漫画(ジャンプ系)
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サニー号の風呂が壊れたのは、航海真っ最中の、次の島までもまだかかる暑い日のことだった。しかも部品がないためただちに直せないというフランキーの言葉を受けて、船員は真っ二つに割れた。気にする側と、気にしない側である。主にナミをはじめとする女性陣が前者であり、彼女もまた例外ではなかった。
「勘弁してくださいよ!」
そう叫びながら逃げ回る彼女を追うのはブルックであった。動かす肉がないくせに表情豊かなその男は、楽しくてしょうがないという風に笑みを浮かべている。いつもは彼女のほうが「えっナミちゃんロビンさんにはパンツ見せてとかいうくせに私のパンツは見たくないんですか?」などとブルックを追い回しているのだが、今に限っては立場が逆転しているのだった。体を拭いたり水浴びしたりはしているものの、風呂が使えるときよりは汗臭さや皮脂は取り除ききれていない。そのことを女は気にしていた。特に相手はブルックである。肉体がないために通常でも風呂にあまり入らず、それでいて汗臭さなどとは無縁な恋人に、この状態で近づきたくはなかった。
狭くはないが広大でもない船上の鬼ごっこはすぐに終わった。故障中ゆえ無人の浴場に追い詰められた彼女は、それでも往生際悪く後退する。しかし長身のブルックはすぐに追いつく。壁に背をつけた恋人の耳元でささやいた。
「いつもはあんなに見せたがりなのに」
見せたがってるのではなく――やぶさかでないこともないが――いつもセクハラじみた発言をするブルックが慌てるのが見たいがゆえの言動である。
「だって今はほら、くさいでしょう」
「ヨホホ、そんなこと気にしませんよ。アナタがパンツを何日履きっぱなしだろうと。むしろ興奮」
「いや下着はちゃんと変えてるんで!」
発言を遮られても、ブルックの笑顔はますます深くなるばかりであった。焦る彼女の頬を汗がつたう。どうにかすり抜けようとしたがうまくいかず、ブルックの長い腕に捕まり、あっさり押し倒された。彼女のつむじに、ブルックは顔を寄せた。さすがにいつもよりもべたべたとした皮脂の感触がある。ただしく代謝が行われている証拠だ。そのことをブルックは愛しく思うがそんなことはつゆ知らず、汚いからと本気で彼女は離れようとする。けして非力なわけではないが、ブルックのほうが一枚もニ枚も上手であった。
せめてもの抵抗に彼女もブルックの髪の毛をかき回したが、潮風によって多少硬くなっているだけでフケも垢も落ちなかった。なだめられるように頬に添えられた手のひらは白く乾いていて、いつもと変わらない紅茶の匂いがした。唇をなぞってきた指を食む。自分の唾液に汚された骨を眺めて彼女は思う。もし自分が彼の指の一本でも、いや関節のひとかけらでも食いちぎったら自分の代謝する身の一部にできるだろうか。悪魔の実なんてすべて自然の摂理に反しているが、その中でもとりわけ抗えないものに抗っている彼の一部を自然の流れの中に巻き込めるだろうか。
恋人が考え事をするとすぐに黙り込んでしまうのをブルックは承知している。彼女はよくブルックの瞳に吸い込まれそうだと呟くが、当のブルックからすればまったく逆であった。彼女が思索に耽っているときの真っ直ぐな瞳こそブルックを惹き付けてやまないのだ。本当に吸い込まれても良いと伝えても、彼女は照れくさがって視線を逸らしてしまう。集中している今なら聞こえないかと思ったブルックは改めてそれを声に出す。すると彼女のまつ毛が細やかに震え、すいと視線がそらされた。その眼球の運動に、ブルックは眼窩しかない目を細める。抜けてしまった彼女のまつ毛が、目の下に貼り付いているのをブルックはその白く長い指で恭しく取ってやった。
「勘弁してくださいよ!」
そう叫びながら逃げ回る彼女を追うのはブルックであった。動かす肉がないくせに表情豊かなその男は、楽しくてしょうがないという風に笑みを浮かべている。いつもは彼女のほうが「えっナミちゃんロビンさんにはパンツ見せてとかいうくせに私のパンツは見たくないんですか?」などとブルックを追い回しているのだが、今に限っては立場が逆転しているのだった。体を拭いたり水浴びしたりはしているものの、風呂が使えるときよりは汗臭さや皮脂は取り除ききれていない。そのことを女は気にしていた。特に相手はブルックである。肉体がないために通常でも風呂にあまり入らず、それでいて汗臭さなどとは無縁な恋人に、この状態で近づきたくはなかった。
狭くはないが広大でもない船上の鬼ごっこはすぐに終わった。故障中ゆえ無人の浴場に追い詰められた彼女は、それでも往生際悪く後退する。しかし長身のブルックはすぐに追いつく。壁に背をつけた恋人の耳元でささやいた。
「いつもはあんなに見せたがりなのに」
見せたがってるのではなく――やぶさかでないこともないが――いつもセクハラじみた発言をするブルックが慌てるのが見たいがゆえの言動である。
「だって今はほら、くさいでしょう」
「ヨホホ、そんなこと気にしませんよ。アナタがパンツを何日履きっぱなしだろうと。むしろ興奮」
「いや下着はちゃんと変えてるんで!」
発言を遮られても、ブルックの笑顔はますます深くなるばかりであった。焦る彼女の頬を汗がつたう。どうにかすり抜けようとしたがうまくいかず、ブルックの長い腕に捕まり、あっさり押し倒された。彼女のつむじに、ブルックは顔を寄せた。さすがにいつもよりもべたべたとした皮脂の感触がある。ただしく代謝が行われている証拠だ。そのことをブルックは愛しく思うがそんなことはつゆ知らず、汚いからと本気で彼女は離れようとする。けして非力なわけではないが、ブルックのほうが一枚もニ枚も上手であった。
せめてもの抵抗に彼女もブルックの髪の毛をかき回したが、潮風によって多少硬くなっているだけでフケも垢も落ちなかった。なだめられるように頬に添えられた手のひらは白く乾いていて、いつもと変わらない紅茶の匂いがした。唇をなぞってきた指を食む。自分の唾液に汚された骨を眺めて彼女は思う。もし自分が彼の指の一本でも、いや関節のひとかけらでも食いちぎったら自分の代謝する身の一部にできるだろうか。悪魔の実なんてすべて自然の摂理に反しているが、その中でもとりわけ抗えないものに抗っている彼の一部を自然の流れの中に巻き込めるだろうか。
恋人が考え事をするとすぐに黙り込んでしまうのをブルックは承知している。彼女はよくブルックの瞳に吸い込まれそうだと呟くが、当のブルックからすればまったく逆であった。彼女が思索に耽っているときの真っ直ぐな瞳こそブルックを惹き付けてやまないのだ。本当に吸い込まれても良いと伝えても、彼女は照れくさがって視線を逸らしてしまう。集中している今なら聞こえないかと思ったブルックは改めてそれを声に出す。すると彼女のまつ毛が細やかに震え、すいと視線がそらされた。その眼球の運動に、ブルックは眼窩しかない目を細める。抜けてしまった彼女のまつ毛が、目の下に貼り付いているのをブルックはその白く長い指で恭しく取ってやった。
