本編
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(何だかんだで、常連みたくなっちゃったなぁ)
晴子と共にひょこりと体育館を覗き込めば馴染み深い音と匂いが飛び込んできて、自分でプレイ出来ずとも体育館って落ち着く場所なんだよなぁとひかるは思う。
目当てと呼ぶには照れのあるデカブツは今日も真剣な眼差しでボールを追っている。あの目だけはちょっと好きかもしれないなんて無意識に考えてしまってひかるは思わずブンブンと頭を振る。すると、晴子から「どうしたのひかちゃん?」とキョトンとした目を向けられてしまった。
「ひかちゃん、また来たんだ?」
「あー……宮城センパイ。……おじゃまっすか?」
「いやいやチガウ。流川は振り向いてもらえそーでうらやましーなーって思っただけ」
「や……あたしはまだまだ振り向いたワケじゃ……!」
気づけば他の部員たちとも軽口を交わせるくらいには仲良くなっていた。やっぱり通いすぎかな……とひかるは苦笑する。
そうしてひかるが宮城と他愛ない会話に興じれば背後に気配が。
「――センパイ。喋りすぎっす」
「流川……っ?!センパイとのおしゃべりくらい別にいーじゃん!」
「ひかるは良くてもオレはヤなの」
流川とひかるのやりとりに「流川いっちょまえにヤキモチかよー」と宮城は笑う。かわいげのない後輩のかわいい部分を垣間見た気分だ。
そんな中、流川の中学時代のセンパイであり、宮城の想い人でもあるマネージャーの彩子が会話に混ざってきた。
「流川が妬くのもしょうがないわよ、リョータ。コイツ、ずっと一途にひかちゃんのことが好きだったんだから」
中学ン時の告白、ぜーんぶ好きなヤツがいるからって断ってたもんねぇ?と彩子が流川を茶化せば「たりめーじゃねっすか」と流川はボソッと返す。
「そういえば、流川くんっていつからひかちゃんのことが好きだったの?」
ド直球な晴子の質問にひかるの口から「んぐっ」と変な声が漏れた。
「……小四。たまたま見た女子の試合にひかるがいた」
「えっ、いつの試合だ?」
「県大会準決勝。――それから大体アンタの出てる試合はチェックしてる」
そんな昔からあたしのことを見てたのか……とひかるは目を丸くする。
「……あん時のひかるの姿が忘れらんなくて。あの後すぐにオレもバスケット始めた」
フ、と口元を緩ませる流川に、ひかる以外の皆が流川でもそんな顔をするのか……と信じられないものを見た心地だった。なんせ、普段は表情筋が全くと言っていいほど仕事をしていないのが流川という男だ。
「へぇ、じゃぁひかちゃんと出会ってなかったら今の流川は居なかったかもしれないのねー」
「すごーい!なんだかロマンティックねー!!」
彩子の言葉に晴子がきゃいきゃいとはしゃぐ中、ひかるは「でも、」と口を開く。
「……今の流川を作ったのは、流川自身の努力の結果だよ」
……例えキッカケが自分だったとしても。血のにじむような努力が今の流川を作ったのだと、ひかるは理解していた。
(そーゆーとこは、割とイヤじゃねーっつーか……)
むしろ好きかも、なんて本人にはまだ言えない。
晴子と共にひょこりと体育館を覗き込めば馴染み深い音と匂いが飛び込んできて、自分でプレイ出来ずとも体育館って落ち着く場所なんだよなぁとひかるは思う。
目当てと呼ぶには照れのあるデカブツは今日も真剣な眼差しでボールを追っている。あの目だけはちょっと好きかもしれないなんて無意識に考えてしまってひかるは思わずブンブンと頭を振る。すると、晴子から「どうしたのひかちゃん?」とキョトンとした目を向けられてしまった。
「ひかちゃん、また来たんだ?」
「あー……宮城センパイ。……おじゃまっすか?」
「いやいやチガウ。流川は振り向いてもらえそーでうらやましーなーって思っただけ」
「や……あたしはまだまだ振り向いたワケじゃ……!」
気づけば他の部員たちとも軽口を交わせるくらいには仲良くなっていた。やっぱり通いすぎかな……とひかるは苦笑する。
そうしてひかるが宮城と他愛ない会話に興じれば背後に気配が。
「――センパイ。喋りすぎっす」
「流川……っ?!センパイとのおしゃべりくらい別にいーじゃん!」
「ひかるは良くてもオレはヤなの」
流川とひかるのやりとりに「流川いっちょまえにヤキモチかよー」と宮城は笑う。かわいげのない後輩のかわいい部分を垣間見た気分だ。
そんな中、流川の中学時代のセンパイであり、宮城の想い人でもあるマネージャーの彩子が会話に混ざってきた。
「流川が妬くのもしょうがないわよ、リョータ。コイツ、ずっと一途にひかちゃんのことが好きだったんだから」
中学ン時の告白、ぜーんぶ好きなヤツがいるからって断ってたもんねぇ?と彩子が流川を茶化せば「たりめーじゃねっすか」と流川はボソッと返す。
「そういえば、流川くんっていつからひかちゃんのことが好きだったの?」
ド直球な晴子の質問にひかるの口から「んぐっ」と変な声が漏れた。
「……小四。たまたま見た女子の試合にひかるがいた」
「えっ、いつの試合だ?」
「県大会準決勝。――それから大体アンタの出てる試合はチェックしてる」
そんな昔からあたしのことを見てたのか……とひかるは目を丸くする。
「……あん時のひかるの姿が忘れらんなくて。あの後すぐにオレもバスケット始めた」
フ、と口元を緩ませる流川に、ひかる以外の皆が流川でもそんな顔をするのか……と信じられないものを見た心地だった。なんせ、普段は表情筋が全くと言っていいほど仕事をしていないのが流川という男だ。
「へぇ、じゃぁひかちゃんと出会ってなかったら今の流川は居なかったかもしれないのねー」
「すごーい!なんだかロマンティックねー!!」
彩子の言葉に晴子がきゃいきゃいとはしゃぐ中、ひかるは「でも、」と口を開く。
「……今の流川を作ったのは、流川自身の努力の結果だよ」
……例えキッカケが自分だったとしても。血のにじむような努力が今の流川を作ったのだと、ひかるは理解していた。
(そーゆーとこは、割とイヤじゃねーっつーか……)
むしろ好きかも、なんて本人にはまだ言えない。