前世の推しに嫌いと言われて二十七年経ちました。
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「イザナの馬鹿」
何で私が寝てる間に死んでんだよ
家族になろうって言ったじゃん
約束……したじゃんよ……
「うっ……っうぇっ……うぁあああああ!!」
涙を拭ってくれる人なんてイザナ以外居ないじゃん
なんで、なんでぇ……!!
「何でなのさ!!」
これなら、これなら……!!
「助けなかったのに……!!」
君を助ける為にこの命を張ろう
君の幸せの為にこの心を砕こう
君の……君を……
「イザナの為に生きていたかったよぉ……!!」
さよならなんてあんまりだ!
ギュッ
「……だれ?」
「振り向かなくていい、今だけオレを大将の代わりにしていいよ……だからさ」
泣きやめよ
「お前に泣かれるとどうすればいいのか分かんねぇんだよ」
あんなに泣かせたかった相手が泣いてて嬉しい筈なのに何故か悲しい
大将の為に泣いてるのがイラつくけどお前も大将が大切だったんだな
「イザナはね、いっつも優しかったんだ」
「うん」
「お弁当作っていくとね、必ず完食してさ……」
「うん」
「バイクの後ろに危ないからって乗せてくれないし……過保護なんだよ」
「そうか」
「プリクラだって一緒に撮ったんだよ!
嫌がってたけど落書きの時ノリノリでさぁ……」
「……うん」
「家族になろうって……約束したのに……嘘つき……!!」
「うん、うん……大丈夫」
分かってる、だから泣くな
「イザナはそんなに強く抱きしめない……!イザナは……いつも……!!」
ギュゥ……
「ごめん、ごめんな……」
守れなくて、ごめん
泣き疲れて気づいたら蘭と竜胆の家にいた
写真立てで分かった
久しぶり……というか玄関以外初めて入った
何で私の家じゃないんだろ……謎
「起きたかぁ」
「蘭……何でウチじゃないの?」
「さやの両親今居ないって、だから連れてきた」
そのままじゃ帰りづらいでしょ
「ありがとう……」
何をとは言わないけど、助かったのは確かだ
今世に生まれて初めて感謝したかも
「いや、大丈夫だ」
「竜胆は居ないの?」
「留守
何?オレじゃあ不満?」
「不満というか……」
ずっと嫌がらせを受けてきた相手だ
一緒にいたくないと思うのは悪いことでは無い筈
「ごめんなぁ、大将を……イザナを守ってやれなくて」
「うぅん……蘭に言ってもしょうがないし」
「大将、ずっとさやの事探してたみたい
……大将が探してるのさやだって知ってたら……」
「しょうがないって言ってるじゃん!!」
「……ごめん」
「帰る」
「さや!」
「触らないで」
最悪だ、蘭に当たり散らして帰ってきてしまった
今まで受けた仕打ちの仕返しだと思えば……まぁ……
「そういや、高校どうなったんだろ……」
2年半も寝てて今更か……
イザナが居ないんじゃ行っても意味無いか……
あぁ、知らなかった
私……こんなに……
「イザナでいっぱいだったんだ……」