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短編小説



二ヶ月もだ。
ろくに会ってもいなくて。
もう、一緒に食事に行ってからすら一週間がたっている。
限界だった。

「ちょ、遊佐さん待って…んっ?」

待てない。
もうずっと、一緒にいる時間も、セックスする時間もなくて。
イベントが立て込むこともあるし、自分も彼も忙しくさせてもらえるのはありがたい。
でも、もうダメ。
乱暴に舌を絡めるだけで、体が火照る。
シャワーを浴びる時間すら惜しくて、ベッドに直行。
押し倒した。
むしり取るように安元くんのシャツを肌蹴て、キスをしたままズボンのベルトに手をかける。

「すごいね、遊佐さん…」

もたつく僕の手に、安元くんがそっと手を重ねた。
自分でズボンと下着を脱いで、僕をベッドの下に座らせる。
目の前に、彼の自身。
髪を撫でられて、グッと引き寄せられると唇に熱いモノが触れた。
貪るように食らいつく。
熱い。
これが欲しかった。

「んっ、はぅ…おいひぃ…」
「…っ」

口をついた言葉に反応する様に、大きくなって嬉しくなる。
髪に絡んだままの安元くんの手が熱い。
必死にむしゃぶりつく僕を押さえ込むように手に力がこもった。
名残惜しいのに、唇が離れる。

「んぁ…っ」

見上げると、目線がからんだ。
舌を伸ばして、先端をペロリ。
早く、欲しくて。

「あんまり煽らないでくださいよ。物欲しそうな顔して。」

だって、欲しかったんだ。
安元くんが、僕を立たせてズボンに手をかけた。
脱がされるほんの数秒がもどかしい。
ベッドに押し倒されると勢いもそのままに突き込まれた。

「ぅあっ!?」

息がつまる。
ジンジンと結合部が熱くなって、ゆっくりと解れて飲み込んでいった。
その全てをゆったりと待っていたのに、飲み込んだばかりのそれを引き抜かれて。
痛い。痛いのに、幸せすぎて気持ちいい錯覚。
涙がこぼれた。

「すみません、痛いですよねっ」
「んっ…すごいっ幸せで…っ」

繋がってる。
そう思うだけで、頬が緩んだ。

「すごい、気持ちいぃ…んあぁぁ」

ろくに濡らしもしないままガツガツと突かれて、あっという間に果てる。
痛みが引かないうちにイカされて、中は安元くんで満たされる。
ビクビクと震える中に、最後の一滴まで注がれて、やっと息を吐いた。

「抜きますよ」

言うと同時に引き抜かれて、中からドロリと白濁が流れる感覚。
それにすら、うっとりする。

汚れるのも構わずに安元くんが横に寝転がって。
荒い息を整えながら、少し冷静になり始めて恥ずかしくなってくる。
いい歳して、こんなにがっつくなんて。

「ごめんね、なんか…」

言葉にならなくて口をつぐむ。
横向きに転がったまま、安元くんはまた僕の頭をそっと撫でる。

「すごい、素敵でした。」

でもちょっと我慢出来なくて痛くしちゃいました。
そんな心配そうな声を出さなくていいよと、言おうとした唇は塞がれて。
今度は優しい声。

「もう一度しましょうね。」

流されてあげよう。
そして、彼も同じように会いたかったのだろうと、少しだけ自惚れても良いだろうか。
幸せに、沈んでいく。
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