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楽屋の扉を開けると、相変わらず騒然とした空間が広がっていて、可愛らしいみんなに思わず笑みが零れる。
天「保乃ちゃんおはよー!」
保「おはよー天ちゃん」
比較的早い集合時間だったのに天ちゃんは朝からキラキラした笑顔を向けてくれて、流石と感心してしまう。
夏「保乃ちゃん」
保「おはよう夏鈴ちゃん」
天ちゃんとは対照的にまだ瞼が完全に開け切ってない夏鈴ちゃん。
いつも眠そうだけど今日は一段と眠そう。
うん、可愛い
保「夏鈴ちゃん眠い?」
夏「んーうん」
保「そうよなぁ」
こてん
と天ちゃんに寄りかかった夏鈴ちゃん
保乃の心の中に黒い靄がかかった。
加入当初、姉妹みたいだねと言われてた私たち。保乃も幼かったけど、夏鈴ちゃんはもっと幼くて、勝手に保乃が守るって心の中で決心したっけ。
時が流れるにつれお互い成長し、初期の頃よりかは甘えられることが少なくなっていった。
なのに
最近は自分から天ちゃんにくっつきに行くことが増えたり、雑誌でも天ちゃんの名前がたくさん挙がったり
保乃の役目が天ちゃんに奪われた気がして、少し消沈してしまう。
夏「保乃?」
保「夏鈴ちゃんは天ちゃんが好きなん」
夏「え?」
天「保乃ちゃんどうしたん笑」
保「保乃にはもう甘えてくれへんの?」
キョトンとしている夏鈴ちゃんを見てハッと口を抑える。
困らせてもうた
保「なに言ってるんやろ」
「ごめんな」
空気を壊してしまった。
そんな空気に耐えきれず、ドアへ向かう。
あぁーほんまに何してんねん
ホンマに馬鹿すぎる
楽屋を出て扉が閉まりかけたその瞬間。
背中にふわりと重みが乗る
頭も体も完全フリーズ。
かちゃん
無機質な音の次に聞こえてきたのは保乃が大好きな温かい声だった。
夏「甘えていいの?」
保「え?」
夏「好きだよ保乃のこと」
保「ちょっ、と…」
追い打ちをかけるような発言にまた、フリーズ。
嬉しい
やばい
かわいすぎる
色んな感情が一気に駆け巡って胸が早鐘を打つ。
保「甘えて欲しい」
「天ちゃんより保乃の方がお姉さんやし」
夏「そうだね笑」
こういう時まで意地を張っちゃうの子供っぽい
夏「わかった」
「保乃だけに甘える」
保「うん」
あつい
耳も、頬も、胸の奥まで。
この人には敵わないや
そう心の中で呟いて
夏鈴ちゃんの腕を強く抱き締めた。
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