吸死
ロナルドの家にはドラルクさんとジョンがいるし、うちは壁が薄いのでセックスするのはもっぱらラブホである。今日の部屋はバスタブがちょっと狭かった。私のあとにシャワー浴びたロナルドも同じ意見だ。でも汗を流してから寝たかったのでバスタブに湯をはる。
「入浴剤いれていい?」
どうせすぐ風呂に入るので服はいちいち着ていない。最初の頃はちゃんとバスローブとか羽織ってた気がするけどすぐに面倒になってしまった。
ロナルドは私の肩にあごをのせて、手元の入浴剤を覗きこむ。
「何の香りだって?」
「爽やかな朝の森の香りだって」
セロリじゃなきゃなんでもいい、と彼は私の腹を撫でながら答える。運動不足でだいぶ肉がついているのであまり注意を向けないでほしいのだが。大体セロリの匂いの入浴剤なんてあるわけないだろ。「爽やかな朝の森の香り」の入浴剤は、白いパウダー状だった。森なのに白いよ。朝靄なんじゃね? なんて話ながら浴槽のなかに溶かしこむと、湯が緑色に変わったので二人ではしゃいだ。私たちは色が変わるギミックとか好きなのだ。
「こういうのの森の香りって、別に本物の森のにおいではないよな」
「『入浴剤の森の香り』って種類だよね」
やっぱり二人で湯船に浸かると狭かった。ロナルドがまずバスタブにつかり、私が彼の足の間に入る。彼が長い足をもて余してるのがよく分かった。どう座ろうか模索して、向かい合う形におさまった。
そういえばシャワーを浴びるとか、風呂に入るとかのセックス前後のルーチンはどうやって確立されていくんだろう。ロナルドは私と付き合うまでそれこそAVの知識しかなかっただろうから、それらが事に及ぶ前にシャワー浴びてたんだろうな、と思い返す。前に付き合っていた男が事後にもシャワーを浴びていたのと、私が湯船に浸かりたい人間であることが合わさった結果、私は事後にも風呂に入る習慣になった。ロナルドはいつの間にかそれに適応して、一緒に入るようになった。もし別の女と付き合うようになっても、ロナルドは事後に一緒に湯船に浸かるのだろうか。
私がぼんやりと考えごとを始めたので、暇になったのだろう。ロナルドはさっきまでさんざん揉んでいた私の胸に手を伸ばしてくる。
「ほーら君の彼女のおっぱいだよ」
「俺の彼女のおっぱい……」
ロナルドはしみじみと私の言葉を反芻する。
私の胸は、客観的に見てそんなに大きくない。そのことは初めてのとき申告した。そのときロナルドは「俺が胸の大きい小さいで冷める男だと思うなよ」とか答えてたけど、いざ私が服を脱いだら、何も言わずにガン見していた。その後もう何回も見てるし触ってるはずなのに、飽きずにありがたがるので面白い。
私は体の向きを変えて、ロナルドの胸板に背中を預ける。ロナルドについていた水滴で髪が湿る。ちゃんと洗ってから寝ないとな、と思う。
「温泉行きたーい」
「この前、ギルドの慰安旅行で行ったところよかったな」
「そこでもいいけどさ、旅行がしたいよ。なんか観光したりとかおいしいもの食べたりとか、旅館とかでゆっくりするのもいいし」
りょこう、とロナルドは呟く。修学旅行以来、ほとんど旅行してないことは前聞いた。
「行こうよ、ロナルドとだったらどこ行っても楽しいだろうし」
浴槽の縁にかけられていたロナルドの腕が私の肩に回される。そして背中にぐりぐりと頭を押し付けられる感触があった。この男のシャイな性格はこういうところに出てくる。二人きりのときにも好きとか言えないけど、態度にはすぐ出るところ。しばらくされるがままにしていたら、再びロナルドの右手が私の胸に触れてきた。左手はへその下に伸びている。二回目をすることは別にいいけど、ベッドに行きたいと言わなければ。
「入浴剤いれていい?」
どうせすぐ風呂に入るので服はいちいち着ていない。最初の頃はちゃんとバスローブとか羽織ってた気がするけどすぐに面倒になってしまった。
ロナルドは私の肩にあごをのせて、手元の入浴剤を覗きこむ。
「何の香りだって?」
「爽やかな朝の森の香りだって」
セロリじゃなきゃなんでもいい、と彼は私の腹を撫でながら答える。運動不足でだいぶ肉がついているのであまり注意を向けないでほしいのだが。大体セロリの匂いの入浴剤なんてあるわけないだろ。「爽やかな朝の森の香り」の入浴剤は、白いパウダー状だった。森なのに白いよ。朝靄なんじゃね? なんて話ながら浴槽のなかに溶かしこむと、湯が緑色に変わったので二人ではしゃいだ。私たちは色が変わるギミックとか好きなのだ。
「こういうのの森の香りって、別に本物の森のにおいではないよな」
「『入浴剤の森の香り』って種類だよね」
やっぱり二人で湯船に浸かると狭かった。ロナルドがまずバスタブにつかり、私が彼の足の間に入る。彼が長い足をもて余してるのがよく分かった。どう座ろうか模索して、向かい合う形におさまった。
そういえばシャワーを浴びるとか、風呂に入るとかのセックス前後のルーチンはどうやって確立されていくんだろう。ロナルドは私と付き合うまでそれこそAVの知識しかなかっただろうから、それらが事に及ぶ前にシャワー浴びてたんだろうな、と思い返す。前に付き合っていた男が事後にもシャワーを浴びていたのと、私が湯船に浸かりたい人間であることが合わさった結果、私は事後にも風呂に入る習慣になった。ロナルドはいつの間にかそれに適応して、一緒に入るようになった。もし別の女と付き合うようになっても、ロナルドは事後に一緒に湯船に浸かるのだろうか。
私がぼんやりと考えごとを始めたので、暇になったのだろう。ロナルドはさっきまでさんざん揉んでいた私の胸に手を伸ばしてくる。
「ほーら君の彼女のおっぱいだよ」
「俺の彼女のおっぱい……」
ロナルドはしみじみと私の言葉を反芻する。
私の胸は、客観的に見てそんなに大きくない。そのことは初めてのとき申告した。そのときロナルドは「俺が胸の大きい小さいで冷める男だと思うなよ」とか答えてたけど、いざ私が服を脱いだら、何も言わずにガン見していた。その後もう何回も見てるし触ってるはずなのに、飽きずにありがたがるので面白い。
私は体の向きを変えて、ロナルドの胸板に背中を預ける。ロナルドについていた水滴で髪が湿る。ちゃんと洗ってから寝ないとな、と思う。
「温泉行きたーい」
「この前、ギルドの慰安旅行で行ったところよかったな」
「そこでもいいけどさ、旅行がしたいよ。なんか観光したりとかおいしいもの食べたりとか、旅館とかでゆっくりするのもいいし」
りょこう、とロナルドは呟く。修学旅行以来、ほとんど旅行してないことは前聞いた。
「行こうよ、ロナルドとだったらどこ行っても楽しいだろうし」
浴槽の縁にかけられていたロナルドの腕が私の肩に回される。そして背中にぐりぐりと頭を押し付けられる感触があった。この男のシャイな性格はこういうところに出てくる。二人きりのときにも好きとか言えないけど、態度にはすぐ出るところ。しばらくされるがままにしていたら、再びロナルドの右手が私の胸に触れてきた。左手はへその下に伸びている。二回目をすることは別にいいけど、ベッドに行きたいと言わなければ。
1/46ページ
