その他
▼ Name change!
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
とある宿屋の一室。尾形さんが部屋に入ってくるや否や、布団に組み敷かれた。冷たく鋭い瞳がこちらを睨みつけている。
どこにも逃げ場はないとでも言うように、尾形さんの羽織っている外套がぱさりと広がり落ちた。
「俺以外の男を知っているかと思うと、不愉快だな」
するりと頬を撫でられたかと思うと、首筋に顔を埋められ、生暖かい感触がざらりと這う。
なぜ尾形さんはこんなことをするのか。突然のことに頭がついていかない。
混乱している間にも、尾形さんの手は衣服の中へと滑り込んでいく。
「ちょ、ちょっと待ってください。なんなんですか!?」
「ハッ、清純そうな顔してやることやってたんだなぁ」
「だから、何のことですか!?」
「遊郭に行ってただろ」
確かに今日、遊郭に行っていた。でもそれは自分が遊ぶ為ではなくて。ばったり出会った古い友人がそこにいたから、おいでと言われて会いに行ったら、まさかのそこは遊郭だっただけで。
「今までもこっそり行って遊んでたのか。すっかり騙されてたよ」
「ちょ、話を…聞いてください!」
尾形さんの頬を両手で強く挟み込み、真っ直ぐと見つめる。それに驚いた尾形さんは目を丸くして、渋々といった感じで口をぎゅっと結んだ。
遊郭へ行った理由を、事細かく一から十まで説明してあげた。尾形さんは聞き終えた後、深い大きなため息をついて覆いかぶさってきた。重いです。
「納得して頂けましたでしょうか?」
少しだけ声色に棘をつけて問いかける。尾形さんは何も言わなかったけれど、小さくこくりと頷いた。
「私は、そういうことは好きな人としかしませんし…尾形さんしか知りませんよ」
濡れる唇も、触れる手も、熱い身体も、私は尾形さんしか知らない。尾形さん以外考えられない。そのことを分かってくれるだろうか。
「…俺が最初で、最後だ」
耳元で囁かれた言葉。何が、と言う言葉は噛み付くように落ちてきた熱い唇に飲み込まれてしまった。
—————
title:icca