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ヒーローとして
🎗️大人瀬呂
🎗️大人瀬呂
ヒーロー活動をしている瀬呂くんが好きだった。
人のために動いて、助けて、カッコイイ、そんな人から告白され、付き合えるなんて嬉しくて仕方なかった。
付き合ってからも彼のイメージは崩れることもなく、優しく包容力のある彼をますます好きになっていき、一生この人と一緒に居るんだろうなとぼんやりと考え始めていた。
それから、何年経っただろうか、ヒーローという仕事柄ゆえ、長期間家を空けることもあり、彼はいつもいつもボロボロになって帰ってくる。
「もう、傷つかないでほしい。」
彼の心は分かっていたのに、そんな言葉を投げかけてしまった。
「ごめん、俺は一生ヒーローだと思う。」
それが、別れの言葉になった。
―
彼は今もヒーローを頑張っているようで
メディアにも引っ張りだこ、活動はほとんど筒抜け状態。いや、私が情報を追ってしまってるだけか。
注目のヒーロー、セロファン特集!なんて雑誌を今も買っちゃうんだから、未練ありすぎだよね。
ヒーローを続けられる秘訣はなんですか?
「守りたい人が居るからですね。」
それは、恋のお相手ってことですか?
「ヒミツですよ?」
あぁ、新しい彼女ができたのか。
そりゃそうだ、ヒーローという目立つ仕事に、あのルックス、性格も優しいときたら引く手数多ですよね。
それ以上読める気力がなくて、そっと雑誌と目を閉じた。
〜♪
「ん?アラーム…?」
いつもより早いような、と寝ぼけ眼でスマホを手に取れば、【瀬呂くん】の文字。
別れてからも、消せなかった彼からの着信。
悩んだけど、無視する理由もなく応答する。
「もしもし?ナマエ?」
懐かしい彼の声に呼ばれている。
あぁ、既に泣いてしまいそう。そんなめんどくさい姿は見せないけどね。
「どうしたの?」
「あー…ちょっと伝えたいことあって、家来てんだけど、開けてくんねぇ?」
「…はい!?」
慌ててインターフォンを確認したら、ホントに居るわ。
びっくりしすぎて涙引っ込むわ。
「久しぶり。」
「ひさしぶり…、何か御用ですか?」
こんな返事、自分でも可愛くないと思うけど、壁作ってないと耐えらんない。
「これ、読んでくれねぇ?」
って手渡されたのは、昨日読んでた雑誌。
え、言いたいことって彼女出来たって報告?
わざわざ言いに来るってなんて嫌味?
「その雑誌なら読んだよ。」
「じゃあ、言いたいことは分かってると思うけど、「彼女出来たんでしょ、おめでとう。」
彼の言葉をこれ以上聞きたくなくて、遮るように思ってもいない言葉をぶつける。
瀬呂くんは、はぁ…とため息を一つしたかと思うと、
「その様子だと最後まで読んでねぇな、ほら。」とセロファン特集ページを開いた。
嫌嫌ながら雑誌の続きに目を通すと、
「彼女に言われてから、人を助けて自分がボロボロになることが無いように、さらに強くならないと、と思わされたんですよね。」
おかげで最近好調ってことですか。愛の力ですね。
「もう振られてんですけどね。」
セロファンも振られることがあるんですね。
「まぁ、俺は諦めてねぇんで、これからプロポーズに行くつもりなんで、覚悟しといてね。」
と、語る魅惑の笑顔にファンがさらに増えそうですね!
って、これ…
「俺、あの頃より強くなったし、もう傷つかねぇ自信もあんだけど、どーですか?」
後日、「セロファンったら、私のこと雑誌で言うなんて…♡」と、SNSで匂わせる女の子が増えたとか。