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飴色の石畳の上に落ちる影が三つ。とりわけ背の高い影が一番小さな影の腕を取る。
 「小僧、ついてこい。行き倒れるよりはマシだろう」
 そんなこんなで半強制的に箱型蒸気車輌に乗せられた。ひどい揺れにももう慣れ、見慣れない窓の外をぼんやりと小さな影は見つめている。
 夕日も暮れかけ、闇にぽつぽつと電飾が浮かんでいる。
 見とれているのか、別のことを考えているのか。少年の表情ははっきりしない。
「__とは言ったものの、嫌ですね」
「おい、声が聞こえるだろう」
「……すみません」
 少年の後ろに立っている男女がこそこそと喋っている。少年を連れ出した張本人だろう。どちらも似た形の革ベストを着こんでいて、同じ組織の者であることがわかる。少年はしかし、そんな二人の声が聞こえているのかいないのか、こちらには目もくれないでいる。
「でも、帝は何をお考えなのでしょう」
 女が堪えきれなくなったのか、ぽつりと零す。暗い光をたたえた瞳に、年端もいかない少年の茶色い後ろ髪が映る。
「スラムの子を片っ端から__」
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