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どこにも行かせない
志摩
志摩
「好きな人が、出来たの。」
ふと、世界が静止したような気がした。
冗談みたいに軽く笑い飛ばせばいい。いつもみたいに「えぇ〜、俺のことちゃうん?」なんて、軽口を叩けばいい。
でも——喉の奥で言葉が詰まった。
ナマエちゃんが、俺の前からいなくなる? そんなん、考えたこともなかった。
胸の奥がギュッと締め付けられる感覚。今まで感じたことのない、苦しさが広がる。
軽いノリを押し殺して、静かに口を開く。
「……ほんまに、そんなん考えとるん?」
いつもより低めの声が、自分でも驚くほど冷静に響く。
ナマエちゃんは戸惑ったように視線を揺らしたが、すぐに真っ直ぐ俺を見つめた。
「うん。」
その言葉に、心が大きく揺れる。
やっぱり、冗談じゃないんやな。
ゆっくりと腕を組み、軽く息を吐きながら、無理やり口角を上げる。
「いや、ありえへんやろ。俺、そんな簡単にナマエちゃん手放すつもりないし?」
いつものようにニヤッと微笑む。でも、その目には誤魔化しきれない真剣な色が滲んでいた。
「もし、ナマエちゃんが他の人を好きになったとしても——俺、簡単には諦めへん。」
ふっと視線を落とし、切なげに目を伏せる。
……気づくのが遅すぎた。今さら、こんなにも苦しくなるくらい、大事やったことを。
でも、もう気づいたんなら、引き下がる理由なんかない。
「……俺、知っとるで? ナマエちゃん、すぐ流されやすいんやろ?」
ゆっくりと視線を上げると、ナマエちゃんの肩が小さく揺れた。
「ほな、俺が“もう一回”好きにさせたらええだけやん。」
静かに、でも確信を持って言い切る。
俺が、もう一度ちゃんと好きにさせたら、どこにも行かんやろ?
「俺、ナマエちゃんに好きって言わせるの、得意やしな?」
いたずらっぽく微笑む。でも、その奥には、これまでのどんな言葉よりも本気の想いが込められていた。
そっと手を伸ばし、ナマエちゃんの髪を優しく撫でる。
「……俺のそばにおらんかったら、きっと後悔させたるからな?」
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(推しができたって話なんだけど…いまさら言いにくい…!!)
(絶対に離してやらへん。)
