緑間 真太郎
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「真ちゃんってさ、年上の人がタイプなんだってさ」
それを高尾から聞いた時、掴んでいた卵焼きを箸もろとも落としてしまいそうになった。
そして、私の心もどん底に落ちてしまいそうな気分だった。
今までずっと緑間の事を想ってきたけど、緑間は私なんて、恋愛対象じゃなかったんだなって。全然目に入ってなかったんだなって。
『そ、うなんだ~。中々やるね緑間も』
そうやって頑張って笑顔を作った。多分、すぐに高尾にはバレただろう。作り笑いって事が。
気を遣ってかジュースを買いに行ってくる、と高尾は席を立った。
と、同時にトイレに行っていた緑間が帰ってきた。
どういう顔をすればいいか分からないまま、お弁当をひたすら見つめて『おかえり』と言った。
「…ただいま」
素っ気ないながらも、くれた言葉に頬が緩みそうになった。
でもすぐに現実に引き戻された。何を話せば良いか分からない、少し頭が混乱気味。
だけど、食欲は旺盛で黙々とお弁当のおかずを口に運んだ。
「…何かあったのか?」
この沈黙の中、先に口を開いたのは緑間だった。あまりにも突然で、私も言葉に詰まる。
『え、あ。いや別に』
「そんな訳ないだろう。高尾にでも何か言われたか?」
『言われたと言えば言われたし…』
「…何を言われた」
突然掴まれた手は少し痛くて、持っていた箸を落としてしまった。
そして、今まで見れなかった緑間の顔も目に入ってきた。その顔はいつになく真剣だった。
言わないと話してくれなさそうな雰囲気に観念して、話すことにした。
『えっと、…緑間の好きなタイプは…年上だって』
「なっ!」
驚いた緑間は掴んでいた手を離して、眼鏡をくいっと直した。そして一言「余計な事を…」と呟いた。
『なかなか、やるね緑間』
「ミョウジ」
『年上だなんて流石』
「ミョウジ」
『誰か気になってる、そんな人居ないの?』
止まらない。プチンと何かが切れたように、口からは次から次へと言葉が出て行く。
突然頬に手が添えられて驚き、緑間の方を見た。でも視界は緑間は居ない…というか、緑間の顔のドアップで。
あ、睫毛長いな…と思うと同時に、唇には何か柔らかいものが当たる感触を感じた。
『…な、ななななんで』
「黙らないからなのだよ」
『…あ、はい…ごめんなさい…』
「お前は、本当にそれだけの理由だと思ってるのか?」
『う、うん?』
緑間はハァと一つため息を吐いた。え、なに私何かしましたか?むしろされた側なのですが。
「…好きなタイプはただタイプであって、それが好きな人だとは限らないだろう」
『た、多分…?』
「だから…まどろっこしいな。…好きだナマエ」
真っ直ぐ私を見る緑間の目は本気で、告白されたという嬉しさと、初めて下の名前を呼ばれた恥ずかしさで、もう頭も心も一杯一杯だった。
必死に紡いだ言葉で私も気持ちを伝えると、優しく頭を撫でてくれた。
想いが通ったことがありえないと思いながらも、それはもう教室で実際起こった事な訳で。そして、クラスの皆には一部始終を見られていた訳で。
次の日から、皆に盛大にからかわれる事となった。
好きなタイプ≠好きな人
「おめでとお二人さーん!いやぁ長かった長かった。やっと、くっついたなお前ら」
『た、高尾!』
「…どこから見ていた」
「えー?最初っから最後まで」
『ジュース買いに行ってたんじゃ…』
「んな、なげーこと行ってる訳ねぇだろ?」
『た』「た」
「お?」
『「高尾ぉおおおお!」』