漫画(ジャンプ系)
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他者の思考を読むには多かれ少なかれチューニングを合わせる必要があるのだが、たまにまったく意識しなくても向こうの考えていることが頭に入ってくることがある。多分相性が良いのだろう。彼女もそのうちのひとりだった。しかし彼女の思考は言葉ではなく、様々な色彩として俺の中に流れ込んできた。これはレアパターンだ。坂本さんは俺が思考を読み取れることを利用して俺を殺すイメージを送り付けてくるし、平助は基本的に言語ではなく稚拙なイラストのような映像で思考している。ただこの二例も具体的な像は結んでいるので、彼女のそれはまた違うように思えた。
最初こそ、そういう思考訓練を積んだ新手の刺客かと思ったがどうやら一般人であるようだった。最近越してきたらしい(これは自分から話していた)
彼女が店に入ってくると、俺の視界はうっすら靄がかかったように知覚される。靄の色は日によって違うが、これは彼女のそのとき考えていることに影響されているようだった。初対面の時はこれがなんだか分からず、敵襲かと身構えたものだ。そんな、レジの中で身構える俺に彼女が「すいません、お醤油ってどこに置いてありますか?」と質問してきたのが初めての会話だった。この俺が思考を読み取れないということが分かった坂本さんが、わずかに警戒しているのを背中で感じながら俺は彼女を醤油のところまで案内したのだ。
「ありがとうございます。私、引っ越してきたばかりで……いいお店が見つかってよかったです」
靄がどうやら彼女を中心に湧いていること、彼女の言葉にあわせて靄がきらきらと色を変えているのはすぐに分かった。それがどうやら彼女の思考なのだということが分かったのは、彼女が帰ってから坂本さんやルーと話を突き合わせてからだ。
それから数ヶ月して、どうやら彼女が本当に思考パターンが特殊な一般人らしいということがわかる頃には、すっかり顔なじみになってしまった。彼女を取り巻く色も、慣れてしまえばきれいなものだ。梅雨空の合間、久しぶりに晴れた今日は見るからに機嫌が良い彼女の周りには、外の新緑と同じような色が輝いていた。木漏れ日のようにちらちらと微妙に変わるその色を俺はつい眺めてしまう。どうせ他に客も居ない時間帯だ。ルーだってまだ起きてこない。
「あの、店員さん。私の服に何かついてます?」
呼びかけられて、俺は慌てていやそんなことは! と居住まいを正す。これじゃいつまで経っても坂本さんの隣に並べない。洗剤やら牛乳やらをレジに通していると、彼女の思考の色が明るい黄色になっていくのが分かった。
「店員さんって、いつもこの時間にいるんですか?」
「えっ、大体いつもいますよ」
彼女の周りの靄がまたきらめいたが、俺は今度はそれに見惚れたわけじゃない。そうですか、と笑った彼女の顔から目が離せなかったのだ。
最初こそ、そういう思考訓練を積んだ新手の刺客かと思ったがどうやら一般人であるようだった。最近越してきたらしい(これは自分から話していた)
彼女が店に入ってくると、俺の視界はうっすら靄がかかったように知覚される。靄の色は日によって違うが、これは彼女のそのとき考えていることに影響されているようだった。初対面の時はこれがなんだか分からず、敵襲かと身構えたものだ。そんな、レジの中で身構える俺に彼女が「すいません、お醤油ってどこに置いてありますか?」と質問してきたのが初めての会話だった。この俺が思考を読み取れないということが分かった坂本さんが、わずかに警戒しているのを背中で感じながら俺は彼女を醤油のところまで案内したのだ。
「ありがとうございます。私、引っ越してきたばかりで……いいお店が見つかってよかったです」
靄がどうやら彼女を中心に湧いていること、彼女の言葉にあわせて靄がきらきらと色を変えているのはすぐに分かった。それがどうやら彼女の思考なのだということが分かったのは、彼女が帰ってから坂本さんやルーと話を突き合わせてからだ。
それから数ヶ月して、どうやら彼女が本当に思考パターンが特殊な一般人らしいということがわかる頃には、すっかり顔なじみになってしまった。彼女を取り巻く色も、慣れてしまえばきれいなものだ。梅雨空の合間、久しぶりに晴れた今日は見るからに機嫌が良い彼女の周りには、外の新緑と同じような色が輝いていた。木漏れ日のようにちらちらと微妙に変わるその色を俺はつい眺めてしまう。どうせ他に客も居ない時間帯だ。ルーだってまだ起きてこない。
「あの、店員さん。私の服に何かついてます?」
呼びかけられて、俺は慌てていやそんなことは! と居住まいを正す。これじゃいつまで経っても坂本さんの隣に並べない。洗剤やら牛乳やらをレジに通していると、彼女の思考の色が明るい黄色になっていくのが分かった。
「店員さんって、いつもこの時間にいるんですか?」
「えっ、大体いつもいますよ」
彼女の周りの靄がまたきらめいたが、俺は今度はそれに見惚れたわけじゃない。そうですか、と笑った彼女の顔から目が離せなかったのだ。
