引いた線を消す
偶然見かけたサテツの兄ィにちょっかいをかけながら歩いていると、急にサテツの兄ィが歩みを止めた。目線の先には、この前俺のグールが突き飛ばした女がいた。サテツの兄ィに怒られたのでよく覚えている。その後あれが兄ィの彼女になった、という話を色々な筋から聞いたし。
「サテツの兄ィの彼女さんだ! この前はごめんなさい!」
「ちゃんと謝れて偉……えっそれどこで聞いたの」
動揺する兄ィ。俺は彼女に会いたかったのだ。それはなぜかというと
「お詫びと言っちゃなんだけど、彼女さんこれ見たことある?」
気付いた兄ィが阻止しようとするが、俺はそれを華麗にすり抜ける。謝るのはこれを見せるための、ただの口実だ。
俺はここ最近ずっと隠し持っていた週バンのバックナンバーを見せる。
「退治人サテツに密着……?」
彼女さんが表紙の文字を追って、見たことないですと首を振る。
「いやほんと恥ずかしいからやめて……!」
兄ィがそう言うと、彼女さんは
「そうですか。お心遣いはありがたいですが、サテツくんが嫌がるなら私はその雑誌を見たくないです」
「そんな固いこと言わずにさぁ」
俺が特集ページを開いてずい、と突き出しても彼女さんは自分で自分の目を隠して拒否する。そんな面白いことされると無理やり見せたくなっちゃうでしょ。
「だって兄ィのぞうさんパンツだよ!もう見たかもしんないけど!」
「黙秘権を行使します」
言わないでよ!最近は履いてないよ! とサテツの兄ィが自爆する。普通に大きい声だったので、俺と彼女さんは兄ィの方を見る。口を押さえてももう遅い。
「それはさぁ兄ィ」
下心じゃ~ん、と早速からかおうとしたときに、シャーン!と流れ星が二筋流れた。
ばっ、とサテツの兄ィが、彼女さんをかばうようにして辺りを見回す。
「ふふ、よく気が付きましたね、若き退治人よ」
「お、お前は、」
「ええ、いかにも私は吸血鬼君がエッチなことを考えると流れ星を降らせるおじさんです」
「そんなことのために星を犠牲にするな!」
サテツの兄ィが掴みかかろうとする。しかし吸血鬼(中略)おじさんは冷静に兄ィに語りかける。
「おっと、私なんかに構っていていいんですか?」
「どういうことだ」
「今君たちの頭上に流れた星はふたつ。しかも同時に流れました。つまりこの場にはエッチなことを考えた方が二人いらっしゃるということです。退治人よ、この意味が分かりますね?」
兄ィが彼女さんのほうを振り向いた。その隙に吸血鬼(中略)おじさんは普通に逃げていったが、サテツの兄ィはそれどころじゃないだろう。何か言おうと口を動かしてるが、声は出ていない。彼女さんの方はずっと無言で真っ赤な顔をしている。モクヒケンをコーシしてるときは全然そんな素振りなかったのに。シャーン!とまた星が流れたので、あの吸血鬼のおっさんはまだ近くにいるのだろう。でもサテツの兄ィが退治するのは無理だ。だって真っ赤な顔をした彼女さんしか見えてないから。俺はカメラを起動して、二人がフレームに収まるように調整した。だって他人の写真を勝手に撮っちゃいけないのはマナーだから。あとでRINEのタイムラインにでもあげとこ。
「サテツの兄ィの彼女さんだ! この前はごめんなさい!」
「ちゃんと謝れて偉……えっそれどこで聞いたの」
動揺する兄ィ。俺は彼女に会いたかったのだ。それはなぜかというと
「お詫びと言っちゃなんだけど、彼女さんこれ見たことある?」
気付いた兄ィが阻止しようとするが、俺はそれを華麗にすり抜ける。謝るのはこれを見せるための、ただの口実だ。
俺はここ最近ずっと隠し持っていた週バンのバックナンバーを見せる。
「退治人サテツに密着……?」
彼女さんが表紙の文字を追って、見たことないですと首を振る。
「いやほんと恥ずかしいからやめて……!」
兄ィがそう言うと、彼女さんは
「そうですか。お心遣いはありがたいですが、サテツくんが嫌がるなら私はその雑誌を見たくないです」
「そんな固いこと言わずにさぁ」
俺が特集ページを開いてずい、と突き出しても彼女さんは自分で自分の目を隠して拒否する。そんな面白いことされると無理やり見せたくなっちゃうでしょ。
「だって兄ィのぞうさんパンツだよ!もう見たかもしんないけど!」
「黙秘権を行使します」
言わないでよ!最近は履いてないよ! とサテツの兄ィが自爆する。普通に大きい声だったので、俺と彼女さんは兄ィの方を見る。口を押さえてももう遅い。
「それはさぁ兄ィ」
下心じゃ~ん、と早速からかおうとしたときに、シャーン!と流れ星が二筋流れた。
ばっ、とサテツの兄ィが、彼女さんをかばうようにして辺りを見回す。
「ふふ、よく気が付きましたね、若き退治人よ」
「お、お前は、」
「ええ、いかにも私は吸血鬼君がエッチなことを考えると流れ星を降らせるおじさんです」
「そんなことのために星を犠牲にするな!」
サテツの兄ィが掴みかかろうとする。しかし吸血鬼(中略)おじさんは冷静に兄ィに語りかける。
「おっと、私なんかに構っていていいんですか?」
「どういうことだ」
「今君たちの頭上に流れた星はふたつ。しかも同時に流れました。つまりこの場にはエッチなことを考えた方が二人いらっしゃるということです。退治人よ、この意味が分かりますね?」
兄ィが彼女さんのほうを振り向いた。その隙に吸血鬼(中略)おじさんは普通に逃げていったが、サテツの兄ィはそれどころじゃないだろう。何か言おうと口を動かしてるが、声は出ていない。彼女さんの方はずっと無言で真っ赤な顔をしている。モクヒケンをコーシしてるときは全然そんな素振りなかったのに。シャーン!とまた星が流れたので、あの吸血鬼のおっさんはまだ近くにいるのだろう。でもサテツの兄ィが退治するのは無理だ。だって真っ赤な顔をした彼女さんしか見えてないから。俺はカメラを起動して、二人がフレームに収まるように調整した。だって他人の写真を勝手に撮っちゃいけないのはマナーだから。あとでRINEのタイムラインにでもあげとこ。
