「ゴホッ！ゴホッ！」
『沖田さん、大丈夫ですか！？』

最近、治まってたはずなのに。
なんで君の前だと、よくこうなるのかな。

「…ハァ。ありがとう、ナマエちゃん。大分楽になったよ」
『…いえ！私は…何もしてませんよ』
「…傍にいるだけでも、良いもんだよ」
『沖田さん？何か言いました？』
「ううん」

僕の為にわざわざ、ご飯も食べやすくしてくれて、付きっきりで看病してくれて、

そんな君が愛しくて、すべてを手に入れたくなる。


だけど いずれ僕は、君を１人にしてしまうんだ。
それなら 最初から手を伸ばさない。
　
でも…でも…
それでも君が、僕を望んでくれるなら…


「…ねぇ、ナマエちゃん。稽古、手伝ってくれない？」
『わ、私としても…稽古にならないですよ』
「僕の為じゃないよ、君の為だよ」
『あ…』
「少しでも 自分を守る為に、腕を磨くんだね」
『はい！』


勢いよく返事したって、どうせ君は戦いになると怖じ気付く。
そして僕が守らないといけない。

でも病気に蝕まれて死ぬより、君を守って死ねるなら、案外それは本望かもしれない。



君、想う
(君の為なら、僕は)



『よ、宜しくお願いします！』
「はい、宜しく。不意に押し倒しても…気にしないでね？」
『え？えぇ！？』