傘を忘れて
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「大地さん!予備の傘って部室にありましたっけ!!」
「お前もか……ないぞ。田中と日向がラスト二本持ってった。」
「そ、そんなあ……」
うちの部活は忘れん坊ばっかだな、と苦く笑う。そんな大地さんの手には二本の傘があって。
「……その傘は?」
「ああ、これか?これはスガの。今まだ着替えてて……って、せっかちだな、苗字。」
意地悪く笑われてしまい、恥ずかしくなって大地さんから傘を奪い取る。
「もう!大地さんの傘借りますから!スガさんといちゃいちゃ二人で帰ってください!!」
「ちょ、苗字!」
逃げ足だけは早い私はそそくさと外へ向かって、傘を広げる。
「傘、大きいなあ……普段、そんな風に見えなかったけど。」
こう見ると、本当に彼は体が大きいんだな、と。
傘のグリップを掴んでいつも大地さんが握ってるんだよなあ……と思うと、妙に恥ずかしくなってしまう。
でもこれで、傘を返すのを口実に会えるかな、なんて。
◇◆◇
「おまたせー……あれ、大地傘は?」
「嵐に持ってかれた……」
「???」