながら、最後にやってきた道場の扉を開く
煉「・・・」
いた。
道場の真ん中で背を向け正座をしている美桜の姿があった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
煉「・・・美桜」
近づいて名前を呼ぶと、静かに顔を上げゆっくりと振り返る。
『あ・・・杏寿郎さん。おかえりなさい』
煉「うむ!美桜はここで何をしていたのだ?」
『ちょっと、考え事を・・・何だか、ここが落ち着くので』
道場と美桜・・・今まで余りにも結びつきがなかったが・・・
煉「そうか!よもや一晩中ここにいたのか?」
『・・はい・・・あっ!朝食の支度、今からしますね!!』
慌てて立ちあがろうとする美桜の肩に手を置き座らせる。
『っ?』
煉「その前に、昨日の話の続きをしよう!」
美桜は目をぱちくりさせている。
煉「美桜、俺は・・・」
『杏寿郎さん!!!』
煉「!?」
喋りかけた俺の口を美桜の両手が塞ぐ。
『・・・先に、私からいいですか??』
煉「・・・ああ!勿論だ!」
快諾すると、美桜は目を閉じて一度深く呼吸をする。
『任務同行の件、お受けしようと思います』
真っ直ぐと俺の目を見てそう告げた。
凛とした佇まいの美桜は普段とは別人に見える。
煉「・・・・・・」
『一晩頭を冷やして考えました。これからは逃げたり甘えたりせず、自分の事にしっかり向き合います』
煉「・・・自分で、そう決めたのだな?」
『はい。・・・鬼と対峙するのは、正直言うと怖いです・・・でも。』
『私の力が本当に鬼殺に効果があるのなら、それは何か意味のある事だと思います』
煉「・・・・!」
『その力で多くの人の命が救えるなら、それは神様が私に課した使命なのかもしれません』
ーーー人よりも多くの才に恵まれた者はその力を世のため人のために使わなければなりませんーーー
ーーー弱き人を助けることは強く生まれた者の責務ですーーー
煉「・・・母上・・・」
『えっ!?』
俺の口から漏れた言葉に驚いた顔をする。
煉「いや・・・生前の母上も今の美桜と同じような事を言っていたので驚いた!」
『・・・そうなのですか?』
煉「ああ!美桜の思いは良く分かった!!ならば俺のやるべき事はただ一つだな!!!」
『?』
煉「美桜を鬼から守り抜くだけだ!!柱としても、1人の男としても生涯守り抜いてみせる!!!」
『えっ!しょ、生涯・・・!!』
俺の言葉に美桜の顔が赤らむ。
いつもの美桜の姿だ。
煉「当たり前だろう!美桜は俺の婚約者なのだからな!!他の誰にも渡さない!!!安心して身を委ねてくれ!!!」
『身をっ・・・!ああ!!ありがとうございます!でも朝っぱらからそんな事を大声で言わないでください・・・』
恥ずかしい・・・と両手で顔を覆う。
その様子にひどく安心する。
煉「何故だ!俺は本当の事を・・」
『も、もうこの話はお終いです!!この件は悲鳴嶼さんに伝えておいてくださいね!!私は朝食の支度をしてきますからっ!!!』
失礼します!
そう言って逃げるように道場を出て行った。
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翌日。
隠の前田さんという人が私を訪ねて来た。
『隊服の支給、ですか・・・?』
前「はい。岩柱様の言いつけで参りました。任務に同行されるのならば同じ服装でなければ却って目立ってしまいますので、私共と同じ物を用意するようにと承っております」
『そういうものなんですね・・・』
と言う事で私の寸法を測って帰って行った。
出来上がり次第持ってきてくれるとの事だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
数日後
今日はしのぶさんと蜜璃ちゃんが会いに来てくれた。
煉獄さんは道場で鍛錬中、女子3人で話に花を咲かせていた。
蜜「美桜ちゃん!煉獄さんと恋人同士になれたのね〜!!私すっごい嬉しいわ♡」
『う、うん・・・色々相談に乗ってくれてありがとう。蜜璃ちゃん』
蜜「いーのよぉ♡これから沢山お話聞いちゃうんだからっ!」
し「お二人の仲は鬼殺隊公認ですからね〜。これから隠す事もないですよ。」
『えっ!皆さん、知ってるんですか・・・』
し「ええ、煉獄さんからだだ漏れですよ〜」
『・・・・・』
私はカァッと赤くなる。
隠れてお付き合いするつもりもなかったけど、あえて言う事じゃないと思ってたから・・・
かなり恥ずかしい。
煉「いい汗をかいた!!楽しそうだな、何の話だ?」
そこに物凄い良いタイミングで煉獄さんが入ってくる。
蜜「ウフフ、美桜ちゃんの・・」
『蜜璃ちゃん!!』
慌てて蜜璃ちゃんの口を塞ぐ
煉「む?」
煉獄さんがきょとんとした顔をする。
ひえっ!可愛っ!!
好き!!!
し「あらあら、相変わらず美桜さんは考えている事がすぐ顔に出ますねぇ」
『っ!!!』
バッと顔を隠す。
この状況、誰か、助けて!!
そう思った時
前「ごめんくださーい」
前田さんが仕上がった隊服を持ってやってきた。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
『・・・・・・』
前田さんから隊服を受け取った私は自分の部屋で早速試着したのだが・・・
前が閉まらない・・・
更にミニスカートで足の露出が凄い事になっている・・・
これ、蜜璃ちゃんと同じ形のやつ・・・?
いや、蜜璃ちゃんよりも胸がない私は相当悲惨な事になっているに違いない。
これ、角度によっては上も下もモロ出し状態にならないかな??
とんだ痴女だよ!!!
え、これ寸法違いますよって言っていいやつ??
誰か別の人のやつと間違えて渡された?
どうしよう・・・
とりあえず一回脱いで返した方がいいかも・・
煉「美桜!着替えたか?」
部屋のすぐ外で煉獄さんの声がする。
えっ、こんなの見られたら死ぬ!!!
『はっはい・・・!でも、あの・・・』
私の返事にそうか!と答えて話を最後まで聞かずにスパーンと障子が開く。
煉獄さん、しのぶさん、蜜璃ちゃん、そして元凶の前田さんが立っている。
前田さんはピッタリですね、と頷いている。
煉獄さんは目を見開いたままの状態で固まっている。
『・・・・・っ』
見られた
私の貧相な身体を
煉獄さんに見られた・・・
煉獄さんに・・・
死ぬる!!!
そう思った時、
しのぶさんが近づいてきて私に自身の羽織を掛けてくれた。
し「美桜さん、一度着替えましょう。その隊服を脱いだら私に渡してくださいね」
優しい笑顔で言ってくれる。
『うぅっ・・・はい・・・』
し「殿方は部屋から出てください」
しのぶさんの一言に煉獄さんはハッと我にかえり
煉「う、うむ!すまなかった!!」
また勢いよく障子を閉めて出て行った。
私は放心状態で、脱いだ隊服をしのぶさんが油をかけて前田さんの前で燃やすのをただただ見ていた・・・
後日、無事に寸法の合った隊服が屋敷に届いた。
風の噂では、前田さんはしのぶさん、悲鳴嶼さん、実弥さんにこってり絞られたとか。
お屋敷に来た時も涙目で煉獄さんから逃げるように帰って行った。
蜜璃ちゃんだけが
蜜「お揃いかと思ったのに〜」
と残念そうにしていたけど・・・
何はともあれ隊服も無事に揃い、早速次の煉獄さんと実弥さんの任務に同行する事が決まった。