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想い人の結婚報告
🎗️瀬呂視点
🎗️瀬呂視点
好きで好きで仕方なかった。
こんな唐突に離れていくなんて思ってもいなかった。
高校から好きだった彼女、付き合ってたわけではねぇけど、好かれてはいたと思う。
いつも一緒に居たし、このままずっと一緒にいるんだと思ってた。
「結婚することになったんだ」
「そうなん、だ」
彼女から突然伝えられた言葉に上手く脳が回らない。
今まで何も伝えてこなかった俺のミスでしかない、分かってくれてるだろうという慢心が招いた結果。
俺と居てくれなんて今更言えるわけもなく、良かったね、なんて全く本心でないことを言ってしまう。
「今日はこれを伝えに来ただけだから、じゃあね。」
と、去っていく彼女の後ろ姿に縋ってしまいたくなった。
今本心を伝えたら、考え直してくれるだろうか。
いや、困らせるだけか、一歩踏み出す最後の機会だというのに二の足を踏んで、その背中を見送った。
それから、彼女からの連絡はパタリと止んで、婚約者いんなら当たり前か、と物分かりが良いフリをして気持ちに蓋をした。
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「なぁ、お前らなんかケンカしてんの?最近全然一緒に居ねぇじゃん。」
久しぶりにいつものメンバーで飲んでいると上鳴が不思議そうに聞いてきた。
「…婚約者いるやつに付き纏うわけにいかねぇでしょ。」
せっかく楽しく飲んでたのに、思い出させねぇでほしい。
「婚約者…?何言ってんのアイツ「ひさしぶりー」
上鳴の言葉に被せるタイミングで、結局ちっとも頭から離れてくれなかった彼女が現れた。
会いたくて仕方なかった彼女の突然の登場に動揺が隠しきれない。
向こうも俺が来てることを知らなかったのか目が合った瞬間
「な、んで瀬呂くんが」
「てめェら、まどろっこしいンだよ。婚約者とか嘘ついてんじゃねーよ」
爆豪が図ったんか…って、え、なに言ってんの、嘘?
「っ、帰るっ!」
顔を歪め踵を返した彼女を咄嗟に追いかけ、その腕を捕まえる。
今度は二の足なんて踏んでやらねぇ、逃さねぇ。
「俺、ナマエが忘れらんねぇんだけど、俺の隣にいて!」
その瞬間彼女が顔を覆い床に崩れ落ちた。
「瀬呂くん…やっと諦めたのに!結婚報告、良かったねって言ったじゃん…!」
俺が本心隠して大人ぶったから傷つけてたのか…って、いや、待て
「そもそも、なんでそんな嘘ついたのよ」
彼女は目を泳がせ、とても言いづらそうに
「…押してダメなら引いてみろってやつ…性格悪くてごめんね?」
俺の煮え切らない態度がそうさせたのだと思うと怒るに怒れねぇな。
「それで、返事は?」
「よろしくお願いします!」
ハッピーエンドなら、まぁいっか。