傘を忘れて
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「お前らも雨嫌いなら傘ぐらいもってこいよ!!なんで俺が三本も四本も持ってきてんだ!!」
「手荷物かさばるのヤだから。」
「忘れた。」
「私も。」
「あのなあ……」
傘を持ってこない部員のために持参の傘を部員に配る夜久先輩。
そしてそれを受け取る黒尾先輩と福永くん、そして私が受け取ろうとした時。
「俺の傘ってば人気だから品切れでーす。」
「仕方ない……今日は学校に泊まりマス……」
「通用するか!」
みんなぞろぞろと帰り出す声を横目にあぁ、こうなるぐらいなら持ってくればよかったなあ。なんて今更考える。
そんなことを思ってもどうにもならないからとぼとぼと昇降口に向かって。
ぎゅっと目を瞑り雨を浴びに出た、はずだった。
「……あれ?ついに神様が私に振り向いた……!?」
「んじゃ俺は神様だな。」
振り返れば先に体育館を出たはずの夜久先輩の姿。
「帰ったんじゃ……?」
「あんな嫌そうな顔してるヤツそうほっとけるか。ほら、このまま帰るぞ。」
有無を言わせずそのまま私の手を引いて歩き出してしまう。
「あの、先輩、家反対じゃ……」
「俺がこっち行きたいからいいんだよ。」
気まぐれな神様はそういって家まで手を離してくれなかった。