｢はい、味噌汁蘭ちゃんの分｣
｢さや……料理作れたの……？｣
｢え？普通に作れるけど……なんで？｣
｢いや、何でも……｣
｢嫌いなものとかあった？｣
｢さやの作ったものなら何でも美味しいよ！！｣
｢そう……｣

蘭ちゃんに朝ごはんを作った
シンプルに目玉焼きにサラダ、味噌汁にちょっとした付け合せの簡単クッキングだが……
そういや、前世思い出す前の私料理出来なかったなぁ……
蘭ちゃんが全部作ってたけど食べなかったなぁ……
推しの手料理とか役得なのに……！！
悔やまれる……

｢今度から蘭ちゃんが食べたい物何でも作るから言ってね｣

私は蘭ちゃんのお嫁さんなのだ
蘭ちゃんの好きな物を作りたい
あわよくば蘭ちゃんの好みを知りたいし蘭ちゃんの体が私の作ったもので出来るとか……最高……

｢さやは食べないの？｣
｢後から食べ……一緒に食べます……｣

そんなえ？一緒に食べないの？？って泣きそうな顔でこっちを見ないでくれ……！！
蘭ちゃん自分の可愛さわかってないなぁ……
その内分からせるか……

｢さやと一緒に食べると余計美味しいね……いや、不味いって訳じゃないんだよ！？｣
｢分かってるわかってる、蘭ちゃんご飯ついてるよ｣

口元についてたから取って食べたら……

｢っ！！！さや！！そういうの気軽にやるものじゃ……！！｣

顔真っ赤にしてうつむいてしまった
なんか、ごめん
ウブな蘭ちゃんには刺激が強すぎたね
蘭ちゃんに嫌われたくないからスキンシップどうにかしないとな……

｢ご馳走様！行ってきます！！｣
｢あ、蘭ちゃ……行っちゃった……｣

お弁当、作ったんだけどなぁ……
お昼ごはんにするか……

｢蘭ちゃんガード硬すぎて中々近づけない……｣

この世界の蘭ちゃんガード硬すぎてヤバい
お風呂とかもしっかり鍵閉めて入れないようにしてるし……
なんとか、夫婦らしいことをしたい！！

｢あーんとかやってみるか？？｣

真っ赤になるんだろうなぁって想像するだけで可愛い
よし、やってみよう

｢後は……なにやろう？｣

推し歴は長いが、夫婦歴は短い
さて、どうしたものか……

とりあえず心開いて貰えるようにがんばろ……






その頃の灰谷蘭

｢急いで出てきちゃった……｣
さや、怒ってなければいいな……
夢に見た夫婦生活
これからもずっと続けたい
｢帰ったら謝ろう……｣
そして、お弁当があったと知るまでま後十数時間……