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▼ネタバレあり
▼微シリアス
私は醜い。
桐条先輩のお父さんが亡くなって、先輩は後継者問題とかで多忙になり、寮にあまり帰ってこなかった。悲しむ暇もない…か。
天田くんの言うとおり、幾月さんの事といい最近、大人が当てにならない。
桐条先輩の一番の理解者である真田先輩も、あまり元気がない。桐条先輩の事が心配でたまらないんだろう。
寮のラウンジで座っている先輩は、いつ帰ってくるか分からない桐条先輩をどこか待っているように思えた。
「大丈夫なのか美鶴…」
『心配、ですね…』
なんて言うけど、私の心のどこかでは黒い渦が渦巻いている。
桐条先輩の事は本当に心配している。親を失う悲しみを知っているから。
だけど、桐条先輩に嫉妬する私もいる。これだけ真田先輩に心配される桐条先輩を。
2人は昔からの仲で、先輩は私の知らない真田先輩を知っていて。
言い出したらキリがないけど、2人はお互いに信頼していて、真田先輩が桐条先輩を我が身のように心配するのは当たり前で。
…桐条先輩がこんな時にまで嫉妬する私はなんて醜いのだろう。
そんな自分が嫌で、嫌で、たまらなくなる。泣き喚きたくなるぐらいに。
それと同時に、私はそれほどまでに真田先輩が好きなんだ。
……もし私に何かあった時、これくらい私の事を心配してくれますか?
隣に座っている真田先輩にそう問いかけそうになるのを、ぐっと喉の辺りで押し殺した。
嫉妬
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