新生活と小人さん
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槇「必要ない。出て行け」
『嫌です!』
槇「なんだと?」
『私は、おと・・・。もっと、あなたと打ち解けたいのです!それにはお酒の席が良いと聞きました!!だから、今日だけで良いのでお付き合いさせてください!』
よろしくお願いします!
と頭を下げる。
一体何なんだ・・・
男なら殴って黙らせれば終いだが、娘相手となるとそれも出来ん。
いくら罵っても出て行く気配はない・・・
何なんだ、この頑固さは。
槇「・・・好きにしろ」
『!はいっ!!』
娘は顔を明るくして、近寄ってくる。
盃に酒を入れるのを俺がぐいっと呑む。
そしてまた注がれる。
この繰り返しだ。
何とも居心地が悪い。
ふと、料理に目をやる。
槇「・・なんだ、これは」
『あっ、今日は私が作りました。らいすかれーとはんばーぐとサラダです』
槇「・・・」
はんばーぐを一切れ口に運ぶ。
・・・美味いな
槇「お前は、何者なんだ」
食べながら尋ねる。
すると、急に暗い顔をして
『・・分かりません』
と答える。
まだ記憶は戻らないが、今日の様に何かをきっかけに新たな自分に気がつくそうだ。
槇「さっさと記憶を蘇らせて自分の家に帰れ!」
家族だって心配しているだろうに。
ぶっきらぼうに言うと、娘は表情を強張らせる。
・・・
槇「・・まぁ、戻れば!の話だ!」
ゴホンと咳払いをする。
『・・私、まだこのお家にいても良いんですか?』
槇「・・好きにしろ」
『・・・!ありがとうございますっ』
感激したような顔で見てくる。そんな顔をするな。
やりにくい・・・
ふと、娘が酒瓶を覗き込む。
『あの、私もいただいても良いですか?』
槇「・・は?」
お前はどう見ても未成年だろう。
『いえ、何か。飲んだ事あるような気が・・』
槇「やめておけ、調子にのるな!」
少しだけ、と言って手の甲に酒を滴らしひと舐めする。
『っ!!!!』
これは・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
遅い。
父上の部屋に食事を持って行ってから一向に美桜が戻らない。
あれから1刻は経っている。
父上にひどい事を言われて部屋で泣いているのか・・・
心配して美桜の部屋に様子を見に行っていた千寿郎が戻ってくる。
煉「千寿郎、美桜は・・・?」
千寿郎は困った様子で
千「美桜さん、部屋にはいませんでした」
ならば、父上の部屋に?
何故だ。胸騒ぎがする。
女性相手に乱暴をするような父上ではないが、酒が入っているとどうなるか分からんな。
ならば止められるのは俺しかいないだろう。
立ち上がり、父上の部屋へと急ぐ。
千寿郎も心配そうに後をついてくる。
煉「父上、失礼します。美桜は部屋におりますか?」
声をかけ、部屋の扉を開いた。
そこに広がる光景に絶句したーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
乱れた髪
蒸気した頬
少しはだけた着物
の、父上がいたーーーーー
煉「・・・これは」
呆気に取られていると、俺たちに気がついた父上が珍しく戸惑った顔で
槇「杏寿郎!こいつを何とかしろ!!」
と、訴えている。
視線を美桜に向けると
『なんれれすか!ろーひていぢわるひゅるんれすか〜』
とんでもない美桜がいた。
手の甲に滴らした酒をひと舐めしただけでここまで酔ったらしい。そこからは美桜が父上から酒を奪おうと攻防が始まったのだと言う・・・
『しんじゅろしゃんばっかりずるいれす!わらしももっとのみたいろに〜』
槇「なっ名前で呼ぶなと言っただろうが!」
『らって、おとーさんって呼んだら怒るりゃないれすかぁ。らったら、しんじゅろさんって呼ぶしかないれしょ〜』
美桜がここまで酒が弱いとは。
いや、そもそも未成年ではないか。
煉「美桜!酒は体に悪い!!部屋に戻って横になりなさい!」
俺が止めに入るが、
『やら!』
とプイとそっぽを向かれてしまう。
美桜に拒絶された!こんな事は初めてだ!!
ガーンと衝撃を受ける。
『しんじゅろさんって呼ぶの許してくれるまれは寝ません!!ここにいます!!!』
父上と俺は青くなる。
この酔っ払いをどうしろというのだ・・・
槇「・・誰だ、こいつに変な事吹き込んだやつは・・」
『ん?うずいさんれすよ。いっしょにお酒のめばなかよくなれるっていってました』
((宇髄・・・あいつか!!))
『しんじゅろさん、しんじゅろーさん♪』
ついには謎の歌を歌い始める・・・
入口にいる千寿郎は絶句している。
『ねぇ、しんじゅろさんって呼んでいいれすか?いいれすよね?じゃなきゃパパって呼びます』
今度は目が据わっている・・・
謎の脅し文句まで飛び出した。。。
このままでは収拾がつかんな
同じ事を思ったのか、父上が
槇「・・・もういい。好きに呼べ・・」
わかったら部屋からさっさと出て行けという。
その言葉を聞いた美桜はパァッと顔を輝かせて
『わぁーい!ありがとうございます!しんじゅろーさん!!!』
と、父上に抱きついた。
煉槇千「「「!!!!!」」」
これ以上はいかん!
煉「美桜!もういい加減部屋に戻るぞ!父上、失礼しました!!」
槇「・・・」
固まったままの父上をそのままに、美桜を抱き上げ部屋を出る。
千寿郎は食事の後片付けをするといい居間に戻っていった。
俺は美桜の部屋に行き、抱きかかえたまま布団を敷く。
俺の腕の中の美桜は機嫌が良いらしく鼻唄を歌っている。
・・・全く、思いもよらぬ行動をするな・・・
余計に放っておけないではないか・・・
煉「美桜、今日はもう寝なさい」
布団に寝かせ離れようとすると、美桜の腕が首に絡みついてくる。
『・・・』
煉「・・・美桜、年頃の娘が良くないぞ」
心が乱されそうになる所をすんでのところで堪える。
美桜は正気ではないのだ。
間違いがおきてはいけない。
『・・・煉獄さん』
煉「・・・何だ」
『私・・煉獄さんが帰ってこない日が怖いんです』
煉「・・・」
『任務なのも分かってるし、煉獄さんが強いのも分かってます。。。でも怖いんです。このまま会えなくなったらどうしようって・・・』
煉「・・・」
『・・・ごめんなさい。こんな事言ったら困らせるの分かってるのに』
煉「・・・美桜」
『明日になったらもう困らせる事言わないから、今日だけ許してください』
美桜の顔は俺の首元に埋まっているためどんな顔をしているのか見えない・・・
煉「・・・不安にさせてすまない・・・」
美桜の体をギュッと抱きしめる。
暫く、美桜の寝息が聞こえてくるまでそうしていた。
『嫌です!』
槇「なんだと?」
『私は、おと・・・。もっと、あなたと打ち解けたいのです!それにはお酒の席が良いと聞きました!!だから、今日だけで良いのでお付き合いさせてください!』
よろしくお願いします!
と頭を下げる。
一体何なんだ・・・
男なら殴って黙らせれば終いだが、娘相手となるとそれも出来ん。
いくら罵っても出て行く気配はない・・・
何なんだ、この頑固さは。
槇「・・・好きにしろ」
『!はいっ!!』
娘は顔を明るくして、近寄ってくる。
盃に酒を入れるのを俺がぐいっと呑む。
そしてまた注がれる。
この繰り返しだ。
何とも居心地が悪い。
ふと、料理に目をやる。
槇「・・なんだ、これは」
『あっ、今日は私が作りました。らいすかれーとはんばーぐとサラダです』
槇「・・・」
はんばーぐを一切れ口に運ぶ。
・・・美味いな
槇「お前は、何者なんだ」
食べながら尋ねる。
すると、急に暗い顔をして
『・・分かりません』
と答える。
まだ記憶は戻らないが、今日の様に何かをきっかけに新たな自分に気がつくそうだ。
槇「さっさと記憶を蘇らせて自分の家に帰れ!」
家族だって心配しているだろうに。
ぶっきらぼうに言うと、娘は表情を強張らせる。
・・・
槇「・・まぁ、戻れば!の話だ!」
ゴホンと咳払いをする。
『・・私、まだこのお家にいても良いんですか?』
槇「・・好きにしろ」
『・・・!ありがとうございますっ』
感激したような顔で見てくる。そんな顔をするな。
やりにくい・・・
ふと、娘が酒瓶を覗き込む。
『あの、私もいただいても良いですか?』
槇「・・は?」
お前はどう見ても未成年だろう。
『いえ、何か。飲んだ事あるような気が・・』
槇「やめておけ、調子にのるな!」
少しだけ、と言って手の甲に酒を滴らしひと舐めする。
『っ!!!!』
これは・・・
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遅い。
父上の部屋に食事を持って行ってから一向に美桜が戻らない。
あれから1刻は経っている。
父上にひどい事を言われて部屋で泣いているのか・・・
心配して美桜の部屋に様子を見に行っていた千寿郎が戻ってくる。
煉「千寿郎、美桜は・・・?」
千寿郎は困った様子で
千「美桜さん、部屋にはいませんでした」
ならば、父上の部屋に?
何故だ。胸騒ぎがする。
女性相手に乱暴をするような父上ではないが、酒が入っているとどうなるか分からんな。
ならば止められるのは俺しかいないだろう。
立ち上がり、父上の部屋へと急ぐ。
千寿郎も心配そうに後をついてくる。
煉「父上、失礼します。美桜は部屋におりますか?」
声をかけ、部屋の扉を開いた。
そこに広がる光景に絶句したーーーー
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乱れた髪
蒸気した頬
少しはだけた着物
の、父上がいたーーーーー
煉「・・・これは」
呆気に取られていると、俺たちに気がついた父上が珍しく戸惑った顔で
槇「杏寿郎!こいつを何とかしろ!!」
と、訴えている。
視線を美桜に向けると
『なんれれすか!ろーひていぢわるひゅるんれすか〜』
とんでもない美桜がいた。
手の甲に滴らした酒をひと舐めしただけでここまで酔ったらしい。そこからは美桜が父上から酒を奪おうと攻防が始まったのだと言う・・・
『しんじゅろしゃんばっかりずるいれす!わらしももっとのみたいろに〜』
槇「なっ名前で呼ぶなと言っただろうが!」
『らって、おとーさんって呼んだら怒るりゃないれすかぁ。らったら、しんじゅろさんって呼ぶしかないれしょ〜』
美桜がここまで酒が弱いとは。
いや、そもそも未成年ではないか。
煉「美桜!酒は体に悪い!!部屋に戻って横になりなさい!」
俺が止めに入るが、
『やら!』
とプイとそっぽを向かれてしまう。
美桜に拒絶された!こんな事は初めてだ!!
ガーンと衝撃を受ける。
『しんじゅろさんって呼ぶの許してくれるまれは寝ません!!ここにいます!!!』
父上と俺は青くなる。
この酔っ払いをどうしろというのだ・・・
槇「・・誰だ、こいつに変な事吹き込んだやつは・・」
『ん?うずいさんれすよ。いっしょにお酒のめばなかよくなれるっていってました』
((宇髄・・・あいつか!!))
『しんじゅろさん、しんじゅろーさん♪』
ついには謎の歌を歌い始める・・・
入口にいる千寿郎は絶句している。
『ねぇ、しんじゅろさんって呼んでいいれすか?いいれすよね?じゃなきゃパパって呼びます』
今度は目が据わっている・・・
謎の脅し文句まで飛び出した。。。
このままでは収拾がつかんな
同じ事を思ったのか、父上が
槇「・・・もういい。好きに呼べ・・」
わかったら部屋からさっさと出て行けという。
その言葉を聞いた美桜はパァッと顔を輝かせて
『わぁーい!ありがとうございます!しんじゅろーさん!!!』
と、父上に抱きついた。
煉槇千「「「!!!!!」」」
これ以上はいかん!
煉「美桜!もういい加減部屋に戻るぞ!父上、失礼しました!!」
槇「・・・」
固まったままの父上をそのままに、美桜を抱き上げ部屋を出る。
千寿郎は食事の後片付けをするといい居間に戻っていった。
俺は美桜の部屋に行き、抱きかかえたまま布団を敷く。
俺の腕の中の美桜は機嫌が良いらしく鼻唄を歌っている。
・・・全く、思いもよらぬ行動をするな・・・
余計に放っておけないではないか・・・
煉「美桜、今日はもう寝なさい」
布団に寝かせ離れようとすると、美桜の腕が首に絡みついてくる。
『・・・』
煉「・・・美桜、年頃の娘が良くないぞ」
心が乱されそうになる所をすんでのところで堪える。
美桜は正気ではないのだ。
間違いがおきてはいけない。
『・・・煉獄さん』
煉「・・・何だ」
『私・・煉獄さんが帰ってこない日が怖いんです』
煉「・・・」
『任務なのも分かってるし、煉獄さんが強いのも分かってます。。。でも怖いんです。このまま会えなくなったらどうしようって・・・』
煉「・・・」
『・・・ごめんなさい。こんな事言ったら困らせるの分かってるのに』
煉「・・・美桜」
『明日になったらもう困らせる事言わないから、今日だけ許してください』
美桜の顔は俺の首元に埋まっているためどんな顔をしているのか見えない・・・
煉「・・・不安にさせてすまない・・・」
美桜の体をギュッと抱きしめる。
暫く、美桜の寝息が聞こえてくるまでそうしていた。