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「……ねえ、影山くん、」
「飛雄。」
「…………とびお、くん。」
夕日も沈み静けさが辺りを包む帰路、『部活の後一緒に帰りませんかコラ』と彼らしいお誘いを受けこうして隣を歩くのにも少し慣れてきた今日の日。
「……で、どうした?早く帰らねーと冷えんぞ。」
私は、欲張りになっていた。
昨日の夜、彼と別れてから聞いていた恋愛ソングが頭をぐるぐると回り離れないのだ。羨ましい、私もやりたい、と。
「……あ、えと……、」
なんて思いながらもまあ、そんなこと言える訳もなく。何とも言えない声を洩らしながら歩みを進める。
もうすぐ、彼との帰路が別れてしまう。
と、思っていた私の視界はぐんと左に曲がり。
「あ、え?影山くん?」
素っ頓狂な声を上げ腕を引かれる私。
そのまま少し細い裏路地へと導かれた。
手首を掴まれたまま、視線も会わないまま、足も、会話も止まる。
でも私は見てしまった、真っ赤に染る彼の耳を。
そう思った瞬間強く手首を引かれ、視界が真っ暗になった。
「かっ、かげやまく」
「飛雄っつってんだろ」
「……とびおくん……」
ばくばくばくばく。何方から響いているかわからない心音がただうるさい。
部活後だからかより一層強く感じる彼の香りと、季節にそぐわない汗ばんでしまいそうな体温に包まれ頭が真っ白になってしまう。
「な、んで……」
わかったの、と零しそうになる。
昨日きみを思いながらたくさん聞いた恋愛ソング、聞いてたの?と言いたくなった。
「……なんつーか、して欲しそうなカオしてたから。」
そう言って少し、私を抱き締める力が強くなる。
「……それと……」
布が擦れ、彼がこっちを見詰めている気がして視線を上げる。
深い紺色の瞳が、熱に震える瞬間が、わかってしまった。
「俺も、……その、したかったから。」
そういって柔らかく私の頬を撫でる彼はきっと、私の聞いていた歌詞を知っているのかもしれない。
◇
イメージソング:無重力シャトル
「後ろからムギュッと そんでもってチューしよう」そして「ずっとずっとアイラブユー」な感じです。
「後ろからムギュッと そんでもってチューしよう」そして「ずっとずっとアイラブユー」な感じです。
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