漫画(ジャンプ系)
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男所帯のガレーラは、コミュニケーションの一環として連れ立って女遊びをすることもままある。ルッチもそうやって付き合いで連れていかれて、流されるままに女を抱いていた。性欲は人並みに備わっているため、まぁやぶさかではない。
『クルッポー、寒くはないか』
「こういうときまでハトさんがしゃべるのね」
行きずりの女が、シーツにくるまっておかしそうに笑った。静かでいい子ねぇ、と女は枕元で膨らんでいるハットリを撫でる。四つ足の生き物にするようにされても、ハットリは大人しく目を細めるだけだった。それをつまらなそうにルッチは眺めているが、彼が退屈を感じていることはハットリにしか分からない。性欲はあるが、それよりも喜びを感じる行為を彼は知っていた。日に焼けた職工らしい腕を伸ばして、彼女がハットリにしたようにしたようにルッチは女の髪を撫でた。男性にそういうことをされるのに慣れている女は、従順にルッチへ身を寄せる。彼は節くれだった指を女の髪に滑らせ、そして首の側面――頸動脈をなぞった。ぞわ、と本能的な恐怖を感じながらも、くすぐったいわとだけ言って商売柄落ち着きを装った女は身をよじる。
「もう一度したいならそう言ってくれればいいのに」
女の甘い囁きに、ルッチは唇を舐めた。それが性欲を表すものではなく、渇きをごまかすためのものであることを女は知る由もない。
ウォーターセブンでの、決して短くはなかった潜伏を終え、どうにか傷も癒えたルッチはある女の家に立ち寄っていた。五年以上も顔を合わせていない恋人が訪ねてきても、彼女は少し驚いた様子で「久しぶり」と言ったきりだった。自分がよく居座っていた頃とほとんど変わらない家の中をさりげなくルッチは検分するが、彼女以外の人間の痕跡はなく、また空気のにおいも変わっていなかった。石鹸と、時間によっては料理のにおい。つまらない日常のにおいであった。
作り置きにしようと思っていたらしいスープを供されたルッチは、何のこだわりもなくそれを完食する。しまい込まれていたらしい男物の着替えはかすかに黴臭かった。他のはもう一度洗っておくからね、と彼女は少し申し訳なさそうに言った。
「……必要ない。明日にはここを発つ」
そう、とだけ彼女は返す。どこへ発つのか、また次はいつ訪ねてくるのかは質問しなかった。どうせルッチが答えないことを分かっているからだ。また、必要ないと言われてもルッチが五年前に残していった服を全て洗濯しなおすか買いなおすだろうことを彼も分かっている。事実を伝えたうえでどうしようと彼女の勝手であるとルッチは思っていた。茹でる前の豆を、ハットリ用の小皿(これも五年前と同じものだった)に彼女は用意してやる。ハットリが食事をしている間に性交をするのがかつての流れであった。
相変わらず狭いベッドに、ルッチは乗り上げる。横たわった自分の肌を撫でる手がずいぶんと日に焼けていることに彼女は気が付いているが、言及するほどのことではないと判断する。身を焦がすような苛烈な愛情や、それを端とする強い興味があるわけではない。だが、彼女はルッチがまた訪ねてきたことは嬉しく思っている。決して人に慣れない野良猫がある日姿をふっつりとくらませ、人間の事情を無視して現れるのが嬉しいのと同じようなものだ。また、自分がルッチの顔や、声や、以前の肌の色を覚えていたことも喜ばしいと感じている。
髪を梳くようなこともせず、急に頸動脈を撫でられても彼女は身じろぎもせず、続きを待っていた。その理由は無関心でも従順でもないことをルッチは知っている。もし血にまみれた手で触れても、この女は今と同じような反応をするだろう。女の唇に自分の唇を合わせてから、ウォーターセブンの付き合いで抱いてきた女にはそんなことをしなかった自分にルッチは気が付いた。
『クルッポー、寒くはないか』
「こういうときまでハトさんがしゃべるのね」
行きずりの女が、シーツにくるまっておかしそうに笑った。静かでいい子ねぇ、と女は枕元で膨らんでいるハットリを撫でる。四つ足の生き物にするようにされても、ハットリは大人しく目を細めるだけだった。それをつまらなそうにルッチは眺めているが、彼が退屈を感じていることはハットリにしか分からない。性欲はあるが、それよりも喜びを感じる行為を彼は知っていた。日に焼けた職工らしい腕を伸ばして、彼女がハットリにしたようにしたようにルッチは女の髪を撫でた。男性にそういうことをされるのに慣れている女は、従順にルッチへ身を寄せる。彼は節くれだった指を女の髪に滑らせ、そして首の側面――頸動脈をなぞった。ぞわ、と本能的な恐怖を感じながらも、くすぐったいわとだけ言って商売柄落ち着きを装った女は身をよじる。
「もう一度したいならそう言ってくれればいいのに」
女の甘い囁きに、ルッチは唇を舐めた。それが性欲を表すものではなく、渇きをごまかすためのものであることを女は知る由もない。
ウォーターセブンでの、決して短くはなかった潜伏を終え、どうにか傷も癒えたルッチはある女の家に立ち寄っていた。五年以上も顔を合わせていない恋人が訪ねてきても、彼女は少し驚いた様子で「久しぶり」と言ったきりだった。自分がよく居座っていた頃とほとんど変わらない家の中をさりげなくルッチは検分するが、彼女以外の人間の痕跡はなく、また空気のにおいも変わっていなかった。石鹸と、時間によっては料理のにおい。つまらない日常のにおいであった。
作り置きにしようと思っていたらしいスープを供されたルッチは、何のこだわりもなくそれを完食する。しまい込まれていたらしい男物の着替えはかすかに黴臭かった。他のはもう一度洗っておくからね、と彼女は少し申し訳なさそうに言った。
「……必要ない。明日にはここを発つ」
そう、とだけ彼女は返す。どこへ発つのか、また次はいつ訪ねてくるのかは質問しなかった。どうせルッチが答えないことを分かっているからだ。また、必要ないと言われてもルッチが五年前に残していった服を全て洗濯しなおすか買いなおすだろうことを彼も分かっている。事実を伝えたうえでどうしようと彼女の勝手であるとルッチは思っていた。茹でる前の豆を、ハットリ用の小皿(これも五年前と同じものだった)に彼女は用意してやる。ハットリが食事をしている間に性交をするのがかつての流れであった。
相変わらず狭いベッドに、ルッチは乗り上げる。横たわった自分の肌を撫でる手がずいぶんと日に焼けていることに彼女は気が付いているが、言及するほどのことではないと判断する。身を焦がすような苛烈な愛情や、それを端とする強い興味があるわけではない。だが、彼女はルッチがまた訪ねてきたことは嬉しく思っている。決して人に慣れない野良猫がある日姿をふっつりとくらませ、人間の事情を無視して現れるのが嬉しいのと同じようなものだ。また、自分がルッチの顔や、声や、以前の肌の色を覚えていたことも喜ばしいと感じている。
髪を梳くようなこともせず、急に頸動脈を撫でられても彼女は身じろぎもせず、続きを待っていた。その理由は無関心でも従順でもないことをルッチは知っている。もし血にまみれた手で触れても、この女は今と同じような反応をするだろう。女の唇に自分の唇を合わせてから、ウォーターセブンの付き合いで抱いてきた女にはそんなことをしなかった自分にルッチは気が付いた。
