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入間さんは警官業務もあり、ラップバトルもありとなにかと忙しい身である。
そんな忙しい身でありながらも、私との時間を作ってくれる。それが申し訳なくもあり、それ以上に嬉しくもある。
「会いたい」といった連絡を私からしたことはない。私の方に時間があれど、入間さんの方に時間があるとは限らないから。
家事も済ませ、友人との約束も終え、この後の用事は何もない。ふと出来た時間。
なんだか無性に入間さんに会いたくなって、『今日、少しだけ時間ありませんか?会いたいです』とメッセージアプリで打った。
だけど、それを未だ送れずにいる。
会うなら外の方が良いと思い、家には帰らず、カフェでそのメッセージアプリとゲームアプリを交互に睨めっこしながら、1時間が経とうとした頃。
まぁ、今日入間さんに時間があるとは限らないし…ままよ!と送った。送ってしまった。
そして、大いに悩んでメッセージを送ったことで、その達成感で満たされてしまった。
入間さんの返事が、いつ返ってくるからも分からない。
このまま此処に居るわけにもいかず、カフェを後にすれば、すぐにスマホから着信を知らせる音が響いた。
心臓がばくばくと音を立てながら、少し震える手でスマホを取った。
「もっ、もしもし?」
『今、どこですか?』
「あ、えっとカフェに居たんですが…もう帰るところです」
『迎えに行きます。カフェの場所を教えて頂けますか?』
「え、いや、そんな。お忙しいでしょうから、いいですよ」
『今、ちょうど時間が出来たんです。私も貴方に会いたいですから』
こうやって入間さんは、踏ん切りのつかない私にいつも欲しい言葉をくれる。
だから、いつもより少しだけ勇気を振り絞って、言葉でも伝えてみよう。
「…私も会いたいです」
電話の先で少し息を呑むような音がした、気がした。
とりあえずカフェの名前を伝えると、どうやら入間さんも知っているところらしく、場所を伝えるまでもなかった。
そうして、電話を終えて数十分も経たないうちに入間さんは来てくれた。
「入間さん!お疲れ様です」
「ありがとうございます。さ、乗ってください」
失礼します、と言いながら入間さんの車の助手席に乗る。
清潔に保たれて、入間さんの香水の匂いがほのかにする車内。そして、そんな見た目の綺麗さとは裏腹に、ほんの少しだけ香る煙草の匂い。
「時間が出来たと言っても、出来るのは貴方を家に送るぐらいなんですが…すみません」
「いえ!お忙しいのに…こちらこそすみません」
「…ナマエから初めて“会いたい”って言ってくれたんだ。会いに行かない訳にはいかないからな」
その言葉にハッとして、入間さんを見る。入間さんは視線だけをこちらに向けて、フッと微笑んだ。
入間さんはそのまま前に向き、車を発進させた。
「いつでも言ってくれていいんですよ。“会いたい”って」
「え、とあの……努力します」
「ふふ、正直ですね」
多分まだ、自分勝手に我儘に“会いたい”だなんて言う勇気はない。どうしても入間さんのことを優先に考えてしまうから。
だけど、入間さんがいつでも言っていいと言ってくれた。これからはほんの少しだけ我儘に連絡してみよう…かな。
「あっ、さっき言い忘れてました。今日、会いに来てくれてありがとうございます!入間さんに会えてとっても…とっても嬉しいです」
「えぇ…私も、貴方に会えて嬉しいですよ」
入間さんのひどく甘くて優しい声が耳に届く。
そうやって2人して笑って。
私の家までの道のりを、とめどない話をしながら過ごした。
彼に会えた喜びを胸に抱えながら。
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