空の城



背中に翼の生えた人が住む城

空に浮かんでいる 高すぎてここからは見えない

風と共に場所を変えるから、今どこにあるのかもわからない

だけど、俺を呼んでいる

いつも泣きながら呼ぶ声がする

ここへ来て、わたしのもとへ

もしも許してもらえるのなら

もう二度と離さないわ わたしの愛するかわいい坊や



寂しい声

俺は聞こえないふりをする

俺は空では暮らせない

俺の背中に翼はないし あったとしても目に見えない

そして、俺はもう坊やじゃない

許すとか 許さないとかじゃなくて

この大地の上で、愛する者と共に自分の力で生きてるんだ

だから呼ばれるたびに心で返す

ごめん

ごめんなさい

俺という存在を この世界に降ろしてくれた人

離れていても

どうか 

幸せに




背中に翼の生えた人が住む城

空に浮かんでいる 高すぎて 俺には見えない


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