緑間 真太郎
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放課後の図書室。
帰宅部の私は、もうここで過ごすのが日課になっていた。静まった中で本の匂いに包まれて読むのは、なかなか心地の良いものだ。
椅子を引く音さえ響く中、あまり物音が立たないように立ち上がり、読み終わった本を元の場所に置きに行った。
新たに読む本を探そうとした時、戻した本の4・5冊隣に、なにやら気になる表紙の占いの本があった。
占いは昔から大好きで、今も毎朝 占いを見ている。
同じクラスで隣の席の緑間くんもそうだという噂を聞いて、話してみたいと何度も思った。けど、少しだけなら何回か話したことがあるくせに、いざ話しかけるとなれば勇気が出ない。
「その本、なかなか面白かったのだよ」
そうそう、こんな風に気軽に話しかけれたら…
『え、み、緑間くん!?』
「…静かに」
突如 聞こえた大声に、図書室に居た数人からトゲの刺さる視線を受けた。ご、ごめんなさい。
『ど、どうしたの?』
「本を借りにきたのだよ」
『これ?』
「いや、これを」
そう言って緑間くんが取った本は、私がさっきまで読んでいた本だった。
『それ、面白かったよ』
「そうか。ミョウジの持っている、その本も面白かったのだよ」
こ、これは緑間くんと占いの話をするチャンスなのでは…!せっかく緑間くんから話しかけてくれたんだ。
『あ、あの…!』
・
・
・
ピピピ…
目覚まし時計のアラームを止めて、目を開ける。いつも見ている部屋の景色なのに、今日は一段と輝いてみえた。
今日から少し学校が楽しみなのです。
『緑間くん。おはよう』
「ああ、おはよう」
教室に入り、隣の席の緑間くんに挨拶をする。
昨日頑張ったおかげで、緑間くんと占いの話が出来たのです!意外と意気投合して、たくさんお話が出来た。
『そのぬいぐるみは?』
「ラッキーアイテムなのだよ」
『やっぱり』
くすくすと笑う私に、緑間くんは堂々とした様子で綺麗な指先で眼鏡を上にあげた。その仕草にドキドキした私は、緑間くんから少し目をそらした。
「どうかしたか?」
『う、ううん』
「それよりそのイルカのキーホルダー、今日のラッキーアイテムだろう?」
『そうだよ。よく分かったね!』
「ミョウジの星座のラッキーアイテムが、確かそれだったのだよ」
『え、私の星座まで見てくれたの?』
「き、昨日聞いて、た、たまたま目に入っただけなのだよ!」
その返事は少し慌て気味で、照れ隠しか分からないけれど、緑間くんはまた眼鏡をあげて、そのまま手を眼鏡に当てていた。
見てくれていたのがなんだか凄い嬉しくて、私も今度から緑間くんの星座のラッキーアイテムをちゃんと見ようと思った。
占いで繋ぐ
(僕らの赤い糸)