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出会いは雨の日でした
🎗️大人瀬呂
🎗️大人瀬呂
出会いは雨の日だった。
バス停でバスを待っていると小雨が突然止んだ。
「おねーさん、濡れますよ」
少し上を見上げれば私の上に傘が広げられている。
「え?」
「そのままだと濡れちゃうんで、良かったら俺の傘には入りません?」
私の後ろに並ぶ黒髪の青年が傘を差してくれたみたいだ。
「ありがとうございます、でも…」
「どーせ同じバス待ってるんで、気にしねぇでください。」
なんて爽やかな笑顔を向けられるもんだから、折り畳み傘があるんで、と言いかけた口をつぐんでしまった。
「えと、じゃあお言葉に甘えて」
バスが来るまでの時間、世間話をしつつ楽しい時間を過ごした。
_
近頃珍しい優しい人だったな、もう会うこともないだろうけど…と思ってたんだけど
「あれ?ナマエじゃん!こんな所で何してんの?」
「あ、電気くん。会社帰りだよ…て」
仕事の関係で仲良くなった電気くんと帰り道にばったり遭遇。
返事をしつつ振り向いた瞬間、彼の後ろにいる人物に気付き、思わず声が出た。
「「あ」」
「え、何、瀬呂も知り合い?」
「ちょっとね」
「電気くんの友達だったんだね」
「そーなの、これも何かの縁だし、連絡先交換します?」
それがきっかけで徐々に仲良くなり
職場も近いようで、たまにバスや町中で遭遇すると話すような関係になった。
気付けば、彼の物腰の柔らかさや雰囲気に惹かれていて、また会いたいなと思うようになっていた。
そんな時、「今度、飲みに行かねぇ?」
彼にそう誘われて、内心とても浮かれていた。
気になる彼によく見られようと、一生懸命慣れないオシャレをして当日を迎える。
「なぁんかいつもと雰囲気違うね?」
気合い入れておしゃれして来ました!なんて言えるわけなく。
「今日は仕事着じゃないからね」なんて誤魔化す。
待ち合わせをして2人で食事という、いつもより距離の近い関係にドキドキしつつ、いつものように和やかに会話をしてたら、
「いまさら聞くんだけどさ、彼氏居たの?」
私の薬指を捕まえて少し聞き辛そうにそう言った。
「え!?彼氏なんて居ないよ!」
「指輪、着けてんじゃん」
そう言う彼がちょっと不機嫌そうに見えるのは私の願望だろうか
「そ、れは、オシャレをしてみようと思ったんだけど、ここの指しかハマらなくて…。」
と恥ずかしながら正直に話せば
瀬呂くんは一転、ニヤニヤといじわるな表情を浮かべて
「俺とのデートにオシャレしようって思ってくれたんだ?」
じゃぁ新しい指輪は俺が買ってもいい?
なんてまた素敵な笑顔で言うもんだから、気になる人、から好きな人に昇格するしかないですね。