新生活と小人さん
空欄の場合は「美桜」になります。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『おはよう、千寿郎くん!』
翌朝、厨房に行くとすでに朝食の準備を始めていた美桜さんに声をかけられる。
千「おはようございます。今日はお早いですね」
『うん、ちょっと早く目が覚めちゃって。あ、これ味見して?』
美桜さんは鼻唄まじりにご機嫌だ。
兄上の誤解も解け、昨日は町に2人で買い物に行ってたし、美桜さんが笑顔だとホッとする。
千「うん、美味しいです。美桜さん、僕よりも料理の腕はいいですね。」
『えっそんな褒めすぎだよ!千寿郎くんに敵うわけないじゃない』
美桜さんが笑うと髪に結った赤いリボンが揺れる。
ー兄上の髪紐とお揃いの色だー
煉「2人とも、おはよう!」
兄上が珍しく厨房に入ってくる。
『あっ、煉獄さん。おはようございます。』
美桜さんは少しだけ頬を染める。
兄上をチラリと見ると、目線は美桜さんのリボンにいきとても嬉しそうな表情をしている。
煉「うむ!俺は庭で暫くの間鍛錬をしてくる!」
そう言って庭に向かって行った。
兄上のあんな顔、初めて見た・・・。
つられて僕の顔も赤くなっていくのが分かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今日はしのぶさんの診察があるので、私は蝶屋敷に向かおうとしていた。
『では、いってきます!』
煉「美桜、道は分かるのか?」
『はい、大体の道は覚えてます!煉獄さんと一緒にあんみつを食べたお店がある通りまで行けば分かります』
煉「そうか!あの通りは家の門を出て西に歩けばすぐ行けるから迷う事もなかろうな!」
『はい!ではいってきますね。』
(えっと、地図の上が北だから、西は・・こっちね)
俺と千寿郎が門を出る美桜を見送る。
美桜は門を出て左に曲がって行く。
・・・家の門は南向きだ・・・
煉千「「・・・・」」
煉「千寿郎!俺は美桜を蝶屋敷まで送って行く!家の事は頼んだ!」
千「はい!お気をつけて!!」
慌てて美桜を追いかけ、蝶屋敷まで送り届ける。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
煉「美桜がまさか方向音痴だったとはな!よもやよもやだ!!」
『もう、煉獄さん・・そんな大きな声で言わないでくださいっ!』
煉「ハハハ!すまんすまん!!」
蝶屋敷に到着し、胡蝶の診察室でそんな話をすると美桜が顔を真っ赤にして拗ねてしまった。
そんな表情も可愛いと思う。
胡蝶も笑顔でそんなやり取りを聞いている。
し「フフフ、きっと記憶をなくされる前も地図を読むのが苦手だったのでしょうね」
そう言ってカルテに書き込んでいく。
『えっ、そんな事まで書くんですか??』
し「ええ、何が手がかりになるか分かりませんからね。些細な事でも気がついた事があれば教えてくださいね。」
『・・はい。』
胡蝶の診察を受けている所で、俺の鴉が指令を伝えにきた。
煉「すまない、任務が入った!俺はすぐに向かうが、家まで帰れるか?」
心配して尋ねると、
『今度は大丈夫です!ちゃんと周りを見ながら歩いて来ましたから』
煉「・・そうか、わかった。では胡蝶、後は頼んだ。」
そう言って屋敷を後にする。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
し「煉獄さんに大切にされているのですね」
安心しました。としのぶさんが言う。
『えっ』
し「髪飾り。煉獄さんとお揃いの色ですね」
ニッコリ笑われる。みるみる顔が熱くなる。
『あ、これは・・・』
し「煉獄さんからの贈り物ですか?」
『!!!』
だから宇髄さんといい、しのぶさんといい、どうして色々分かっちゃうの!?
怖いんですけど!!!
し「・・・さて、今日はこれを渡しておきますね。」
そう言って出してきたのは一振りの刀と一丁の銃。
ーーー私があの夜持っていた物ーーー
し「あれから、これを見ても触っても発作は起きなくなりましたし、これは美桜さんの持ち物ですから。近くに置いておけばもしかしたら記憶が戻るかもしれません」
『・・はい。』
刀はそれとわからない様に布で巻いてくれた。
私は蝶屋敷からの帰り道を1人てくてく歩いて行った。
記憶が戻ったら、私は皆とさよならだよね・・
鬼に襲われて記憶喪失になったから、鬼殺隊の人達との繋がりがあるだけで、私はただの一般人だもの。
このまま、記憶が戻らなければ、なんて不謹慎な事を考えてしまう自分が嫌だ。。。
はぁ、とため息をつきながら煉獄さんのお屋敷まで帰って来られた。
一回、ちゃんと道を覚えれば迷わないんだ・・・
新しい自分の発見もどこかちょっと寂しい気持ちになった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それから数週間後、甘露寺さん用に仕立てた羽織が出来上がったと報せを受けて僕と美桜さんは町へ出かけていた。
『ねぇ、千ちゃん。今回の煉獄さんの任務、また遠い所に行ったのかな』
美桜さんは少し前から僕の事を千ちゃんと呼ぶ様になった。
最初は照れ臭かったけど、距離が近くなった様で嬉しく感じている。
千「そこまでではないと聞いていますが・・二週間は経ちますから、もう直に帰ってくると思いますよ」
そっか、と言いながら家路を歩いていると、急に立ち止まる。
千「美桜さん?」
どうしました?と声をかけると
『・・・ねぇ、千ちゃん。この匂い・・・』
匂い?くんくんと嗅ぐと、近くの洋食屋さんからの食べ物の匂いだと気付く。
千「これは、らいすかれーの匂いですよ。僕も数回しか食べたことないですが」
とっても美味しいですよと教えると
『ねぇ、千ちゃん・・・私、これ知ってると思う』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
もうすぐ数週間ぶりの我が家だ。
蝶屋敷で指令を受けてから、更に3件の指令が立て続けにあった為思いのほか家を空けてしまった!
・・・美桜は心配しているだろうか。
その事ばかりが気がかりだった。
煉「ただいま帰った!」
玄関で声をかけると、千寿郎が出迎えにやってきた。
千「あっ、兄上!おかえりなさい!!」
心なしか興奮している様に見えるが何かあったのか?
千「ちょうど良い時にお帰りになりました!」
そう言われて、居間に入ると煉獄家では見た事もない料理が並んでいたーーーー
千「全部、美桜さんが作ったんです!!」
千寿郎は興奮気味に話す。
見ると、らいすかれーにはんばーぐ、生野菜が彩り良く皿に盛られている。
れすとらんみたいでしょ!と千寿郎は大喜びだ。
『あっ、煉獄さん。おかえりなさい。任務ご苦労様でした』
煉「・・これは、どうしたのだ?」
千寿郎の話だと、町の洋食屋から漂う匂いを手がかりに美桜が記憶の中にある料理を作ったのだそうだ。
『お口に合うと良いのですが』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
煉「うむ!うまい!うまい!」
美桜の作った料理はとても美味しかった!
よもや、美桜が洋食を知っていたとはまた新たな発見だな。
煉「美桜、食べないのか?」
声をかけると
『あっ私は後で。・・お父さんにも持って行きますね』
と部屋を後にする。
久し振りに帰ってきたのでもう少し美桜と話がしたかったのだが・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『失礼します!お夕飯をお待ちしました!』
部屋に入りいつもの場所に夕飯を置く。
お父さんは相変わらず寝床で書物を読んでいる。
槇「・・・・・」
『・・・・・・』
槇「・・・・・」
『・・・・・・』
槇「・・・・・・」
『・・・・・・』
槇「何なんだお前は!さっさと出て行け!」
料理の横で正座している私にお父さんはしびれを切らして声をかける。
『いえ!今日はお酒のお相手をしようと思いまして!!』
槇「はぁ!?」
ーーーーお前に一つ策を授けてやる
酒の席なら打ち解けるのなんか早いぜーーーー
あの宇髄さんの言う事を実践する時がきた!
翌朝、厨房に行くとすでに朝食の準備を始めていた美桜さんに声をかけられる。
千「おはようございます。今日はお早いですね」
『うん、ちょっと早く目が覚めちゃって。あ、これ味見して?』
美桜さんは鼻唄まじりにご機嫌だ。
兄上の誤解も解け、昨日は町に2人で買い物に行ってたし、美桜さんが笑顔だとホッとする。
千「うん、美味しいです。美桜さん、僕よりも料理の腕はいいですね。」
『えっそんな褒めすぎだよ!千寿郎くんに敵うわけないじゃない』
美桜さんが笑うと髪に結った赤いリボンが揺れる。
ー兄上の髪紐とお揃いの色だー
煉「2人とも、おはよう!」
兄上が珍しく厨房に入ってくる。
『あっ、煉獄さん。おはようございます。』
美桜さんは少しだけ頬を染める。
兄上をチラリと見ると、目線は美桜さんのリボンにいきとても嬉しそうな表情をしている。
煉「うむ!俺は庭で暫くの間鍛錬をしてくる!」
そう言って庭に向かって行った。
兄上のあんな顔、初めて見た・・・。
つられて僕の顔も赤くなっていくのが分かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今日はしのぶさんの診察があるので、私は蝶屋敷に向かおうとしていた。
『では、いってきます!』
煉「美桜、道は分かるのか?」
『はい、大体の道は覚えてます!煉獄さんと一緒にあんみつを食べたお店がある通りまで行けば分かります』
煉「そうか!あの通りは家の門を出て西に歩けばすぐ行けるから迷う事もなかろうな!」
『はい!ではいってきますね。』
(えっと、地図の上が北だから、西は・・こっちね)
俺と千寿郎が門を出る美桜を見送る。
美桜は門を出て左に曲がって行く。
・・・家の門は南向きだ・・・
煉千「「・・・・」」
煉「千寿郎!俺は美桜を蝶屋敷まで送って行く!家の事は頼んだ!」
千「はい!お気をつけて!!」
慌てて美桜を追いかけ、蝶屋敷まで送り届ける。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
煉「美桜がまさか方向音痴だったとはな!よもやよもやだ!!」
『もう、煉獄さん・・そんな大きな声で言わないでくださいっ!』
煉「ハハハ!すまんすまん!!」
蝶屋敷に到着し、胡蝶の診察室でそんな話をすると美桜が顔を真っ赤にして拗ねてしまった。
そんな表情も可愛いと思う。
胡蝶も笑顔でそんなやり取りを聞いている。
し「フフフ、きっと記憶をなくされる前も地図を読むのが苦手だったのでしょうね」
そう言ってカルテに書き込んでいく。
『えっ、そんな事まで書くんですか??』
し「ええ、何が手がかりになるか分かりませんからね。些細な事でも気がついた事があれば教えてくださいね。」
『・・はい。』
胡蝶の診察を受けている所で、俺の鴉が指令を伝えにきた。
煉「すまない、任務が入った!俺はすぐに向かうが、家まで帰れるか?」
心配して尋ねると、
『今度は大丈夫です!ちゃんと周りを見ながら歩いて来ましたから』
煉「・・そうか、わかった。では胡蝶、後は頼んだ。」
そう言って屋敷を後にする。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
し「煉獄さんに大切にされているのですね」
安心しました。としのぶさんが言う。
『えっ』
し「髪飾り。煉獄さんとお揃いの色ですね」
ニッコリ笑われる。みるみる顔が熱くなる。
『あ、これは・・・』
し「煉獄さんからの贈り物ですか?」
『!!!』
だから宇髄さんといい、しのぶさんといい、どうして色々分かっちゃうの!?
怖いんですけど!!!
し「・・・さて、今日はこれを渡しておきますね。」
そう言って出してきたのは一振りの刀と一丁の銃。
ーーー私があの夜持っていた物ーーー
し「あれから、これを見ても触っても発作は起きなくなりましたし、これは美桜さんの持ち物ですから。近くに置いておけばもしかしたら記憶が戻るかもしれません」
『・・はい。』
刀はそれとわからない様に布で巻いてくれた。
私は蝶屋敷からの帰り道を1人てくてく歩いて行った。
記憶が戻ったら、私は皆とさよならだよね・・
鬼に襲われて記憶喪失になったから、鬼殺隊の人達との繋がりがあるだけで、私はただの一般人だもの。
このまま、記憶が戻らなければ、なんて不謹慎な事を考えてしまう自分が嫌だ。。。
はぁ、とため息をつきながら煉獄さんのお屋敷まで帰って来られた。
一回、ちゃんと道を覚えれば迷わないんだ・・・
新しい自分の発見もどこかちょっと寂しい気持ちになった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それから数週間後、甘露寺さん用に仕立てた羽織が出来上がったと報せを受けて僕と美桜さんは町へ出かけていた。
『ねぇ、千ちゃん。今回の煉獄さんの任務、また遠い所に行ったのかな』
美桜さんは少し前から僕の事を千ちゃんと呼ぶ様になった。
最初は照れ臭かったけど、距離が近くなった様で嬉しく感じている。
千「そこまでではないと聞いていますが・・二週間は経ちますから、もう直に帰ってくると思いますよ」
そっか、と言いながら家路を歩いていると、急に立ち止まる。
千「美桜さん?」
どうしました?と声をかけると
『・・・ねぇ、千ちゃん。この匂い・・・』
匂い?くんくんと嗅ぐと、近くの洋食屋さんからの食べ物の匂いだと気付く。
千「これは、らいすかれーの匂いですよ。僕も数回しか食べたことないですが」
とっても美味しいですよと教えると
『ねぇ、千ちゃん・・・私、これ知ってると思う』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
もうすぐ数週間ぶりの我が家だ。
蝶屋敷で指令を受けてから、更に3件の指令が立て続けにあった為思いのほか家を空けてしまった!
・・・美桜は心配しているだろうか。
その事ばかりが気がかりだった。
煉「ただいま帰った!」
玄関で声をかけると、千寿郎が出迎えにやってきた。
千「あっ、兄上!おかえりなさい!!」
心なしか興奮している様に見えるが何かあったのか?
千「ちょうど良い時にお帰りになりました!」
そう言われて、居間に入ると煉獄家では見た事もない料理が並んでいたーーーー
千「全部、美桜さんが作ったんです!!」
千寿郎は興奮気味に話す。
見ると、らいすかれーにはんばーぐ、生野菜が彩り良く皿に盛られている。
れすとらんみたいでしょ!と千寿郎は大喜びだ。
『あっ、煉獄さん。おかえりなさい。任務ご苦労様でした』
煉「・・これは、どうしたのだ?」
千寿郎の話だと、町の洋食屋から漂う匂いを手がかりに美桜が記憶の中にある料理を作ったのだそうだ。
『お口に合うと良いのですが』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
煉「うむ!うまい!うまい!」
美桜の作った料理はとても美味しかった!
よもや、美桜が洋食を知っていたとはまた新たな発見だな。
煉「美桜、食べないのか?」
声をかけると
『あっ私は後で。・・お父さんにも持って行きますね』
と部屋を後にする。
久し振りに帰ってきたのでもう少し美桜と話がしたかったのだが・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『失礼します!お夕飯をお待ちしました!』
部屋に入りいつもの場所に夕飯を置く。
お父さんは相変わらず寝床で書物を読んでいる。
槇「・・・・・」
『・・・・・・』
槇「・・・・・」
『・・・・・・』
槇「・・・・・・」
『・・・・・・』
槇「何なんだお前は!さっさと出て行け!」
料理の横で正座している私にお父さんはしびれを切らして声をかける。
『いえ!今日はお酒のお相手をしようと思いまして!!』
槇「はぁ!?」
ーーーーお前に一つ策を授けてやる
酒の席なら打ち解けるのなんか早いぜーーーー
あの宇髄さんの言う事を実践する時がきた!