前世の推しに嫌いと言われて二十七年経ちました。
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「さやちゃん!!!」
「嘘だろ……」
「え……?」
後ろから誰かが何かをオレに向かって振りかぶったと思ったら昼間会ったさやちゃんが血を流して倒れてた
「おい!ケースケ救急車!!」
「はい!!」
「ぁあ……オレは何にもやってない……コイツが横から出てくるのが悪いんだ
オレは何にも悪くない……」
救急車が来てさやちゃんは運ばれた
ケースケともう1人は警察に連れていかれた
病院では連絡が行ったのか、さやちゃんの両親が来ていた
手術中の赤いランプが煌々と輝いていて、こんなに早く終われと願ったのは初めてだ
オレは手術が終わるまでそこで待って居たかったが……ご両親に帰ってくれと言われたから帰った
自分の大切な娘が知らない男を庇って酷い怪我を負った……なんて許せるわけないよな……
バイク屋に戻って……
「これ、さやちゃんの……ケータイ……?」
さやちゃんのケータイの電池パックが外れてて拾ったら、プリクラが1枚貼ってあった
「っ!!…………イザナぁ……ごめんっ……ごめん……っ……」
弟の大切な人をオレは傷つけてしまった
そこには、イザナとさやちゃんが2人で幸せそうに笑って写っているプリクラが貼ってあった
プルルルル……プルルルル……
「さや、今日電話出ねぇな……」
しゃーない家行ってみるか……
そんで、飯でも食わせて貰おう
「ケーキ、買ってったら喜ぶかな……」
きっと美味いって食ってくれるよな
カシャン
「あ?」
なんでピアスが落ちるんだ……??
「さや……?」
次の日になっても、その次の日になってもさやは学校には来なかったし電話にも出なかった
「クソっ!!」
何処にいんだよ!!
横浜中探したけど居なかった
あとは……
「東京、さやの地元……か……」
さっさと探して連れ帰らねぇと
そして、二度と離れられないようにして……
「家族は、離れないもんだろ?」
カランとピアスの音だけが響いた
「なぁ、何でお前はさいっつも笑ってたの?」
3歳の頃から一緒だった影宮さや
オレが何をしても笑って許してくれた
いつか、その澄ました顔を泣かせてやろうと何でもした
だけど、飽きれられるだけだった
気づいたら手の届かない場所にいた
お前の隣にはずっとオレが居たかった
「なぁ、何でお前はいっつも手の届かない場所にいくの?」
こんな傷まで負ってさ……
「馬鹿じゃん……お前……」
早く帰ってこい
待ってるから
「これなら、あの時無理矢理にでも連れて帰るべきだった……!」
後悔してもしきれない
「さや、待ってるから」
そしたら、オレの本当の気持ち聞いてくれる?
今更って笑ってくれる?
なぁ、起きろよ……
「面会時間終了です」
「……分かりました
またな」
影宮さやが昏睡状態に陥って1ヶ月が経つ
それを知る者は余りに少ない
「さや……何処に行った……?」
カラン……