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私は放課後になると、いつもこの屋上に来る。
春は眠気を誘う暖かな風が吹き、夏は大きな青い空に覆われ、秋は綺麗な夕日が照らされ、冬は冷たい風が頬を撫でる。
高校2年の時からだろうか、ふと踏み入れたここの心地良さが気に入って、ずっとずっと通ってきた。
ついでに、部活動に打ち込んでいる生徒を見るようになった。
笑ったり、真剣な顔をしたり、いつも見ない表情が1人1人に表れる。
そして、いつの間にか 1人の男子生徒を目で追うようになった。
確かあの子とは一度だけクラスが一緒になって、数回話した事があるぐらいだった。
その子の部活に真剣に取り組む姿勢とコロコロ変わる表情に、いつしか釘付けだった。
私はその子を見ているだけで満足だった。
ある日もいつもと同じく、屋上から眺めていた。
けど、その子の隣には可愛らしい女の子が居て、ここで眺めているだけの私が何だか凄く恥ずかしくなった。
私は目をそらし、他の部活を見たり携帯をいじったりした。
いつの間にか女の子は居なくなっていて、男の子は部活をやっていた。
そしてその男の子は、こちらを向いて手招きをしていた。
これは私にやっているのだろうか。
確認の為、人差し指で自分を指差すと、その男の子は2回程頷いた。
手招きをしながら、「はやく」と口で言った男の子を見て、私は急いで階段を駆け下りた。
久しぶりに2、3段飛ばしなんてして。
にやける顔を抑えられず、他の生徒に変な目で見られたりして。
見ているだけで満足な訳がない。
本当の気持ちを隠したい、ただの自己暗示だ。
さぁ、もう
見ているだけは終わりだ