漫画(ジャンプ系)
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ある日、ふと同室のナマエが何か小さなものを眺めていることにナミは気が付いた。
「それ、なあに?」
ナミはナマエの手元を興味津々に覗き込む。彼女の手元にあったのは、小さな瓶だった。年季が入ったもののようだが、手入れされているのか光を美しく透かした。ナマエは恥ずかしそうに眼を伏せる。
「……その、子どもの頃にサンジくんにもらったの」
「そうなの!?」
ナミの目が興味に光った。バラティエでサンジと共に育ったナマエは、彼と共にこの船に来た。そのとき持ってきた数少ない荷物の中にその小瓶もあったのか。ナミの顔を見て、ナマエは恥ずかしそうに顔を伏せた。しかし、詳しいことを話さないと解放してくれないだろうと観念して、ナマエは座りなおした。これだけ長く過ごした同年代の女子はナミが初めてなことも、関係していたのかもしれない。
「バラティエにも時々、行商の船が来ることがあるの。すっごく前のことなんだけど、女のひと向けの商品を沢山積んでた船が来て」
もちろん、大人向けの商品だから当時幼かったナマエの手が届くようなものはほとんどない。それでも、彼女の目を引いた商品があった。それが小瓶に入った香水であった。香水そのものもさることながら、可憐な装飾がされた瓶にナマエは惹かれたのだ。だが、すでにバラティエの手伝いをしていたナマエは、父親のレストランに香水を持ち込むのは気が引けた。その逡巡を見ていたのだろう。船が行ってしまったあと、サンジがナマエにラッピングされた箱を渡した。その中にあったのは、たしかにナマエがずっと見ていた香水の小瓶だった。夢のような驚きと嬉しさを、ナマエはずっと覚えている。結局、使うことはほとんどないうちに中身は揮発してしまったが、空の小瓶を彼女はずっと大事に持っていたのだった。
「……だから、あの子の欲しいものなんて結局サンジ君が一番よく知ってるんじゃないの」
みかんパフェをつついて、今しがたサンジから受け取ったベリー札を数えながらナミはそうぼやいた。
「まだ持っていてくれてたのか、ナマエちゃん」
サンジのしみじみとした口調が珍しくて、ナミは手を止めて彼を見た。そもそもサンジのほうから、ナマエへのプレゼントのリサーチをナミに依頼してきたのだ。ナミは特製スイーツとと1万ベリーで引き受けた。だが結局見せつけられただけではないか、と思い始めている。唇の端に微笑みを浮かべたサンジの後ろには、休ませてるのであろうスポンジケーキが置かれていた。角切りのスポンジはパフェにも入っているから、それと一緒に作ったものだろうか。食材のやりくりは優秀なコックの必要条件だが、これではどちらがついでか分かったものじゃない。
(本命がいるんだからふらふらしなきゃいいのに)
パフェを食べ進めるナミの口の中に、みかんの果汁が溢れる。その甘酸っぱさは、サンジとナマエの関係性に似ているように思えた。
「それ、なあに?」
ナミはナマエの手元を興味津々に覗き込む。彼女の手元にあったのは、小さな瓶だった。年季が入ったもののようだが、手入れされているのか光を美しく透かした。ナマエは恥ずかしそうに眼を伏せる。
「……その、子どもの頃にサンジくんにもらったの」
「そうなの!?」
ナミの目が興味に光った。バラティエでサンジと共に育ったナマエは、彼と共にこの船に来た。そのとき持ってきた数少ない荷物の中にその小瓶もあったのか。ナミの顔を見て、ナマエは恥ずかしそうに顔を伏せた。しかし、詳しいことを話さないと解放してくれないだろうと観念して、ナマエは座りなおした。これだけ長く過ごした同年代の女子はナミが初めてなことも、関係していたのかもしれない。
「バラティエにも時々、行商の船が来ることがあるの。すっごく前のことなんだけど、女のひと向けの商品を沢山積んでた船が来て」
もちろん、大人向けの商品だから当時幼かったナマエの手が届くようなものはほとんどない。それでも、彼女の目を引いた商品があった。それが小瓶に入った香水であった。香水そのものもさることながら、可憐な装飾がされた瓶にナマエは惹かれたのだ。だが、すでにバラティエの手伝いをしていたナマエは、父親のレストランに香水を持ち込むのは気が引けた。その逡巡を見ていたのだろう。船が行ってしまったあと、サンジがナマエにラッピングされた箱を渡した。その中にあったのは、たしかにナマエがずっと見ていた香水の小瓶だった。夢のような驚きと嬉しさを、ナマエはずっと覚えている。結局、使うことはほとんどないうちに中身は揮発してしまったが、空の小瓶を彼女はずっと大事に持っていたのだった。
「……だから、あの子の欲しいものなんて結局サンジ君が一番よく知ってるんじゃないの」
みかんパフェをつついて、今しがたサンジから受け取ったベリー札を数えながらナミはそうぼやいた。
「まだ持っていてくれてたのか、ナマエちゃん」
サンジのしみじみとした口調が珍しくて、ナミは手を止めて彼を見た。そもそもサンジのほうから、ナマエへのプレゼントのリサーチをナミに依頼してきたのだ。ナミは特製スイーツとと1万ベリーで引き受けた。だが結局見せつけられただけではないか、と思い始めている。唇の端に微笑みを浮かべたサンジの後ろには、休ませてるのであろうスポンジケーキが置かれていた。角切りのスポンジはパフェにも入っているから、それと一緒に作ったものだろうか。食材のやりくりは優秀なコックの必要条件だが、これではどちらがついでか分かったものじゃない。
(本命がいるんだからふらふらしなきゃいいのに)
パフェを食べ進めるナミの口の中に、みかんの果汁が溢れる。その甘酸っぱさは、サンジとナマエの関係性に似ているように思えた。
