本編
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月曜の昼休み――その日もまた噂話のヒソヒソは止まず。
「これ……あの告白、学校中に広まってんのかなあぁぁ…………」とひかるがゲンナリすれば、「あのキツネヤローめ……ハルコさんのみならずダチのひかまでたぶらかすとは……」と花道がふぬぬ、と唸った。
「待って花道………………今なんて?」
「あ?何がだ?」
「流川が……誰を誑かしたって??」
「?おめーとハルコさんつった」
「な……っ?!どういう意味?!」
「おいコラひか!!オレの胸ぐら掴むんじゃねぇ!!」
グラグラと花道の頭を揺らしつつ詳しい話を聞けば、何やら従姉妹の晴子が片思いしてる相手が流川だと花道は言う。
それを聞いた瞬間、ひかるの血の気がサァっと引いた。
(晴ちゃん……あたしには好きな人はいないって言ってたのに!!)
だから――自分は晴子に花道を紹介したというのに。
いや……それよりもだ。
そもそも、晴子が流川を好きだと知っていたら……自分は流川の告白を、もっとキッパリ断っていたしトモダチにもならなかった。
(どうしようどうしようどうしよう!!)
どうしようもこうしようもなく、まずは謝らなければ!!と思ったひかるは花道の胸元から手を離す。そして、「あたし晴ちゃんとこ行ってくる!!」と勢いよく教室を飛び出せば……ボスッと図体のデカい誰かに激突してしまった。
「うぇ……いってぇ…………って、流川……!」
「ひかる、飯一緒に食わ、」
「ごめん今ちょっと無理!!」
流川の言葉を遮ってひかるは猛ダッシュで晴子のいる一年一組の教室を目指す。
――知り合ったばっかのトモダチより、付き合いの長い従姉妹の方が大切だ。
一年一組教室――そこでは丁度「ねぇちょっと晴子聞いた?」と例の噂話が話題になっているところだった。
「え、まっちゃん、何が?」
「アンタの好きな流川くんの話。……告白したらしーわよ、アンタの従姉妹に」
その言葉に晴子が「えっ、えぇっ?!」と目を丸くすればもう一人の友人、藤井が「学校中ウワサで持ちきりになってるわよ……」と眉をひそめる。
「なのに知らなかっただなんてホント晴子ってばぼんやりしてるわね……」
「ぼんやりってまっちゃんヒドイ!えっ、ていうかそれほんと……?流川くんがひかちゃんに……?!」
「昼休みの教室でいきなり告白したらしいから、告白自体はホントっぽいわよ」
付き合ってるかどうかはわからないケド、と松井が肩をすくめればスパーン!と教室の扉が勢い良く開いて噂の的そのもののひかるが姿を現して「晴ぢゃあああああああああああん!!」と叫んだかと思うと……あろうことか突然土下座しはじめた。
「えっ、ちょ、ひかちゃん?!」
「晴ぢゃあああん!あだし悪ぐないんだけど!悪くないんだげど!!ごべんなざああああああああい!!」
びええと子どものように泣きながら土下座するひかるへと晴子は駆け寄り「ちょ、ちょっとひかちゃん大丈夫だから顔あげて!恥ずかしいわ?!」と慌てる。
それから顔を上げて苦笑い気味に友人たちへと告げた。
「まっちゃん、藤井ちゃん。私……ひかちゃん落ち着かせてくるから先にお昼食べててくれる?」
「う、うん……」
「わかったわ」
ぐずぐずと泣きじゃくるひかるを宥める晴子を見送りながら松井と藤井は「嵐のようだったわね……」「ね、凄かった……」顔を突き合わせた。
「ひかちゃん……落ち着いた?」
「うん……ごめん晴ちゃん」
晴子が自販機でひかるの好物である紙パックのいちごミルクを買って飲ませてやればひかるは少し落ち着きを取り戻したようだった。
「もう……びっくりしたわよう、いきなり土下座だなんて」
「だって……だってぇ……!」
「でも、やっぱり噂は本当ってことなの?」
「う……不本意ながら本当デス……」
「えっ!すごーい!!あの流川くんにだなんて!」
「すごーいじゃないよう晴ちゃん……花道に聞いちゃったけど……晴ちゃんの好きな人、流川なんでしょ……?」
どこか天然で優しい従姉妹はこんな時でもどこかぽやぽやしている。自分とは真逆で、でもそういうところが大好きで、誰よりも仲良しで傷つけたくない従姉妹だ。
だが、晴子には失恋して傷ついたという素振りは微塵も感じられず……それどころか「で、ひかちゃん流川くんと付き合うの?付き合ってるの?!」と目をキラキラさせてくる。
「い、いや……まだとりあえずトモダチになっただけ……」
「そうなの?!私、ひかちゃんと流川くんが付き合っていずれケッコンってなったら流川くんが私の親戚になるのねってドキドキしてたのに!」
「晴ちゃんそれは飛躍しすぎじゃないかなぁ?!」
唐突に出てきた〝結婚〟という単語にひかるは顔を真っ赤にして動揺する。
「ていうか…………晴ちゃんが流川を好きなら……あたし……流川とトモダチになるのも止めようと思ってたんだけど……」
「え、なんで?」
「な、なんで、って……」
「あのね……私、思うんだけど、ひかちゃんが流川くんとお友達になるのをやめたって流川くんの〝好き〟は無くならないと思うの」
だって、好きの気持ちは止めようと思って止まるものじゃないでしょう?と晴子はにこりと微笑んだ。
「…………そうかも、だけど、」
「私のことは気にしないで、ひかちゃん。私は片思いのままでいいわ。あのね……私はそれよりもひかちゃんの気持ちを大事にしてほしいって思うの」
「晴ちゃん…………、」
「だって……私にとってひかちゃんはとても大切なイトコだから」と晴子がひかるを抱き締めればひかるはやや間を空けて小さく頷きを返した。
――自分の気持ちは……本当は少しわかっている。でも、まだちょっと認めたくない。
「これ……あの告白、学校中に広まってんのかなあぁぁ…………」とひかるがゲンナリすれば、「あのキツネヤローめ……ハルコさんのみならずダチのひかまでたぶらかすとは……」と花道がふぬぬ、と唸った。
「待って花道………………今なんて?」
「あ?何がだ?」
「流川が……誰を誑かしたって??」
「?おめーとハルコさんつった」
「な……っ?!どういう意味?!」
「おいコラひか!!オレの胸ぐら掴むんじゃねぇ!!」
グラグラと花道の頭を揺らしつつ詳しい話を聞けば、何やら従姉妹の晴子が片思いしてる相手が流川だと花道は言う。
それを聞いた瞬間、ひかるの血の気がサァっと引いた。
(晴ちゃん……あたしには好きな人はいないって言ってたのに!!)
だから――自分は晴子に花道を紹介したというのに。
いや……それよりもだ。
そもそも、晴子が流川を好きだと知っていたら……自分は流川の告白を、もっとキッパリ断っていたしトモダチにもならなかった。
(どうしようどうしようどうしよう!!)
どうしようもこうしようもなく、まずは謝らなければ!!と思ったひかるは花道の胸元から手を離す。そして、「あたし晴ちゃんとこ行ってくる!!」と勢いよく教室を飛び出せば……ボスッと図体のデカい誰かに激突してしまった。
「うぇ……いってぇ…………って、流川……!」
「ひかる、飯一緒に食わ、」
「ごめん今ちょっと無理!!」
流川の言葉を遮ってひかるは猛ダッシュで晴子のいる一年一組の教室を目指す。
――知り合ったばっかのトモダチより、付き合いの長い従姉妹の方が大切だ。
一年一組教室――そこでは丁度「ねぇちょっと晴子聞いた?」と例の噂話が話題になっているところだった。
「え、まっちゃん、何が?」
「アンタの好きな流川くんの話。……告白したらしーわよ、アンタの従姉妹に」
その言葉に晴子が「えっ、えぇっ?!」と目を丸くすればもう一人の友人、藤井が「学校中ウワサで持ちきりになってるわよ……」と眉をひそめる。
「なのに知らなかっただなんてホント晴子ってばぼんやりしてるわね……」
「ぼんやりってまっちゃんヒドイ!えっ、ていうかそれほんと……?流川くんがひかちゃんに……?!」
「昼休みの教室でいきなり告白したらしいから、告白自体はホントっぽいわよ」
付き合ってるかどうかはわからないケド、と松井が肩をすくめればスパーン!と教室の扉が勢い良く開いて噂の的そのもののひかるが姿を現して「晴ぢゃあああああああああああん!!」と叫んだかと思うと……あろうことか突然土下座しはじめた。
「えっ、ちょ、ひかちゃん?!」
「晴ぢゃあああん!あだし悪ぐないんだけど!悪くないんだげど!!ごべんなざああああああああい!!」
びええと子どものように泣きながら土下座するひかるへと晴子は駆け寄り「ちょ、ちょっとひかちゃん大丈夫だから顔あげて!恥ずかしいわ?!」と慌てる。
それから顔を上げて苦笑い気味に友人たちへと告げた。
「まっちゃん、藤井ちゃん。私……ひかちゃん落ち着かせてくるから先にお昼食べててくれる?」
「う、うん……」
「わかったわ」
ぐずぐずと泣きじゃくるひかるを宥める晴子を見送りながら松井と藤井は「嵐のようだったわね……」「ね、凄かった……」顔を突き合わせた。
「ひかちゃん……落ち着いた?」
「うん……ごめん晴ちゃん」
晴子が自販機でひかるの好物である紙パックのいちごミルクを買って飲ませてやればひかるは少し落ち着きを取り戻したようだった。
「もう……びっくりしたわよう、いきなり土下座だなんて」
「だって……だってぇ……!」
「でも、やっぱり噂は本当ってことなの?」
「う……不本意ながら本当デス……」
「えっ!すごーい!!あの流川くんにだなんて!」
「すごーいじゃないよう晴ちゃん……花道に聞いちゃったけど……晴ちゃんの好きな人、流川なんでしょ……?」
どこか天然で優しい従姉妹はこんな時でもどこかぽやぽやしている。自分とは真逆で、でもそういうところが大好きで、誰よりも仲良しで傷つけたくない従姉妹だ。
だが、晴子には失恋して傷ついたという素振りは微塵も感じられず……それどころか「で、ひかちゃん流川くんと付き合うの?付き合ってるの?!」と目をキラキラさせてくる。
「い、いや……まだとりあえずトモダチになっただけ……」
「そうなの?!私、ひかちゃんと流川くんが付き合っていずれケッコンってなったら流川くんが私の親戚になるのねってドキドキしてたのに!」
「晴ちゃんそれは飛躍しすぎじゃないかなぁ?!」
唐突に出てきた〝結婚〟という単語にひかるは顔を真っ赤にして動揺する。
「ていうか…………晴ちゃんが流川を好きなら……あたし……流川とトモダチになるのも止めようと思ってたんだけど……」
「え、なんで?」
「な、なんで、って……」
「あのね……私、思うんだけど、ひかちゃんが流川くんとお友達になるのをやめたって流川くんの〝好き〟は無くならないと思うの」
だって、好きの気持ちは止めようと思って止まるものじゃないでしょう?と晴子はにこりと微笑んだ。
「…………そうかも、だけど、」
「私のことは気にしないで、ひかちゃん。私は片思いのままでいいわ。あのね……私はそれよりもひかちゃんの気持ちを大事にしてほしいって思うの」
「晴ちゃん…………、」
「だって……私にとってひかちゃんはとても大切なイトコだから」と晴子がひかるを抱き締めればひかるはやや間を空けて小さく頷きを返した。
――自分の気持ちは……本当は少しわかっている。でも、まだちょっと認めたくない。